隊長が、観賞した「テレビ番組」を紹介するシリーズの第573回は、『朝ドラ 「ブギウギ」』をお送りします。
『ブギウギ』は、10月2日(月)から始まった、NHKの2023年度後期「連続テレビ小説」 (通称:朝ドラ)です。
“朝ドラ” は、NHKで1961年から始まった、テレビ ドラマシリーズ。第1作の『娘と私』から、最新作『ブギウギ』まで、109作品が放送されています。
「隊長のブログ」では、“朝ドラ” を、これで32作品を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
現在の本放送は、NHK総合テレビ、BSプレミアム、BS4Kにて、毎週月曜日~金曜日に放送されています。隊長は、ロケシーンが美しく映る BS4Kの午前7時30分~7時45分の放送を観ています。
その前後は、午前7時15分~7時29分に、朝ドラ 『まんぷく』 の再放送を、
午前7時46分~7時59分は、『にっぽん縦断 こころ旅「2023年秋の旅」』 を観ています。
朝ドラには、二パターンが有ります。一つ目は、実在した人物をモデルに、その一生を描いた物語。二つ目は、原作もモデルもない、完全オリジナル作品です。
第104作の 『おかえりモネ』 から、第107作 『舞いあがれ!』 まで、四作連続でオリジナルドラマが放送されていました。
しかし、前作の 『らんまん』 が、植物学者・牧野富太郎氏をモデルにしたのに引き続き、本作も戦後の歌手で「ブギの女王」といわれた笠置シヅ子氏を、モデルにしています。
笠置シヅ子さんの曲は、『東京ブギウギ』 を、紹介しています。
脚本:足立紳、櫻井剛。
櫻井剛さん脚本のドラマは、『表参道高校合唱部!』 などを、取り上げています。
笠置シヅ子さんがモデルのヒロイン・福来(ふくらい)スズ子を演じるのは、趣里(しゅり)。
共演者:草彅剛(羽鳥善一役)、菊地凛子(茨田りつ子役)、水川あさみ(花田ツヤ役)、柳葉敏郎(花田梅吉役)、黒崎煌代(花田六郎役)、水上恒司(村山愛助役)、蒼井優、翼和希、伊原六花、藤間爽子、宇野祥平、岡部たかし、ほか。
語り:高瀬耕造(NHKアナウンサー)。
音楽は、羽鳥善一のモデルとなった作曲家・服部良一氏の孫・服部隆之。
ものがたり:大正の終わりごろ、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子(澤井梨丘:子役)は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫(てんしんらんまん)な女の子です。小学校を卒業した鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と思うようになり、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団。必死に稽古にはげんだ鈴子(趣里)は、メキメキと成長、抜群の歌唱力で頭角を現していきます。
昭和13年(1938)、鈴子は上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、大きく運命が変わります。鈴子は、作曲家の指導を受け、“スウィングの女王”と呼ばれ人気歌手になっていきます。しかし、戦争が始まると、鈴子が置かれた状況は一変。鈴子の歌っていた歌は「敵性音楽」となり、鈴子の舞台での歌や踊りが厳しく制限されてしまいます。さらに、鈴子の弟・六郎(黒崎煌代)は出征。また、ちょうどその頃、鈴子の母・ツヤ(水川あさみ)も病気で亡くなってしまいます。
不幸が重なり悩んでいた鈴子の前に、演芸会社の御曹司・村山愛助(水上恒司)が現れます。ふたりは恋に落ち、やがて結婚を誓いあうまでに。しかし、愛助の家族は大反対、結婚はなかなか実現しません。やがて戦争が終わり、鈴子は愛助の子を身ごもります。ところが、愛助は病にかかってしまいます。会えない日々が続き、そして、臨月の鈴子のもとに届いたのは愛助の訃報でした。死に目に会えず、結婚もできないままの別れ。数日後、鈴子はひとりで娘を出産しました。
鈴子は、ひとりで娘を育てながら舞台で歌います。そんな中、生まれたのが「東京ブギウギ」です。明るく、飾らず、全身で歌う、鈴子の真骨頂。戦後の傷ついた日本に、その歌声が響き渡ります。鈴子の歌声に合わせて、笑顔で歌い踊る人たちが日本中にあふれていきました。鈴子は“ブギの女王”と呼ばれるようになり、大スター歌手への階段を駆け上がっていきます。
