隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

「SONGS」 記事一覧

2023年07月11日 | 音楽

SONGS(ソングス)』は、NHK 総合テレビで、2007年4月11日から放送開始されている、音楽番組です。2023年7月現在の放送時間は、毎週木曜日の夜10時00分~10時59分。

 

 


この番組では、クオリティの高いサウンドと映像で、J-POPの名曲を届けてくれています。


「番組の責任者」として、2018年5月12日放送の第458回から、毎回登場しているのが、俳優の 大泉洋  。


ナレーターは、俳優の戸次重幸(とつぎ しげゆき)です。

 

 


そんな『SONGS』を、「隊長のブログ」では、これまでに八放送回を、取り上げています。詳細は、下記一覧をご参照下さい。

 

 


==「SONGS」 記事一覧 ==
(放送日、ゲスト)

1.  2012年2月15日  FUNKY MONKEY BABYS

2.  2012年3月1日   ゆず

3.  2016年12月23日  吉田拓郎

4.  2021年9月16日  桑田佳祐

5.  2021年11月25日  薬師丸ひろ子

6.  2022年3月3日  JUJU

7.  2022年10月13日  石川さゆり

8.  2022年12月22日  玉置浩二

 

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映画 Film270 『グラン・トリノ』

2023年07月10日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第270作品目は、『グラン・トリノ』をお送りします。

 

 


『グラン・トリノ』(原題: Gran Torino)は、2008年12月12日公開(日本公開:2009年4月25日)のアメリカ映画。配給:ワーナー・ブラザース(Warner Bros. Entertainment Inc.)。上映時間:117分。


当時73歳のクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が、監督・主演・製作を務めた話題作です。


尚、「隊長のブログ」では、クリント・イーストウッドの映画作品を、これで12本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい


脚本:ニック・シェンク(Nick Schenk)


ニック・シェンクは、2019年日本公開の  『運び屋』  でも、イーストウッドとタッグを組み、脚本を担当しています。


タイトルの「グラン・トリノ」とは、フォードの車種:フォード・トリノのうち、 1972年から1976年に生産されたものを指し、イーストウッド演じる主人公:ウォルト・コワルスキーの愛車で、映画の中でも、重要な位置付けとして描かれています。


共演者:ビー・ヴァン(Bee Vang)*、アーニー・ハー(Ahney Her)*、クリストファー・カーリー(Christopher Carley)、ドゥア・モーア(Doua Moua)*、ブライアン・ヘイリー(Brian Haley)、ほか。

 

 

あらすじ:物語の舞台は、「自動車の街」とも呼ばれる、ミシガン州デトロイト。フォードの自動車組立工を、50年勤めあげたポーランド系米国人:ウォルト・コワルスキー(イーストウッド)は、妻に先立たれ、一人暮らしの頑固な老人として、息子・孫たちから疎まれる存在でした。


モン族の少年タオ(ビー・ヴァン)は、仕事もなく自分の進むべき道が分からず、悶々と暮らしていました。二人は隣同士ですが、挨拶を交わすことすらありませんでした。


ある日、スパイダー(ドゥア・モーア)をリーダーとする、モン族の不良グループにそそのかされて、タオはウォルトの愛車「グラン・トリノ」を盗もうと車庫に忍び込みます。しかし、ウォルトの構えた銃の前に逃げ去ります。


その後、街の中で絡まれていたモンの姉:スー(アーニー・ハー)を助けたことから、ウォルトは隣家から、毎日の様にプレゼントを贈られたり、隣家のパーティーに招待されます。最初は、面倒くさそうな態度をしていたウォルトですが、根負けして、隣家を訪れ、モン族式のパーティーに参加します。


そこで、モン族(Hmong)の伝統や祖先を重んじる文化に触れ、彼らと打ち解けていきましたが。。。

 

 

感想:2004年以降にイーストウッドが、監督・出演した 『ミリオンダラー・ベイビー』  、『運び屋』  、『クライ・マッチョ』  に共通しているテーマ「他民族国家・アメリカの光りと影」が、本作の根底にも流れています。


