隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第273作品目は、『忠臣蔵 (昭和33年)』をお送りします。
『忠臣蔵 (昭和33年)』は、昭和33年(1958年4月1日)公開に公開された時代劇映画です。配給は、大映。上映時間は、166分。
本作品は、今は無き映画会社・大映の創立十八年を記念して、当時のオールスター・キャストにより製作された、2時間45分を超える大作です。
また、ポスターには、「赤穂浪士(あこうろうし)260年祭記念公開」と、銘打たれています。
「隊長のブログ」では、時代劇映画を、これで18作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの一覧をご参照下さい 。
製作:永田雅一
監督は、渡辺邦男。
脚本:渡辺邦男、八尋不二(やひろ ふじ)、民門敏雄(たみかど としお)、松村正温。
主役の大石内蔵助(おおいし くらのすけ)を演じたのは、長谷川一夫。
共演者:市川雷蔵(浅野内匠頭)、鶴田浩二(岡野包秀)、勝新太郎(赤垣源蔵)、川口浩(大石主税)、滝沢修(吉良上野介)、根上淳(土屋相模守)、菅原謙二(脇坂淡路守)、船越英二(上杉綱憲)、小沢栄太郎(千坂兵部)、志村喬(大竹重兵衛)、清水将夫(柳沢出羽守)、山本富士子(瑤泉院)、京マチ子(女間者・おるい)、淡島千景(りく)、三益愛子(戸田局)、中村玉緒(浅野家腰元・みどり)、ほか。
あらすじ:元禄十四年(1701年)三月、江戸城・松の廊下で、浅野内匠頭(市川雷蔵)は度重なる侮辱にたえかね、勅使接待役指南の吉良上野介(滝沢修)へ刃傷に及んだ。幕府では上野介派の老中柳沢出羽守(清水将夫)が、目付役多門伝八郎(黒川弥太郎)や老中士屋相模守(根上淳)らの反対を押しきり、上野介は咎めなし、内匠頭は右京太夫邸で即日切腹という処分を裁決した。
赤穂で、悲報を受けた大石内蔵助(長谷川一夫)は、家中の意見を篭城から殉死へ導き、その後始めて仇討の意図を打ち明けた。内蔵助は順序として浅野家再興の嘆願書を脇坂淡路守(菅原謙二)に託したが、出羽守はこれも受けつけぬ。上野介の実子上杉綱憲(船越英二)は家老千坂兵部(小沢栄太郎)に上野介の警戒にあたらせ、各方面に間者を放った。
内蔵助は赤穂退去の後は京都山科に住んだが、再興嘆願の件で江戸へ下って、浅野内匠頭の正室・瑶泉院(山本富士子)を訪れた帰途、吉良方の刺客に襲われた。それを救ったのは目付役・多門伝八郎だったが、彼は事件以来、赤穂浪士たちを陰に陽に庇護しつづけてきていた。堀部安兵衛(林成年)は小人数でも早く仇討をと急進的だったが、内蔵助からさとされ、思い止る。
半歳後、内蔵助は祇園の茶屋で毎夜遊びほうけた。太夫は浮橋(木暮実千代)ら。浪人から犬侍と罵られたりする。茶屋の仲居は、千坂の放った女間者・おるいだった。家再興の望みが断たれると、彼は太夫を身請けし、山科へ帰り、長男の大石主税(川口浩)のみを残して妻子を離別した。妻りくは、仏壇の位牌から彼の本心を悟ったのでした。
赤穂の士は全員江戸に集り、決行当日の十二月十四日を迎える。吉良屋敷へ討ち入った四十七士は、見事に上野介の首級をあげ、本会を遂げたのでした。
感想:この映画を観ようと思った切っ掛けは、現在お稽古している日舞(新舞踊)の曲が、三波春夫の長編歌謡浪曲 『元禄花の兄弟 赤垣源蔵(あかがき げんぞう)』 で、11月のおさらい会で踊るからです。
赤穂浪士四十七士の一人・赤垣源蔵の吉良屋敷討ち入り前後の物語です。これまで習った曲とは異なり、赤垣源蔵と兄の塩山与左衛門、その使用人・市助を演じ分け、武士の所作を身につけなければなりません。
赤穂事件を題材とした「忠臣蔵」。人形浄瑠璃(文楽)、講談、歌舞伎、演劇、など様々な分野で作品化されています。映画でも、何本も公開されていますが、本作品を選んだのは、最も浪花節的かつ講談調で、『元禄花の兄弟 赤垣源蔵(あかがき げんぞう)』の世界観に近いと思ったからです。
三時間近い大作ですが、赤穂事件を時系列的に追い、最大の山場・討ち入りまでの紆余曲折も分かり、飽きさせません。「今生 (こんじょう) の別れ」など、今や死語となったセリフも多く、勉強にもなります。
男性出演者の中で、比較的に馴染みのあるのは、長谷川一夫、鶴田浩二、勝新太郎の三人です。大映の看板スター・長谷川一夫は、歌舞伎役者出身らしい目力と、美しい所作に魅了されました。
公開時には、まだ33歳だった鶴田浩二、独特な声で直ぐに彼と分かりました。
赤垣源蔵を演じた勝新太郎、代表作「座頭市」の渋味のある表情とだみ声は異なり、二枚目で魅力的な声だったのには、驚きました。勝新太郎と言えば、後に奥様になる中村玉緒も、本作に出演しています。
最後になりますが、この映画が公開されてから65年が経ちました。殆どの出演者・スタッフが、鬼籍に入られています。亡くなられた方々のご冥福を、お祈りいたします。
2024/1/15 追記: 『赤穂浪士討入りの吉良邸跡』
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Film1~260 省略
Film261 2023/4/27 『コンフィデンスマンJP プリンセス編』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/381ba15a9e8aa9d8c6794ce162990d6f
Film262 2023/5/3 『わが母の記』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5b5239b3001d929da058399a3532216
Film263 2023/5/7 『ビリギャル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b4ff5279b0e1c8542ee6c132028530bf
Film264 2023/5/13 『ミリオンダラー・ベイビー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d9fa6de59525e7a93812ce11842371a0
Film265 2023/5/25 『君に届け』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0887bcfa0c9d11d33a381c1b289204aa
Film266 2023/6/3 『劇場版 奥様は、取り扱い注意』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/00b12d8b9e497667f223739375d7bf53
Film267 2023/6/26 『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b82ac487cc77aa80d2ca313b8fc8da94
Film268 2023/6/30 『怪しい彼女』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9f4880700651f5a0dd2a73739bbc1ed0
Film269 2023/7/5 『花の生涯~梅蘭芳~』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e1df49eb7fcf19bb89cedb38912fe873
Film270 2023/7/10 『グラン・トリノ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8ae6da27e5e09ef2ba07ea99fbfc514e
Film271 2023/8/2 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bddd6e6c4b208b05fdd08fcf0865dc30
Film272 2023/8/21 『涙そうそう』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3e87272dac5e83432751056c2093d639
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