『散歩する侵略者』を観てきた。
地球を侵略するためにやってきた3つのなにか。
彼らは人間から概念を得る。その結果、その人間は概念を失う。
概念。
概念ってなんだろう?
彼らは人間だけしか概念を奪えない。犬はダメだった。
家族、とは?
所有、とは?
自分、あなた、とは?
彼らはそれを奪う。
奪う?
奪う、とは?
誰かから何かをとってしまう事。
とる、何を?
なんでもいい、物でもお金でも、恋人でもなんでも。
つまり僕が持っていなくて、誰かが持っているものを、僕の物にしてしまう、ということかな?
なるほど、良いね。じゃぁ。それをもらうよ。
成海と桜井は、偶々侵略者たちのガイドをすることになった。
侵略者のガイドだけれど、人間の側にいる。でも、眼の前に居る彼、彼女らをただ見ているしかない。
時に買い物を手伝い。
時に人探しを手伝い。
時に倒れた彼らに肩を貸し。
時に彼らを叱る。
僕はどうしても、バカバカしいぐらいに、侵略者を人間とみて接する姿が好きだ。
眼の前の彼らは子供で、だから、人殺しをしてもそれはいけないことだ、と諭すように怒る。眼の前で人間を射殺する彼らに平気で近づき、その銃を奪い取る。「これはやってはいけないんだ!」と。
彼は侵略者を呼ぶための信号を送る装置の設置を手伝いだす。電源コードを引き、ブレーカーを上げる。
侵略される人間が侵略者の手伝いをする?
死に直面する侵略者。桜井は、このスイッチを入れてくれないか?、と頼まれる。そんなことできるわけないだろ、と断る。
「だから、俺の中に入れ」
人類を殺すことは出来ない。
でも、眼の前で死んで行こうとする侵略者を助けたい。
人はたくさんの人を救うことは出来なくても、目の前の誰かのためなら救おうとする。
そして、彼らは侵略のシグナルを発する。
成海は真治に愛を与えようとする。
愛は、全ての物を許すことであり、与えることであり、救うことである。
愛は概念が広い。広すぎて定まらないぐらい。
真治は愛を成海から奪うことを拒む。
愛は、与えること。
侵略が始まる。世界中が破壊されていく。
まるで畑に鍬でも入れるように、地表をひっくり返していく。
桜井は不恰好に身体を壊され、ニタニタと笑う。
彼は身体を与えたのか?それとも侵略者を飲み込んだのか?
でも、満足そうに彼は爆風の中に消えていく。
真治は、成海を身を挺して守る。
愛は、救うことである。
侵略は止んでしまう。
色々な概念を奪いすぎて、侵略者たちは人間に馴染みすぎたのかもしれない。
利他的な行動をとる人間を愛していたのかもしれない。
愛は、概念ではないから。
「いろんな問題を世界は抱えていたでしょう?それが侵略者のおかげでやり直すことが出来る」
そのとおりだ。浅はかに過ぎるきらいはあるが。どうせすぐに問題は発生する。時間の問題で、それほど遠い先のことじゃない。
真治はそのことを知っている。今、彼は誰よりも人間の姿をした侵略者だから。
誰よりも、成海に愛を与えることが出来る侵略者だから。
人間の姿をし、概念という漠然とした空気を身に纏う。
尊大で、一見、無謀とも思える行為をする。
そして、愛を欲する。理解したいと思う。与えたいと思う。
極めて人間に似ている。
そう、僕たちはきっと。
散歩する侵略者。
地球を侵略するためにやってきた3つのなにか。
彼らは人間から概念を得る。その結果、その人間は概念を失う。
概念。
概念ってなんだろう?
彼らは人間だけしか概念を奪えない。犬はダメだった。
家族、とは?
所有、とは?
自分、あなた、とは?
彼らはそれを奪う。
奪う?
奪う、とは?
誰かから何かをとってしまう事。
とる、何を?
なんでもいい、物でもお金でも、恋人でもなんでも。
つまり僕が持っていなくて、誰かが持っているものを、僕の物にしてしまう、ということかな?
なるほど、良いね。じゃぁ。それをもらうよ。
成海と桜井は、偶々侵略者たちのガイドをすることになった。
侵略者のガイドだけれど、人間の側にいる。でも、眼の前に居る彼、彼女らをただ見ているしかない。
時に買い物を手伝い。
時に人探しを手伝い。
時に倒れた彼らに肩を貸し。
時に彼らを叱る。
僕はどうしても、バカバカしいぐらいに、侵略者を人間とみて接する姿が好きだ。
眼の前の彼らは子供で、だから、人殺しをしてもそれはいけないことだ、と諭すように怒る。眼の前で人間を射殺する彼らに平気で近づき、その銃を奪い取る。「これはやってはいけないんだ!」と。
彼は侵略者を呼ぶための信号を送る装置の設置を手伝いだす。電源コードを引き、ブレーカーを上げる。
侵略される人間が侵略者の手伝いをする?
死に直面する侵略者。桜井は、このスイッチを入れてくれないか?、と頼まれる。そんなことできるわけないだろ、と断る。
「だから、俺の中に入れ」
人類を殺すことは出来ない。
でも、眼の前で死んで行こうとする侵略者を助けたい。
人はたくさんの人を救うことは出来なくても、目の前の誰かのためなら救おうとする。
そして、彼らは侵略のシグナルを発する。
成海は真治に愛を与えようとする。
愛は、全ての物を許すことであり、与えることであり、救うことである。
愛は概念が広い。広すぎて定まらないぐらい。
真治は愛を成海から奪うことを拒む。
愛は、与えること。
侵略が始まる。世界中が破壊されていく。
まるで畑に鍬でも入れるように、地表をひっくり返していく。
桜井は不恰好に身体を壊され、ニタニタと笑う。
彼は身体を与えたのか?それとも侵略者を飲み込んだのか?
でも、満足そうに彼は爆風の中に消えていく。
真治は、成海を身を挺して守る。
愛は、救うことである。
侵略は止んでしまう。
色々な概念を奪いすぎて、侵略者たちは人間に馴染みすぎたのかもしれない。
利他的な行動をとる人間を愛していたのかもしれない。
愛は、概念ではないから。
「いろんな問題を世界は抱えていたでしょう?それが侵略者のおかげでやり直すことが出来る」
そのとおりだ。浅はかに過ぎるきらいはあるが。どうせすぐに問題は発生する。時間の問題で、それほど遠い先のことじゃない。
真治はそのことを知っている。今、彼は誰よりも人間の姿をした侵略者だから。
誰よりも、成海に愛を与えることが出来る侵略者だから。
人間の姿をし、概念という漠然とした空気を身に纏う。
尊大で、一見、無謀とも思える行為をする。
そして、愛を欲する。理解したいと思う。与えたいと思う。
極めて人間に似ている。
そう、僕たちはきっと。
散歩する侵略者。
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