本作では、一時は「自動車の街」とも呼ばれ栄華を謳歌したデトロイトも、日本車などの輸入車の台頭で、地位を脅かされ、ウォルトが住むデトロイト郊外でも、治安が悪化し、少年ギャングが銃をぶっ放す、寂れた街になっています。


頑固な性格が災いして、家族とも不仲で、心配して訪れてくれるヤノビッチ神父(クリストファー・カーリー)にも、頑なに接するウォルト。


若いタオやスーは別として、英語を喋れない、隣人家族。奇妙な習慣も、気になります。まさに、「光りと影」ですね。


『ミリオンダラー・ベイビー』では、ケルト民族のアイデンティティに、スポットライトを当てましたが、本作では、モン族のアイデンティティに迫っています。


『グラン・トリノ』を観るまでは、モン族に関して聞いたことのあるかないか程度でしたが、米国内に深く根を張って生きていることを、認識させられました。


リアリティを出すためでしょう。主要キャスト(共演者覧の * 印)だけでなく、モン族に出自を持つと思われる出演者を、多く起用しています。


そのため、ビー・ヴァンたちは、演技経験も少ない状態でしたが、イーストウッドを始めとするスタッフが、彼らの生き生きとした演技を引き出しています。

 

 

 

 


==「映画」バックナンバー =
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666f
Film1~255 省略

Film256 2023/3/19 『セーラー服と機関銃』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5c144282a467be4397465d4271875cfc

Film257 2023/4/4  『ニュー・シネマ・パラダイス』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0c0ebc82b22ea1f323fa2c1d1264226e

Film258 2023/4/13 『新解釈・三國志』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/758617884b2a49a31b9f7307561fc08a

Film259 2023/4/16 『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bafc223e40fd969bcddd9582dac7005a

Film260 2023/4/23 『アルカトラズからの脱出』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b3b7bbdc8bdd56caeb04b160f10fd8d

Film261 2023/4/27 『コンフィデンスマンJP プリンセス編』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/381ba15a9e8aa9d8c6794ce162990d6f

Film262 2023/5/3  『わが母の記』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5b5239b3001d929da058399a3532216

Film263 2023/5/7  『ビリギャル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b4ff5279b0e1c8542ee6c132028530bf

Film264 2023/5/13 『ミリオンダラー・ベイビー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d9fa6de59525e7a93812ce11842371a0

Film265 2023/5/25 『君に届け』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0887bcfa0c9d11d33a381c1b289204aa

Film266 2023/6/3  『劇場版 奥様は、取り扱い注意』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/00b12d8b9e497667f223739375d7bf53

Film267 2023/6/26 『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b82ac487cc77aa80d2ca313b8fc8da94

Film268 2023/6/30 『怪しい彼女』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9f4880700651f5a0dd2a73739bbc1ed0

Film269 2023/7/5  『花の生涯~梅蘭芳~』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e1df49eb7fcf19bb89cedb38912fe873

 

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「中国映画」 記事一覧

2023年07月09日 | 映画

中華圏(中国語圏)の映画は、それぞれの歴史的・政治的背景により、独自に発展した中国映画、香港映画、台湾映画に分類することが出来ます。

 


中国映画 の定義は、中国本土の資本と人材により制作された映画を意味しています。

 

「隊長のブログ」では、そんな中国映画を、これまでに、27作品を紹介しています。


詳細は、下記の記事一覧をご参照下さい。但し、リストには、合作映画も含んでいます。

 

尚、ブログで紹介した香港映画の一覧は、こちらをご参照下さい

 

また、台湾映画は、こちらをご覧ください

 

==「中国映画」 記事一覧==

(日本公開年:タイトル:監督)

