テリハボク科、Clusiaceae、オトギリソウ属、ヨーロッパ原産の多年草、
学名:Hypericum perforatum、
和名:セイヨウオトギリソウ(西洋弟切草)、セント・ジョーンズ・ワート、
英名:St. John's Wort、Klamath Weed、Goat Weed、
葡名:Erva-de-são-joão、Hipericão、
2009年8月、2014年6月12日、2015年5月7日、2017年6月13日、8月2日、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2014年7月7日、2015年4月27日、コスタ・アズール地方で、2017年5月23日、7月12日、ベイラ地方で撮影、
近年うつ病治療の観点から注目を集めているハーブである。オトギリソウ属 (Hypericum) の植物種は従来オトギリソウ科 (Hypericaceae) に分類されていたが、近年はテリハボク科 (Clusiaceae) に分類されている。野生では、およそ370種のオトギリソウ属植物が、北アメリカ、ヨーロッパ、トルコ、ロシア、インド、中国の温帯および亜熱帯地域に分布している。
セント・ジョーンズ・ワート Hypericum perforatum は黄色い花を咲かせる根茎性の多年草のハーブであり、ヨーロッパに自生し、後にアメリカへも伝播し多くの草地で野生化している。 聖ヨハネの日(6月24日)の頃までに花が咲き、伝統的にその日に収穫されたためその名が付いた。地上部全体が刈られ乾燥させられハーブティーとして用いられる。 そのハーブティーは若干苦いものの嗜好品としてまたその薬理的性質のため長い間愛好されてきた。学名のperforatumは光にかざすと見える葉にある小さな窓(油点)に由来する。Hypericum(オトギリソウ属)はオトギリソウ科(分類体系により Hypericaceae、Clusiaceae、または Guttiferae の呼び方がある)に置かれている。
セント・ジョーンズ・ワート Hypericum perforatum が商業的に栽培されている地域はあるものの20以上の国では毒草としてリストされている。家畜による摂取は 光過敏感反応、中枢神経抑圧、流産または最悪死をもたらす場合もある。セント・ジョーンズ・ワートの医療的利用の最初の記録は古代ギリシアにまでさかのぼり、以来利用されてきている。 またネイティブアメリカンも人工妊娠中絶薬 抗炎症剤、収斂剤 消毒剤として使用してきた。
現代医学において標準的なセント・ジョーンズ・ワートの抽出物はうつ病や不安障害の一般的な処置として用いられている。ホメオパシーにおいては多くの医学的な問題に対する処置として用いられるが、その効果の程は正確には記載されていない。歴史的にはセント・ジョーンズ・ワートの花や茎は赤や黄色の色素を作るために用いられてきた。
今日セント・ジョーンズ・ワートはうつ病への処置法(あるいはその可能性)として最も知られている。ドイツをはじめいくつかの国では軽度のうつに対して従来の抗うつ薬より広く処方されている。標準的な抽出物はタブレット、カプセル、ティーバッグとして一般の薬局等で購入することが可能である。日本においては、薬事法上、薬効を標榜しない限りは「食品」扱いであり、ハーブとして市販されている。しかし、多くの薬物と相互作用をするので、厚生労働省からも注意が必要であると喚起されている。(Wikipediaより)ポルトガルのヒペリクム・ペルフォラツム Hypericum perforatum でした。
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(GKZ植物事典より) 和名は、西洋産のオトギリソウの意。属名は、ギリシャ語の hypericon(=下に)と erice(=草むら)の合成語。種小名は「貫通した、孔のあいた」の意。
セイヨウオトギリソウは、オトギリソウ科の多年草である。草丈は30~60㎝程度。茎には2条の稜があり、節ごとに多数の小枝を分枝する。葉は楕円形または長楕円形で、透明の腺点がある。葉は枝を抱え込むようにして対生する。7~8月頃集散花序を出し5弁の黄色い花を開く。花にはレモンに似た香りがある。西洋社会では、古代ギリシャの時代から薬草として用いられてきたが、聖ヨハネの処刑された8月27日頃には、満開となることから、英名では St. John's wort(聖ヨハネの薬草)と呼ばれている。また、昔から西洋社会では、本種に魔除けの力があると信じられ、聖ヨハネの誕生日(6月24日=聖ヨハネの日)には、本種を門口に下げておく風習があるという。セイヨウオトギリソウは、鬱病に効果があるとして注目をされてもいる。(GKZ植物事典より)