隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第170作品目は、『藍色夏恋』をお送りします。
『藍色夏恋』(原題:藍色大門、英語題:Blue Gate Crossing)は、2002年9月に台湾で公開された台湾・フランス合作映画(日本公開は、2003年7月)。上映時間は、84分です。
「隊長のブログ」で紹介した、台湾映画の記事一覧は、こちらをご参照下さい 。
脚本は、台湾のイー・ツーイェン(易 智言)。
監督も、イー・ツーイェン。
主演は、グイ・ルンメイ(桂綸鎂)と、チェン・ボーリン(陳 柏霖)。この映画が、二人のデビュー作です。
グイ・ルンメイは、『言えない秘密』 と、「アジアの歌姫」 で、紹介しています。
共演者:リャン・シューホイ(梁淑慧)、ジョアンナ・チョウ(仇政)、ミン・ジンチョン(明金成)、ほか。
あらすじ:物語の舞台は、台湾台北市。17歳の夏の日。勝気な女子高生の孟克柔(モン・クーロウ)《グイ・ルンメイ》は、親友の林月珍(リン・ユエチェン)≪リャン・シューホイ≫ と一緒に体育の授業をサボって校庭にいました。
母親になった未来の自分を妄想して語るユエチェンには、どうやら意中の相手がいるようです。やがて、それが同じ学年の水泳部の張士豪(チャン・シーハオ)《チェン・ボーリン》 だと打ち明けられたモンは、いささかストーカーめいたユエチェンの恋に巻き込まれていくのでした。
ある夜、モンはユエチェンに付き添って学校のプールへ。チャンが忍び込んで泳いでいるのを、覗きにやってきたのでした。“彼女” がいるかどうかを知りたいというユエチェンの頼みで、チャンに質問をぶつけます。しかし、ユエチェンが恥ずかしがって姿を見せないものですから、チャンはモンが自分に気があると勘違いしてしまいます。
チャンの猛アタックを受けたモンは、彼にある重大な秘密を告白するのでした。。。
感想:オープニングから暫くは、自転車が登場するなど、スタンダードな青春映画の展開ですが、途中からモンの微妙な心の動きが見えてきます。モンは、男性のチャンではなく、女性のユエチェンのことが好きなのではないかと。
当時の台湾では、大っぴらにトランジェスターを題材に出来ない社会背景であったと想像します。そんな中、美しい画面でオブラートに包むように、問題提起をしているように感じました。
チャンの使用していたバスケットボールやシューズをこっそりと収集しているユエチェンのストーカーぶりには、恐怖を感じましたが、チャンの名前をノートに何百回も書いていたのが、木村拓哉に変わってしまったシーンには、クスリと笑ってしまいました。
主役のグイ・ルンメイと、チェン・ボーリンがイー・ツーイェン監督にスカウトされたのは、17歳の時。演技自体は初々しいのですが、監督が二人の魅力を充分に引き出しています。
特に、グイ・ルンメイの神秘的な雰囲気から、後に『言えない秘密』のシャオユー役にキャスティングされたのではないでしょうか。
携帯電話が、まだ普及していなかった時代。愛の告白の手段が手紙だったことや、所々に映り込む当時の台北の街なかのシーンに、ノスタルジックな気分になります。
最後になりますが、これまで「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていて、それを一覧にしています が、本作は良い例だと思います。
原題の「藍色大門」の意味は、ラストで若者が誰でも通る “青春の門” だと分かりました。これを、そのまま日本公開時に使うと、日本人には地名のことかと思われてしまったでしょう。“大門” を “夏恋” とすることで、夏の恋物語かと思わせる効果はあったと思います(実際は、オーソドックスな青春映画ではありませんでしたが)。
==「映画」バックナンバー ==
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Film1~155 省略
Film156 2020/1/19 『男はつらいよ 柴又慕情』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c726586ed5eb0b0b9ffe59422b33a68e
Film157 2020/2/29 『エイプリルフールズ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1880e602a58c4c4225eca85fdb491bfa
Film158 2020/4/10 『ザ・ファーム 法律事務所』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/94adf6a7271acb02df8fe1660617e8b1
Film159 2020/4/15 『恋するシェフの最強レシピ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/396bd7466fe7f67ced4a23467170e1d3
Film160 2020/4/18 『天使と悪魔』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1d11daeec47ee117a8bef268d60db1c1
Film161 2020/4/21 『紙屋悦子の青春』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ce9e8b059ef83a382129d2619ac85adf
Film162 2020/4/24 『PLANET OF THE APES/猿の惑星』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6a7a1e8fbe4d7377c8fd7f1cfad6c746
Film163 2020/5/3 『雨あがる』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a8ce4f27ba525cfadcafb06b85995e81
Film164 2020/5/5 『グリース』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e347f556834ffd68a1456604cfd3ca41
Film165 2020/5/9 『野性の証明』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/72afb2e5872fd49b0ed626d2e77abc20
Film166 2020/5/13 『武士の一分』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f8084660f5ada8518968e85284502a7b
Film167 2020/5/15 『僕等がいた 後編』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2238a0a2da01434f82aafc4d0987bdf3
Film168 2020/5/18 『超高速!参勤交代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/07d44adf37dd0a5e4f9e429411c3f098
Film169 2020/5/21 『ミックス。』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a687f26c883779f169e9c41de8eb380e
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