1.  1994年 『さらば、わが愛/覇王別姫』 (中国・香港合作)  チェン・カイコー  

2.  2000年『あの子を探して』 チャン・イーモウ

3.  2000年『初恋のきた道』 チャン・イーモウ  

4.  2002年『きれいなおかあさん』 スン・ジョウ  

5.  2003年『北京バイオリン』 チェン・カイコー 

6.  2004年『LOVERS』 チャン・イーモウ  

7.  2006年『単騎、千里を走る。』 (中国・日本合作)  チャン・イーモウ  

8.  2007年『夜の上海』(中国・日本合作)  チャン・イーバイ

9.  2008年『レッドクリフ PartI』 ジョン・ウー  

10.  2009年『花の生涯~梅蘭芳』 チェン・カイコー

11.  2009年『レッドクリフ PartII-未来への最終決戦-』 ジョン・ウー

12.  2009年『ウォーロード/男たちの誓い』 (中国・香港合作)  ピーター・チャン  

13.  2010年『ベスト・キッド』(米国・中国合作)  ハラルド・ズワルト

14.  2011年『サンザシの樹の下で』 チャン・イーモウ 

15.  2011年『海洋天堂』(中国・香港合作)  シュエ・シャオルー  

16.  2011年『シャンハイ』 (米国・中国合作)  ミカエル・ハフストローム  

17.  2011年制作 (日本未公開) 『失恋33天』 テン・フアタオ  

18.  2015年『妻への家路』 チャン・イーモウ  

19.  2016年『スイートハート・チョコレート』 (中国・日本合作)  篠原哲雄  

20.  2018年『空海 -KU-KAI- 美しき王妃の謎』 (中国・日本合作)  チェン・カイコー    

21.  2018年『恋するシェフの最強レシピ』 (中国・香港合作)  デレク・ホイ  

22.  2019年『芳華-Youth-』 フォン・シャオガン  

23.  2019年『The Crossing -ザ・クロッシング- PartⅠ』 (中国・香港合作)  ジョン・ウー  

24.  2019年『The Crossing -ザ・クロッシング- Part II』 (中国・香港合作)  ジョン・ウー  

25.  2019年『SHADOW/影武者』 チャン・イーモウ  

26.  2020年 『チィファの手紙』 岩井俊二  

27.  2022年 『こんにちは、私のお母さん』 ジア・リン

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相撲 125番 『令和五年名古屋場所の注目力士は』

2023年07月09日 | 相撲

隊長が好きな「相撲」を紹介するシリーズの第125番(回)は、『令和五年名古屋場所の注目力士は』をお送りします。

 

(令和五年名古屋場所番付表)

 


「大相撲名古屋場所」が、今日・7月9日(日)から「ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)」で始まりました。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が五類に移行後、初めての地方場所となります。四年ぶりの通常開催で、声出し応援もできるそうです。


大関・貴景勝が、両膝の負傷で初日から休場するという残念なニュースもありますが、見どころの多い場所となりそうです。

 


さて、恒例の、隊長が今場所注目する力士を発表します;


一人目は、横綱・照ノ富士

 

 

先場所、両膝痛による四場所連続休場明けで土俵に上がったのにも関わらず、見事に六場所ぶり八度目の復活優勝を、遂げました


今場所も、二場所連続九度目の制覇を狙う横綱が、優勝争いの軸となるでしょう。

 

 

二人目が、新大関の霧馬山改め 霧島(きりしま)。

 


先場所、11勝4敗の成績で、文句なく大関に昇進した霧島。プロフィール写真の化粧回しは、まだ霧馬山のままです。今月4日の出稽古で、右肘を痛めたという心配な情報もありますが、さらに上の地位を目指すためにも、頑張ってもらいたいものです。

 

 

三人目から五人目は、今場所の成績次第で、大関昇進のチャンスがある三関脇。

 

豊昇龍(ほうしょうりゅう)

 

 


大栄翔(だいえいしょう)

 

 


若元春(わかもとはる)

 

 


最後が、東前頭六枚目の 北青鵬(ほくせいほう)。

 

 

先場所は、身長 204cm、体重 185kgの身体を活かした取り組みで、上位陣を苦しめました。年齢も、まだ21歳。師匠が元横綱・白鵬の宮城野親方と、環境にも恵まれています。


