時々、訪問看護師にいろいろおもてなしをしてくださる患者さんがいます。
先週初回訪問で、今回担当看護師を連れておじゃましましたが、今回は万を持してのおもてなし攻撃にタジタジになりました。
今のところまだまだお元気で、家事をするのが大好きなKさん。
おうちの中も気持ちの良く整頓され、昼間はお一人で過ごされていますが、近隣の方ともとても仲良しで、お茶をしながらお話をするのが何よりの楽しみな様子。
私たちの訪問に際しては、お茶やお菓子など一切不要で、お仕事をさせていただくことはお伝えしていますし、書面でもお渡ししていますが、それはあまり効果はなく、ご理解いただけるのに時間を要することともあります。
ただ、これも時と場合で、あまり固辞することでせっかくの関係性が壊れてしまうこともあり、時には一緒にお茶を飲みながら話をすることで、本当の気持ちなどをお話されることもあります。
kさんは足のむくみが強いので、バイタルを測ったあと足浴をし、お話をしながら保湿クリームを塗りながらゆっくりマッサージを行っていました。
すると、「申し訳ないわー」「本当に悪いわー」から始まり、なにやらそわそわし始めました。
足浴が終わり、まだほかにもお聞きしたいことがある中、「りんごジュースあるのよ!りんごジュース!飲まない?」と。
「いえいえ、お仕事させていただいているので、お気遣い無く。」そんなやりとりを繰り返す中、半ば強引にりんごジュースをコップになみなみ持って来てくれました。
せっかくなのでありがたく頂くと、「ふふ。あのね、漬物。漬物切ってあるのよ」と。
「え、もう本当に、本当にいいので、ここに座っていただけますか?」
「朝から、ほらちゃんと切ってすぐ食べられるようにしてあるのよ、私の漬けた漬物!10年越えのぬか漬なのよ!」
もう押し問答は不毛なので、その中鉢にたっぷり盛られた漬物を頂くことになりました。
しかも、それを小皿にわけてどんどん盛られます。
さらにお茶まで・・。
いくらお断りしても、聞く耳持たずそれは嬉しそうに準備をしてくれます。
きゅうりとカブの絶妙なお漬物は、まさしくおふくろの味。
「美味しい!本当に美味しい!こんな美味しいお漬物、久しぶりです。」そう言うと、本当に嬉しそうにいろんな話をしてくれます。
しかも、「お願い。もういっぱいだけお茶飲んで。」と、どんどんお茶を注がれます。
Kさんいわく「死んだ主人は、そりゃあ人寄せが好きな人で、私はずっとその世話をしていたのよ。いろんな人が来て楽しかったわ。主人は、人が寄らない家は暗くてダメだって。私もそれが好きなのよ。」と。
途中更に進められるせんべいはなんとかお断りし、帰りのご挨拶をすると「え!?もう帰っちゃうの?あら。もう帰っちゃうの?」と再びそわそわ。
「あのね、うち今晩筍ご飯なの。ちょっと濃いめに炊いてね。小さなおにぎりにして、ちょっと味見していかない?」
「あ、あ、ありがとうございます。でももうお腹いっぱいだし、次の患者さんがいますから、お気持ちだけでありがとうございます。」
ご気分を害さないようにお断りするのも、なかなか難しいものがあります。
なんとか、辞退することができました。
帰りも車に乗り込み、門を出るまで満面の笑顔で見送ってくれました。
「また来てねー」
Kさんは、ずっとずっとそうして、家庭の中でくるくると動いてきた人なのでしょう。
家族のため、お客様のため、美味しいものをたくさん食べてもらって、喜んでくれる顔を見るが何より嬉しくて・・。
そんな人生を送ってきたのでしょう。
そんな愛すべきKさんを、近所の人たちも家族のように気にかけてくれています。
訪問中も、ちょくちょく顔を見せ、足りないものは用意してくれ、大事は話は働いている娘さんに伝えてくれて。
向こう3件両隣といつも仲良く、玄関は開け放しで誰彼となく声をかける。
お茶のお供はお手製のぬか漬けで・・
こういう風景は、私の子供の頃には、当たり前のようにありました。
となりのおばちゃん、裏のおじちゃん。
いつの間にか、隣の家でご飯を食べていたことを思い出します。
満面の笑顔で私たちを迎えてくれたKさんが、これからも笑顔でいられるように、少しでも長くこうしてお漬物をつけられるように、願わずにはいられませんでした。
そして、亡くなった母の顔がそこに少し重なった気がしました。
元気でいてね。Kさん。