第7週までの感想:冒頭に書いた様に、『ブギウギ』は、“朝ドラ” 二パターンの内、実在した人物をモデルに、その一生を描いた物語です。隊長の持論は、単発ドラマ・連続ドラマは、原作のないオリジナル脚本の方が、面白くなる可能性が高いですが、朝ドラだけは、オリジナル作品が失敗作となる割合が高いと思っています。
その理由は、朝ドラは半年間という長丁場なので、実在したモデルがあると、ブレずに脚本を書けるからです。一方のオリジナル脚本の朝ドラは、ストーリーを途中で軌道修正することが多く、主人公の人物像が、中途半端に見えてしまうからです。
本作は、戦後を明るく照らしたスター、『東京ブギウギ』で知られる歌手・笠置シヅ子さんがモデル。前作『らんまん』のモデルが、植物学者と “地味” だったのに対して、本作はエピソードも豊富な、芸能界の笠置シヅ子さん。
まさに、脚本家にとって、腕の見せ所満載の作品。そして、ヒロインが、2471人が応募したオーディションで選ばれた、趣里。放送前から、ヒットが約束されたようなものです。
かっては “新人女優の「登竜門(とうりゅうもん)」” と呼ばれていた朝ドラのヒロイン役ですが、2015年度前期『まれ』の 土屋太鳳 から始まり、前々作 『舞いあがれ!』の 福原遥 まで、15作実績のある女優さんが起用されていました。
オーディションで選ばれたとは言え、趣里さんも実績充分な女優さん。さらに、ボイストレーニングなどの努力の成果でしょう。見事な歌唱力を披露してくれています。
他のキャスティングの妙も光ります。第5週「ほんまの家族や」で、鈴子の生みの親として登場した中越典子さん。20年前の朝ドラ 『こころ』 で、ヒロイン・こころを演じました。こころの母親役が、趣里さんのお母様・伊藤蘭さんというのが、秀逸です。
隊長の評価も高い『ブギウギ』ですが、一点、ネットなどでも評判の良くない、オープニングのタイトルバックと共に流れる、パペットアニメーションの人形に嫌悪感を抱きます。そのため、作詞・作曲・編曲 服部隆之、中納良恵・さかいゆう・趣里による主題歌「ハッピー☆ブギ」が楽しく聴けません。
尚、今日(10月20日)から始まった『ブギウギ』第8週「ワテのお母ちゃん」は、戦争が厳しくなり舞台での歌や踊りが厳しく制限される中、鈴子の家族にも試練が訪れる様子が描かれています。
==「テレビ番組」 バックナンバー 一覧 ==
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Vol.1~560 省略。
Vol.560 2023/8/13 『ドラマ「VIVANT」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5dd16b6fe15da52b12caf5e844369210
Vol.561 2023/8/26 『A-Studio+「2023年3月~7月放送ピックアップ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5e62ca3fc3f121fd6b7541354b6e6a8d
Vol.562 2023/9/2 『鶴瓶の家族に乾杯「2022年8月~9月放送ピックアップ」』
Vol.563 2023/9/7 『アナザースカイ「2023年4月~6月放送ピックアップ」』
Vol.564 2023/9/25 『2023年夏の連ドラ総括』
Vol.565 2023/9/29 『中国ドラマ「暴風眼暴風眼-特命捜査官-」』
Vol.566 2023/10/4 『世界ふしぎ発見「2023年7月~8月放送ピックアップ」』
Vol.567 2023/10/26 『朝ドラ「さくら」』
Vol.568 2023/11/3 『こころ旅「2023年秋の旅」快走中』
Vol.569 2023/11/7 『ドラマ「いちばん好きな花」』
Vol.570 2023/11/9 『ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」』
Vol.571 2023/11/13 『ドラマ「たそがれ優作」』
Vol.572 2023/11/18 『ドラマ「こたつがない家」』
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