夏場所前に電撃引退した 逸ノ城  を、隊長は、「平成の怪童」と名付けたことがあります。北青鵬は、「令和の怪童」と呼ぶのに相応しい逸材です。

 

 

尚、『令和四年名古屋場所の注目力士は』の記事は、こちらです  。今場所の注目力士と比べると、僅か一年で、まさに「群雄割拠」の様相ですね。

 

 


==「相撲」バックナンバー ==
https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/78f3b57346580c1da454bb49641a52d9

1番~110番 省略

111番 2022/9/19 『感動!大相撲がっぷり総見~いよいよ明日!秋場所を百倍楽しく見る極意~』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/22a4f380134dc97964540d74e5ee0124

112番 2022/9/28 『玉鷲 37歳10ヶ月で二度目の優勝』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e6a7bf5df0d085404686de54b7a8634c

113番 2022/11/5 『モンゴル出身力士は、なぜ強いのか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ab6b784b069230d74bfc3c0de8c5d647

114番 2022/11/13『令和四年九州場所の注目力士は』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8608f44dc860e4d139d1ecaa4fb72ed7

115番 2022/11/30『阿炎 逆転で初優勝』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/472247cb5c8a0a25415e99fc6cfc2a97

116番 2023/1/8  『令和五年初場所の注目力士は』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/13cfeffe8ad9ab2ab00c34938b058ea7

117番 2023/1/25 『大関・貴景勝、三度目の優勝』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/28806c8e58659b7a39644be4b49a48ed

118番 2023/2/8  『テレ東特番「ありがとう大横綱白鵬」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/06ff3e77651046802600343aa9a35e64

119番 2023/3/12 『令和五年春場所の注目力士は』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5f0b4738958a696d79a0a71d7171d50a

120番 2023/3/30 『霧馬山 荒れる春場所を制し、初優勝』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b473bbbb2fecf652ab862c78b1af5d5e

121番 2023/4/2  『宮城野親方「アナザースカイ」に出演』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/49359eddbfd8c4be9d34111352b314df

122番 2023/5/8  『逸ノ城電撃引退』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/143850ec9447662ee40c9d40b6a6e90f

123番 2023/5/14 『令和五年夏場所の注目力士は』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c1b2eaff81b733a9dcf48c35a3317a10

124番 2023/5/31 『終わってみれば、今年も照ノ富士』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/07cebaee1e5c370cc8db4dc780b05a93

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映画 番外編 『良い邦題、悪い邦題』

2023年07月08日 | 映画

隊長が、これまでに観た「映画」を紹介するシリーズの番外編は、良い邦題悪い邦題をお送りします。




 

これまでにも、「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていますが、それを一覧にしてみました。



良い作品 (日本公開年 / 製作国 / 原題 / 邦題)

 

* 1955年、アメリカ、「Love Is a Many-Splendored Thing」、『慕情 

原題の「Love Is a Many-Splendored Thing」を直訳すると、「恋は多くの光り輝く出来事」でしょうか。タイトルとしては、長すぎで意味が分かりません。

それを、『慕情』という立った二文字で、主人公の愛惜の気持ちを現わしている素敵な邦題だと思います。同時に『慕情』の主題歌のヒットにも繋がっているのでしょうね。

隊長が副題を付けるとしたら、「戦争に引き裂かれた悲恋物語」とでもしましようか。

 

 

* 1967年、イタリア、「Per qualche dollaro in più」、『夕陽のガンマン

原題・英題を直訳すると、「もう数ドルのために」となります。少しでも高い懸賞金を狙うという意味で付けられたのでしょうが、そのまま邦題にしても、何の面白味もありません。

どうせ、アメリカで製作された本格的な西部劇ではなく、マカロニ・ウェスタンです。原題・英題と全く関係ない『夕陽のガンマン』と言うロマンある邦題にしたのも、日本で本作がヒットした要因の一つかも知れませんね。

 

 

* 1970年、アメリカ、「Butch Cassidy and The Sundance Kid」、明日に向って撃て!  

