隊長が鑑賞した芝居・ミュージカル・古典芸能・演芸を、紹介する「演劇」の第11幕(回)は、新宿三丁目の “SPACE 雑遊” で上演された、大森匂子 (わこ) 作 『みすゞかる』をお送りします。
この劇は「劇団劇作家」の本公演 “劇読み!Vo.5” の中で上演されました。
“劇読み!Vo.5” は、13人の劇作家の戯曲をフェスティバル形式で、上演する催しです。
大森さんの作品は、これまで2010年10月3日の『花と爆弾』を始めとして、
2012年6月4日に、 『泣いて笑った私の人生』 、
2013年1月14日に、 『あかつき』 、
2013年10月21日に、 『1300里の彼方~えにしの氷川丸』 の4本を、紹介しています。
会場の “SPACE 雑遊” は、初めて行ったのですが、「御苑大通り」に面していてわかり易い場所でした。
『みすゞかる』は、大森さんの “信濃の女シリーズ” の第2弾で、彼女が長い間暖めていた作品です。
あらすじは、信州の松代で絹を紡ぐ家に生まれ、歌を詠む少女・梓 (あずさ) が、大正から昭和の日々を、幼い野心と志を持ち、けなげに、けれど不器用に生きた物語です。
主人公の梓を演じるのは、『1300里の彼方~えにしの氷川丸』で、中国人のお手伝いさん役を演じた沼口莉瑳。
他に、明樹由佳、枝元萌、神山寛、河合杏南、河南由良、清水泰子、西原純、野口俊丞、浜野隆之、船津基が出演しています。
“劇読み” は、その名の通り、舞台で役者さんが、脚本をリーディング (読む) するのですが、初めて観た “劇読み” は新鮮でした。
舞台の上にあるのは、椅子だけで、小道具もなく、役者さんの衣装も私服のままですが、関根信一の演出の巧みさか、本物の舞台を観ているように情景に入り込むことが出来ました。
ストーリーは、いわゆる「悲恋物語」なのですが、大正から昭和の時代を生きた “自立した女” が見事に描かれていました。
劇には松井須磨子など、実在の人物が登場したり、小石川など隊長の住む文京区の地名が何度も出てきて、より深く作品に魅了されました。
まさに、“匂子 (わこ) ワールド” 全開の作品でした。
尚、作者の大森さんは、昨年11月に『まほろばのまつり』で「第3回宇野重吉演劇賞」の最優秀賞を受賞されています。
大森さん、受賞おめでとうございました。
==「演劇」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/e1e335843a7bf9f47fc197f5958cfbd8
1幕 2012/1/14 『アイ・ガット・マーマン』日比谷シアタークリエ⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20120114
2幕 2012/5/19 『爛々と燃ゆる』渋谷ギャラリールデコ⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20120519
3幕 2012/6/4 『泣いて笑った私の人生』銀座みゆき館劇場⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20120604
4幕 2013/1/14 『あかつき』荻窪アトリエだるま座⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20130114
5幕 2013/1/16 『普通の女4』赤坂明日にかける橋⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20130116
6幕 2013/7/17 『香華』新橋演舞場⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20130717
7幕 2013/8/19 『シンデレラ』川崎ノクティホール⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20130819
8幕 2013/10/15『一谷嫩軍記』国立劇場⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20131015
9幕 2013/10/21『1300里の彼方~えにしの氷川丸』銀座みゆき館劇場⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20131021
10幕 2014/1/15『コンダーさんの恋』明治座⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/d/20140115
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