先週初回訪問で、今回担当看護師を連れておじゃましましたが、今回は万を持してのおもてなし攻撃にタジタジになりました。
今のところまだまだお元気で、家事をするのが大好きなKさん。
おうちの中も気持ちの良く整頓され、昼間はお一人で過ごされていますが、近隣の方ともとても仲良しで、お茶をしながらお話をするのが何よりの楽しみな様子。
私たちの訪問に際しては、お茶やお菓子など一切不要で、お仕事をさせていただくことはお伝えしていますし、書面でもお渡ししていますが、それはあまり効果はなく、ご理解いただけるのに時間を要することともあります。
ただ、これも時と場合で、あまり固辞することでせっかくの関係性が壊れてしまうこともあり、時には一緒にお茶を飲みながら話をすることで、本当の気持ちなどをお話されることもあります。
kさんは足のむくみが強いので、バイタルを測ったあと足浴をし、お話をしながら保湿クリームを塗りながらゆっくりマッサージを行っていました。
すると、「申し訳ないわー」「本当に悪いわー」から始まり、なにやらそわそわし始めました。
足浴が終わり、まだほかにもお聞きしたいことがある中、「りんごジュースあるのよ!りんごジュース!飲まない?」と。
「いえいえ、お仕事させていただいているので、お気遣い無く。」そんなやりとりを繰り返す中、半ば強引にりんごジュースをコップになみなみ持って来てくれました。
せっかくなのでありがたく頂くと、「ふふ。あのね、漬物。漬物切ってあるのよ」と。
「え、もう本当に、本当にいいので、ここに座っていただけますか?」
「朝から、ほらちゃんと切ってすぐ食べられるようにしてあるのよ、私の漬けた漬物!10年越えのぬか漬なのよ!」
もう押し問答は不毛なので、その中鉢にたっぷり盛られた漬物を頂くことになりました。
しかも、それを小皿にわけてどんどん盛られます。
さらにお茶まで・・。
いくらお断りしても、聞く耳持たずそれは嬉しそうに準備をしてくれます。
きゅうりとカブの絶妙なお漬物は、まさしくおふくろの味。
「美味しい!本当に美味しい!こんな美味しいお漬物、久しぶりです。」そう言うと、本当に嬉しそうにいろんな話をしてくれます。
しかも、「お願い。もういっぱいだけお茶飲んで。」と、どんどんお茶を注がれます。
Kさんいわく「死んだ主人は、そりゃあ人寄せが好きな人で、私はずっとその世話をしていたのよ。いろんな人が来て楽しかったわ。主人は、人が寄らない家は暗くてダメだって。私もそれが好きなのよ。」と。
途中更に進められるせんべいはなんとかお断りし、帰りのご挨拶をすると「え!?もう帰っちゃうの?あら。もう帰っちゃうの?」と再びそわそわ。
「あのね、うち今晩筍ご飯なの。ちょっと濃いめに炊いてね。小さなおにぎりにして、ちょっと味見していかない?」
「あ、あ、ありがとうございます。でももうお腹いっぱいだし、次の患者さんがいますから、お気持ちだけでありがとうございます。」
ご気分を害さないようにお断りするのも、なかなか難しいものがあります。
なんとか、辞退することができました。
帰りも車に乗り込み、門を出るまで満面の笑顔で見送ってくれました。
「また来てねー」
Kさんは、ずっとずっとそうして、家庭の中でくるくると動いてきた人なのでしょう。
家族のため、お客様のため、美味しいものをたくさん食べてもらって、喜んでくれる顔を見るが何より嬉しくて・・。
そんな人生を送ってきたのでしょう。
そんな愛すべきKさんを、近所の人たちも家族のように気にかけてくれています。
訪問中も、ちょくちょく顔を見せ、足りないものは用意してくれ、大事は話は働いている娘さんに伝えてくれて。
向こう3件両隣といつも仲良く、玄関は開け放しで誰彼となく声をかける。
お茶のお供はお手製のぬか漬けで・・
こういう風景は、私の子供の頃には、当たり前のようにありました。
となりのおばちゃん、裏のおじちゃん。
いつの間にか、隣の家でご飯を食べていたことを思い出します。
満面の笑顔で私たちを迎えてくれたKさんが、これからも笑顔でいられるように、少しでも長くこうしてお漬物をつけられるように、願わずにはいられませんでした。
そして、亡くなった母の顔がそこに少し重なった気がしました。
元気でいてね。Kさん。
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