主人公の強盗犯二人の名前から取った「Butch Cassidy and The Sundance Kid」の、原題のままでは、アメリカの西部開拓時代の歴史に詳しくない日本人にとって、何の映画から全くわかりません。

『明日に向って撃て!』の邦題は、“若者の反逆” が吹き荒れた時代背景から生まれた、絶秒のタイトルで、邦題 No.1と呼んでも良いでしょう。

 

 

* 1987年、香港、「英雄本色」、『男たちの挽歌 

原題の「英雄本色」を直訳すると “英雄の本来の姿” で、どんな映画か分かりません。英題の「A Better Tomorrow」を訳しても、平凡な題名になりそうです。

『男たちの挽歌』は、1970年に公開された、チャールズ・ブロンソン主演の犯罪アクション映画『狼の挽歌』に、インスパイアされた邦題だと思いますが、“男くささ” が匂うこの作品に相応しいタイトルになっています。この邦題も、日本でのヒットの一因になっているのでしょう。

 

 

* 1992年、アメリカ、「Far and Away」、『遥かなる大地へ

原題の「Far and Away」を直訳すると、“はるかに” ですが、『遥かなる大地へ』とすることで、遥か遠くにある豊かなアメリカの大地をイメージすることが出来ます。この邦題自体が、本作品を観る前から想像力を膨らませることが出来る力を持っているのでしょうね。

 

 

* 1993年、アメリカ、「In the Line of Fire」、『ザ・シークレット・サービス

原題の「In the Line of Fire」を、そのままカタカナ表記したり直訳しただけでは、何の映画か分かりません。『ザ・シークレットサービス』と、具体的な職業名をタイトルにすることにより、誰が主人公分かり易くなり、人によっては、JFK暗殺事件を想起するでしょう。

 

 

* 1993年、アメリカ、「Sleepless in Seattle」、『めぐり逢えたら 

原題の「Sleepless in Seattle」を訳すと、「シアトルの眠れぬ夜」という邦題になって、恋で眠れないのか、恐怖で眠れないのか、恋愛映画か恐怖映画かわかりません。『めぐり逢えたら』としたのは、本作のモチーフである劇中に登場する映画『めぐり逢い』から取ったのでしょうね。

『めぐり逢えたら』の日本公開当時のオールド映画ファンなら、『めぐり逢い』のエンパイア・ステート・ビルディングの展望台での “すれ違い” を知っているでしょうし、その事を宣伝に使えることも考慮したのでしょう。

 

 

* 1996年、米国、「Jerry Maguire」、『ザ・エージェント

原題の主人公の名前「Jerry Maguire」では、何の映画か判りませんよね。ここは、ストレートに “代理人” を意味する『ザ・エージェント』としたのは、分かり易くて良かったと思います。

 

 

* 1997年、香港、「春光乍洩」、『ブエノスアイレス

原題の「春光乍洩」を訳すと、“漏れ出る春の光”、意訳ずると “木洩れ陽” でしょうか。これを、邦題にしても訳が分からないですよね。

英題の「Happy Together」は、曲名そのものだし。ここは、日本人には誰でも知っている都市名の『ブエノスアイレス』とすることで、観客の想像力を刺激することに成功したのではないでしょうか。

 

 

* 2000年、中国、「我的父亲母亲」、『初恋のきた道

原題の「我的父亲母亲」を直訳すれば、“私の父親母親” と映画の題名には相応しくないですよね。英題の「The Road Home」でも “故郷への道” とストレートです。

やはり、愛する人が馬車に乗りやって来て去って行ってしまった道、そしてその最愛の人が遺体となり、多くの教え子達に担がれて帰って来る道は、『初恋のきた道』としか呼び様がないです。

 

 

* 2003年、中国、「和你在一起」、『北京バイオリン

中国語原題の「和你在一起」、英題の「Together」から意訳して邦題を付けるとしたら、「親子共に歩んだ道」などとなるのでしょうが、これでは何の映画か分かりません。

