隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第159作品目は、『恋するシェフの最強レシピ』をお送りします。
『恋するシェフの最強レシピ』(原題:喜欢你、英題:This Is Not What I Expected)は、2017年に公開(日本公開:2018年)された中国・香港合作映画 です。言語は、中国語普通話(北京語)。但し、オープニングクレジットとエンドロールに流れるスタッフ・キャストの字幕は香港・台湾で使用されている繁体字です。
「隊長のブログ」では、合作を含む中国映画を、これで16作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの記事一覧を、ご参照下さい 。
原作は、中国人女性作家・蓝白色(ラン・バイスー) の小説「男人使用手册」。
監督は、香港出身の许宏宇 (デレク・ホイ)。(初監督作品)
製作は、陳可辛(ピーター・チャン)。
「隊長のブログ」で取り上げた、ピーター・チャン 監督・製作映画の記事一覧は、こちらをご参照下さい 。
実績豊富なピーター・チャンが、1982年生まれの若いデレク・ホイを監督として起用したのでしょうね。その効果が、画面に現れて、小粋なロマンティック・コメディに仕上がっています。中国映画というより、台湾映画のようにも思える作品になっています。冒頭にも書きましたが、スタッフ・キャストの字幕が繁体字だったのも、初めて観た時は、台湾映画と思い込んだ原因かも知れません。
主演は、金城武と、中国出身の女優・周冬雨(チョウ・ドンユィ)。
「隊長のブログ」では、金城武さんが出演する映画を、これで9本紹介したことになります。詳細は、こちらを、ご参照下さい 。
河北省石家荘市出身のチョウ・ドンユィさんは、2010年、17歳の時、チャン・イーモウ監督 作品 『サンザシの樹の下で』 のヒロイン役で、女優デビューしました。その透明感あふれる清純さから、中国では「13億人の妹」と呼ばれています。
共演者は、林志玲(リン・チーリン)、孙艺洲(スン・イージョウ)、杨祐宁(トニー・ヤン)、ほか。
あらすじ:上海で名門ホテルの買収に成功した実業家のルー・ジン(金城武)は、ビジネスにも食事にも常にパーフェクトを求める高慢な男です。世界の味を知り尽くした “絶対味覚” を持つ彼にとって、このホテルの有名料理長が提供するメニューは、どれも特別に感動できるものではありませんでした。
けれども唯一、自由な発想で斬新なレシピを編みだす見習いシェフのションナン(チョウ・ドンユイ)だけがジンの舌を満足させることに成功します。互いに顔をあわせることなく、ジンがテーマを決めて料理をオーダーすると、ションナンもプライドをかけて完璧な逸品を次々と編み出していきます。
その“対決”がヒートアップすればするほど彼女に会ってみたいと思い始めたジン。こうして “食” を通して心を通わせはじめた二人の前に、ションナンの才能を遥かに超える美人シェフ(リン・チーリン)
が現れて、二人の仲は。。。
感想:中国映画とは云え、大昔の教条主義的作品ではもちろんなく、チャン・イーモウ監督お得意の “武侠映画” でもなく、文化大革命も、戦争も登場しません。大都市・上海を舞台とした、いわば “中国版ニューシネマ” と言っても良い作品です。
その様な傾向の作品で、隊長が観たのは、2011年制作 (日本未公開) の 『失恋33天』 、
2011年制作 (日本未公開) の 『意外的恋愛時光』 、
2016年日本公開の 『スイートハート・チョコレート』 、が挙げられます。
その『スイートハート・チョコレート』主演女優のリン・チーリンさんが、本作品のキーパーソンとして後半に登場し、華を添えています。
撮影は、上海で、100年の歴史を持つ五つ星ホテル「インターコンチネンタル上海瑞金」で敢行し、ミシュラン認定レストランでシェフ経験を積んだジェイソン・オークリーや、デビッド・ベッカム御用達の世界的パティシエ、ボボ・リーが料理を監修しています。画面に登場する料理は、どれも美味しそうで、グルメ好きにもお勧めの作品です。
劇中に、ジンが日本のインスタントラーメン「出前一丁」をこだわって作る場面がありますが、これは日本の観客へのサービスでしょうか。
今では、超高層ビルが建ち並ぶイメージの強い上海ですが、ションナンが住むアパートなどの歴史的建造物や、租界時代の街並みも登場し、ノスタルジックな気分にもさせられます。特にラストシーンの、ジンとションナンが、その古いアパートのベランダから沈みゆく夕陽を肩寄せ合って眺めるシーンは、ロマンチックな雰囲気を漂わせていました。
台湾のシンガーソングライター、陳綺貞(チア・チェン)が歌う 主題歌も素敵です。
ブログで、これまでに、外国映画の邦題(日本語タイトル)の良い作品と悪い作品を挙げていますが、この映画は、良い例だと思います。
中国語原題の「喜欢你」を直訳すると「あなたが好き」となり、ありふれたタイトルになってしまいます。『恋するシェフの最強レシピ』とすることで、恋愛ドラマであることが分かるし、シェフが主人公であることも分かり、作品を観る前からイメージを膨らませることが出来ます。
おまけ:志村けんさんが、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなられた あと、金城武さんと「日本アジア航空」のCMで共演していた動画が、掘り起こされて話題になりました。改めて観て、二人の息がピッタリとあったCMだと思いました。
==「映画」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f
Film1~145 省略
Film146 2019/6/25 『The Crossing -ザ・クロッシング- Part II』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f2e6de828b75a52aec7f61f0a3b670f7
Film147 2019/8/31 『ロケットマン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/181e562234e904a24b783105a5a56387
Film148 2019/9/12 『SHADOW/影武者』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5e2e616b5d1912cd493c64d1cfe9cfbd
Film149 2019/9/29 『無宿(やどなし)』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/588d633d181aa89ced0e7e5a5baf9484
Film150 2019/10/5 『さらば、わが愛/覇王別姫』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b8f2483904c252b83ad163625b9f1258
Film151 2019/12/16『網走番外地 南国の対決』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/36bdbc409dd433b38bf6a1ace78e5f64
Film152 2019/12/30『紙の月』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c2964d882b465238bd21369d6e5b662b
Film153 2020/1/2 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/938606ed09edbc2462abdb181b602559
Film154 2020/1/7 『WASABI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d9f2c5d426f448a9ef643aadefdffb13
Film155 2020/1/12 『若草物語(日活)』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/41b69b41a18e3a1e0c2e2b37c1b6d8c6
Film156 2020/1/19 『男はつらいよ 柴又慕情』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c726586ed5eb0b0b9ffe59422b33a68e
Film157 2020/2/29 『エイプリルフールズ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1880e602a58c4c4225eca85fdb491bfa
Film158 2020/4/10 『ザ・ファーム 法律事務所』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/94adf6a7271acb02df8fe1660617e8b1
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