『成功の反対は・・・あきらめること』
くじけそうになった。
あきらめそうにもなった。
だが、そのたびに思いとどまることができたのは
小さいころからあこがれていた甲子園への強い思いがあったから。
ベーチェット病という病名をご存知ですか?
私は、この本を読んで初めてこの病気のこと、この病気の辛さ、この病気と闘う人のことを知りました。
皮膚や粘膜に急性の炎症を繰り返す慢性の疾患で国の難病にも指定されている原因不明の病気です。
柴田選手は中学3年生のときに腸管ベーチェットという病気を発病しました。
運動神経抜群だった少年は、小学校2年生のとき野球と出会い、4年生でリトルへ。
その後ボーイズ・トップエースに転向しエースで全国大会にも出場し、世界大会日本代表選手にも選ばれていた。
甲子園に憧れ、夢みていた少年を襲った病。
柴田選手は、お腹に炎症を繰り返す特殊な部類のベーチェット病を発病。
激しい運動は制限され、同じ場所に炎症を繰り返すと、腸に穴が開いてしまうこともある。
無理をすると命も危険な状態になるかもしれない・・・
野球が続けられなくなるかもしれない現実と辛い検査・・・
15の少年には本当に過酷な状況だったと思います。
同い年の息子を持つ身なので、置き換えてしまい読んでいて本当辛かったです。
野球は無理・・・と言われた中学生に、いろいろな好機が訪れ、名電に入学し野球がまたできるようになる。
周りの人、チームメイトに支えられ甲子園まで辿り着いた道のりが書かれた1冊でした。
病気に挫折しそうになったとき、支えてくれたご両親や監督さん、
野球部寮の監督の奥様、チームメイトの存在がどれだけ大きかったことだろう・・・
『あきらめた時点で夢は終わり・・・』
自分が頑張って投げることで、同じ病気で苦しんでいる人に勇気と希望を与えたい・・・。
諦めかけた野球、もう1度真剣に野球ができる場所を与えてくれた倉野監督に恩返しをする・・・
2007年8月、愛工大名電高校 柴田章吾選手は夢だった甲子園のマウンドに立っていた。
強い意志と諦めなかった気持が、夢の甲子園を掴んだ。
あきらめない限り、夢は続く・・・
著者 田尻 賢誉 氏