北京でバイオリニストを目指す物語だということを分からせるためにも、 『北京ヴァイオリン』のタイトルは良かったでしょう。さらに、「バイオリン」ではなく「ヴァイオリン」としたのも題名に深みを感じさせています。

 

 

* 2003年、台湾・フランス合作、「藍色大門」、『藍色夏恋

原題の「藍色大門」の意味は、ラストで若者が誰でも通る “青春の門” だと分かりました。これを、そのまま邦題に使うと、日本人には地名のことかと思われる恐れがあったのでしょう。

“大門” を “夏恋” とすることで、夏の恋物語を強調する効果はあったと思います(実際は、オーソドックスな青春映画ではありませんでしたが)。

 

 

* 2008年、米国、「WILD HOGS」、『団塊ボーイズ

原題の「WILD HOGS」を直訳すると “野生の豚”。確かに豚の様に怠惰な生活を送っていった中年男たちが、バイクで旅をすることによって “ワイルドさ” を取り戻すストーリーに相応しい原題です。

しかし、“野生の豚” の邦題では、観客は飛びつかないでしょう。そこで、名付けた『団塊ボーイズ』、洒落た邦題になっています。

 

 

* 2010年、イタリア、「Baarìa、『シチリア!シチリア!

原題の「Baarìa (バーリア)」は、この物語の舞台となったイタリア・シチリア自治州パレルモ県にある都市名です。それも、シチリア語での表記で、イタリア語では、 Bagheria(バゲリーア)と呼ぶそうです。

タイトルを、大半の日本人が知らない「バーリア」とするより、映画ファンには『ゴッドファーザー』でお馴染みの「シチリア」を取り入れ、さらに 『シチリア!シチリア!』と強調することにより本作品の壮大さを表現することが出来たと思います。

 



* 2015年、中国、「帰来」、『妻への家路

原題の「帰来」や、英題の「Coming Home」ではストレート過ぎます。『妻への家路』とすることで、本作品に余韻を感じさせてくれます。

 

 

* 2016年、米国、「Sully」、『ハドソン川の奇跡

原題の “Sully” は、奇跡を起こした機長のニックネームです。アメリカでの公開では、米国人の殆どが知っている “Sully” で問題はないでしょうが、それをそのまま日本で「サリー」として公開されても誰も分かりません。

ここは、逆に日本人の殆どが知っている『ハドソン川の奇跡』とした邦題は、面白味はありませんが、妥当だと思います。

 



* 2018年、中国・香港合作、「喜欢你」、『恋するシェフの最強レシピ

原題の「喜欢你」を直訳すると「あなたが好き」となり、ありふれたタイトルになってしまいます。『恋するシェフの最強レシピ』とすることで、恋愛ドラマであることが分かるし、シェフが主人公であることも分かり、作品を観る前からイメージを膨らませることが出来ます。

 

 

* 2022年、中国、 「你好,李煥英」、『こんにちは、私のお母さん 

原題の「你好,李煥英」は「こんにちは、リ・ホワンイン」の意味です。李煥英は、中国の観客にとって、実績のあるコメディアンヌ・賈玲の母親だとの予備知識を持って本作に臨むことができます。

一方、日本の観客には、「リ・ホワンインって誰?」となってしまいます。そこで、本作品のストーリーから、『こんにちは、私のお母さん』の邦題にするのは、当然の流れでしょう。

 

 

* 2022年、アメリカ、「I Wanna Dance with Somebody」、『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY 

原題の「I Wanna Dance with Somebody」は、ホイットニーのセカンド・アルバムのタイトルです。日本で一番ヒットした彼女の楽曲は、『ボディーガード』の主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー (I Will Always Love You)」なので、「I Wanna Dance with Somebody」の知名度では、何の映画か分からない人も多いでしょう。

その意味で、「I Wanna Dance with Somebody」のタイトルの前に、「ホイットニー・ヒューストン」を付け加えたのが、良い邦題になったと思います。

 


 


悪い作品 (日本公開年 / 制作国 / 原題 / 邦題)

 

* 1984年、米国、「Risky Business」、『卒業白書

原題の “Risky Business” を直訳すると、「危険なビジネス」です。それを、『卒業白書』としたのは、1967年公開の『卒業』  と、1970年公開の『いちご白書』という、二本のヒット作の邦題の、良いとこ取りをしたのでしょうかね。

 

 

* 1998年、香港、「甜蜜蜜」、『ラブソング

原題の「甜蜜蜜」を直訳すると “甘い蜜” ですが、それが何故に平凡な『ラヴソング』になるのでしょうか。「甜蜜蜜」という曲が、甘い恋人たちを歌っているからとの理由で『ラヴソング』にしたのであれば、日本の配給会社の手抜きです。

そもそも、『○〇ラヴソング』とか、『ラヴソング〇〇』と似た様なタイトルの小説、漫画、ドラマ、映画があるのですから、『ラヴソング』では、この映画の意図するものが伝わりません。

隊長が、邦題を付けるとしたら、「忘れられない密の味」とか、「夢の中の幸せ」とかにしますね。

 

* 2000年、中国、「一个都不能少」、『あの子を探して

『あの子を探して』だと、母親が別れた子供を探し求める物語と思ってしまいます。邦題だと、中国語の原題や英語のタイトルから読み取れる、「一人の生徒は、小さな存在ではなく、それ以上の存在」と言う、この映画のテーマが死んでしまいます。



* 2001年、米国、「Planet of the Apes」、『PLANET OF THE APES/猿の惑星

第1作の原題「PLANET OF THE APES」を直訳すると「類人猿の惑星」です。実際に、作品に登場するのは、猿だけでなく、オラウータンやゴリラもいるのですが、「類人猿の惑星」より『猿の惑星』の方がインパクトが強く、覚えやすいので良かったと思います。

その後の〈「猿の惑星」シリーズ〉の原題には必ず、「PLANET OF THE APES」が付き、邦題にも「猿の惑星」が付き、シリーズ感が湧きます。ところが、“リ・イマジネーション” 作品で、邦題にも新鮮味を出さなければいけない本作なのに、原題と邦題を合体させた『PLANET OF THE APES/猿の惑星』と何のひねりもない日本語タイトルになっています。

蘇った猿の惑星」』だとか、『「猿の惑星再創造』とか、相応しい邦題をひねり出す努力を配給会社はしたのでしょうか。




* 2004年、中国、「十面埋伏」、『LOVERS 

凡庸な邦題です。中国語の原題が “十面埋伏”、英語題は “House of Flying Daggers”。それが何故 “LOVERS” になるのですかね? “LOVERS”と名付ければ、女性の観客が増えると思っていたのでしょう。

映画の内容や、中国語や英語のニュアンスから邦題を付けるとしたら、「到る所に潜む忍びの者」とか、「乱舞する敵の刃 (やいば)」が相応しいのでは。




* 2006年、香港、「如果・愛」 、『ウィンター・ソング 

イージーな邦題の付け方です。“LOVERS” と同じで、“ウィンター・ソング” と名付ければ、女性が観ると配給会社が考えたのでしょうか。

原題の「如果・愛」を直訳すると、“もしかして愛” ですが、隊長がこの映画に邦題を付けるとしたら、内容から “偽りの愛、されど真実の愛”とでもしますか。

 

 

* 2007年、香港、「傷城」 、『傷だらけの男たち 

中国語の原題「傷城」から、配給会社は『傷だらけの男たち』の邦題が浮かんだのだと思います。確かに、“愛のために傷つく元刑事” と “復讐に生きる刑事” が主役なのですが、あまりにも『傷だらけ〇〇〇』という、映画、小説、ドラマは、巷に溢れていて、手垢のついたタイトルになってしまっています。

英題の「Confession of Pain」を直訳すると「痛みの告白」です。映画の内容を鑑み、これを意訳して『消えない過去の痛み』或は、『消えない過去の傷』の邦題は、どうでしょうか。

 

 

* 2007年、中国・日本合作、「夜。上海」、『夜の上海

原題の「夜。上海」を直訳して『夜の上海』の邦題を付けたのでしょうが、この映画は、上海のある一夜の男女の物語、それも当事者にとっては、長い一夜のドラマです。それを、『夜の上海』という観光案内の様なタイトルでは、深みを感じません。

英題の「The Longest Night in Shanghai」が一番、本作に相応しいタイトルです。従って、隊長が邦題を付けるとしたら、「上海の長い一夜の恋物語」とでもしましょうか。

 

 

* 2008年、米国、「The Great Buck Howard」、『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生 

『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生』とは、映画のタイトルではなく、ストーリーの説明文、長すぎます。

この映画が日本公開されていれば、スタッフはもう少し頭を絞って邦題を付けたのでしょうが、安直な道を選んだように思えます。

 



* 2009年、中国、「赤壁:决戦天下」 、『レッドクリフ PartII-未来への最終決戦- 

これは、PARTIもそうなのですが、英題の「Red Cliff」をそのままカタカタ表記したという芸のなさ。中国歴史物というより、洋画(欧米映画)のような印象を受けます。

シルヴェスター・スタローン主演のクリフハンガー と混同しそうです。

英題を拝借するではなく、中国語の原題「赤壁:决戦天下」を意訳して、「天下分け目の決戦:赤壁の戦い」とでもした方が、日本人には分かり易いのではないのでしょうか。

 

 

* 2010年、米国・中国合作、「The Karate Kid」、『ベスト・キッド

本作は、1984年の『ベスト・キッド』のリメーク版なので、そのまま『ベスト・キッド』を踏襲したと思われます。

そもそも、1984年版の原題、「The Moment of Truth / The Karate Kid」が、何故『ベスト・キッド』になったか不明ですが、ここは、シンプルに『カラテ・キッド』の方が良かったのではないでしょうか。

 

 

* 2010年、オーストラリア、「MAO'S LAST DANCER」、『小さな村の小さなダンサー


原題の「MAO'S LAST DANCER」をそのまま邦題とすると、「毛沢東の最後のダンサー」となり、お堅いイメージでヒットしないと思ったのでしょう。2001年に公開されヒットしたイギリス映画「Billy Elliot」の邦題『リトル・ダンサー』を、主人公が同じ少年がダンサーを目指すストーリーなので拝借し、小さな村出身なので、合体して『小さな村の小さなダンサー』とした安直さを感じます。

隊長が邦題を付けるとしたら、”自由への旅立ち”とか、”呪縛から解き放たれたダンサー”とでもしますか。

 

 

* 2012年、米国、「Trouble with the Curve」、『人生の特等席

原題の「Trouble with the Curve」を直訳すると、“カーブに問題あり”。野球のカーブボールと、人生の曲がり角をかけているのでしょう。それが、邦題では何故『人生の特等席』になるのかがよくわかりません。

素晴らしきかな、人生の曲がり角”の邦題は、いかかでしょうか。

 

 

* 2013年、米国、「Jack Reacher」、『アウトロー

原題の “Jack Reacher” は、トムクルーズが演じる主人公の名前です。それを、『アウトロー』としたのは、納得がいきません。邦題だけを観たら、西部劇のようです。

ジャック・リーチャーが、流れ者だから『アウトロー』としたのでしょうか? それとも、トム・クルーズを、西部劇のヒーローと見立てたのでしょうか? 

 

 

* 2018年、韓国、「택시운전사タクシー運転手)」、『タクシー運転手 約束は海を越えて

『タクシー運転手 約束は海を越えて』の邦題では、タクシー運転手と外国人乗客の友情物語の様です。本質は、友情物語ではなく、英雄らしからぬ一人のタクシー運転手。カメラマンは、一躍「英雄」として世界的に名が知れますが、彼は歴史の闇の中に消えて行きました。

隊長が邦題を付けるとしたら、「タクシー運転手 名も無き英雄」とします。

 

 

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