The wild flowers of Portugal. ポルトガルの野の花 

学名など判ったものだけ明記しています。和名などをご存知の方はどうか教えてください。

フェルラ・コムニス Ferula communis

2022-01-13 10:00:42 | ポルトガルの野の花

セリ科、Apiaceae、ウイキョウ属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Ferula communis、

和名:オオウイキョウ(巨茴香)、

英名:Giant Fennel、仏名:Ferule commune、葡名:Canafrecha、Canavoura、Féula-vulgar、

2010年5月、2015年5月7日、2018年5月7日、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2011年6月10日、2018年6月20日、ベイラ地方で、2018年5月4日、コスタ・アズール地方で撮影、

 

フェルラ・コムニス Ferula communis の花。水はけの良い石灰質の土壌を好み、茎は直径3~7cmと太く中実で、高さ2~3mにまで育つ。葉は3回羽状複葉で、葉身は糸のように細かく裂けている。

 

大きな散形花序をなし、初夏に明るい黄色の小さな両性花を咲かせる。夏以降、茎は直立したまま枯れるが、軽くて丈夫なため杖などに利用される。

 

根元から採れる樹脂が伝統薬として使われるほか、花蕾と茎を食材(boubal)として利用する。

 

ヒドロキシクマリン誘導体を生合成する点が特徴的であり、fessoukh の主成分もこれらの誘導体である。利用法は、オリーブ油と混ぜて白癬や水虫、リウマチ結節など様々な皮膚病に対する塗り薬としたり、飲み薬として虫下しや痛み止めなどに用いたりする。ギリシャ神話では、プロメテウスが人々に火を与えるためヘーパイストスの炉から火を盗み、オオウイキョウの茎の髄を火口(ほくち)として下界に持ち帰ったとされる。またディオニューソスの持つ豊穣の杖テュルソスは、オオウイキョウの茎から作られている。(Wikipediaより)

 

フェルラ・コムニス Ferula communis でした。 

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、大型のウイキョウの意から。属名はフェンネンルのラテン語名から。種小名は「普通の」の意。

オオウイキョウは、セリ科の多年草である。本種は、原産地の項に記したで、概して石灰質な土壌に自生する。茎は、中空で、草丈は2~3m程度となる。葉は3回羽状複葉で、糸状に細裂する。3~5月頃、茎頂に大型の複散形花序を出し、黄花の両性花を多数つける。本種は、夏場には立ち枯れてしまう。茎が中空で、軽いために、原産地では、我が国で火起こしに用いた「火吹き竹」のように用いたり、杖として用いたりもしたという。大量に摂取すると出血性中毒に至る。人間ばかりでは無く、家畜にも同様である。  ( GKZ植物事典より)

 

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セラピアス・リングア Serapias lingua

2022-01-12 10:28:12 | ポルトガルの野の花

ラン科、Orchidaceae、セラピアス属、地中海沿岸地域原産の多年草、

学名:Serapias lingua、異名:Serapias pseudo-cordigera; Serapiastrum lingua

和名:セラピアス・リングア、英名:Tongue Orchid、Tongue Serapias、葡名:Erva-língua-maior、

2010年5月、2014年4月20日、2015年4月27日、29日、2018年5月1日、4日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2018年5月15日、アレンテージョ地方で撮影、

 

セラピアス・リングア Serapias linguaの花。草丈は10~30cm。花は径3cm前後。

 

紫赤色に黄褐色~緑色の線が入り変化に富む。種小名のリングアLinguaは舌の意。

 

花期は原産地、ポルトガルで4~5月。

 

草原や沿道に自生。大西洋の水平線が見える台地にて。

 

群生もよく見かける。セラピアス・リングア Serapias lingua でした。  

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、学名の音読みから。属名は、エジプト王朝末期に、ギリシャ人によって統治された時代に、ギリシャ人によって創出された神 Serapis の名に因んでいる。エジプト語では「ウサル・ハピ」と言い、エジプト神話に登場するメンフィスの主神プタハの聖牛アピスとギリシャ神話に登場するオシリス神を合体させたものという。この属の植物の萼片が牛の角のように立っているからの命名と推測される。種小名は、「舌のような」の意。唇弁の様子を示している。

セラピアス・リングアはラン科の多年草である。本種は、地中海沿岸地方で、標高2000m未満の日当たりの良い牧草地や草原に自生の見られる地生ランである。草丈は、10~50㎝程度となる。葉は、狭楕円状で、4~8個出る。3~5月頃、茎上部に総状花序を出し、径3㎝程度の花を2~6個程度つける。唇弁は赤色で長く下垂する。花弁・側萼片には赤色の条紋が走る。上萼片は花を覆うように被さる。本種の大きな特徴は、喉部が濃赤紫色となる点である。 セラピアス・リングア  (GKZ植物事典より)

 

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エリゲロン・カルヴィンスキアヌス Erigeron karvinskianus

2022-01-11 10:32:32 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、ムカシヨモギ(エリゲロン)属、中央アメリカ原産の多年草、

アフリカ、ヨーロッパ、アジアに移入分布、

学名:Erigeron karvinskianus、

和名:ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)、別名:ムキュウギク(無休菊)、ゲンペイコギク(源平小菊)、

英名:Latin American Fleabane、Mexican Daisy、葡名:Margacinhas、Vitadinia-das-florista

2010年5月、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2014年5月19日、エストレマドーラ地方で,

2018年9月25日、バイラーダ地方で撮影、

 

草丈は20-40cm。頭状花が咲くが、花びらの色は変色する。地表に近い葉は3-5裂し、柄がある。

 

茎は根元で分岐するが仲間のヒメジョオンやハルジオンよりも細く、匍匐することが多い。石垣の間などに自生。当初はニュージーランド原産の Vittadinia triloba とされていたが、1979年に学名が修正された。

 

 

 

和名のペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)は葉が薄く、ヨメナのような花を付けることから。和名のゲンペイコギク(源平小菊)は花の色が変化することから。 英名のメキシカンフリーベイン(Mexican fleabane)のフリーベインはヒメジョオンの仲間のこと。

 

属名の Erigeron はギリシャ語の「eri(早い)+geron(老人)」から。元々はノボロギクにつけられた名で、灰白色の軟毛におおわれ、早く花が咲くという意味。種小名の karvinskianus はドイツの植物収集家「カルウィンスキーさんの」という意味。  

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、花色が白から赤へと咲き進むうちに変化することから。属名はギリシャ語の eri(=早い)と geron(=老人)の合成語で、白毛の軟毛で覆われていて早く咲く花の意。種小名は、19世紀ドイツの探検家 Wilhelm Friedrich Karwinsky von Karwin への献名。ゲンペイコギクは、キク科の宿根草である。我が国の園芸界では学名を音読みした「エリゲロン」の名で流通しているようだ。草丈は30㎝前後程度。開花期は非常に長く4~11月頃まで。花径は1㎝前後程度。語源の項に記したが、花色は、初め白、やがて薄いピンクへと変化する。  エリゲロン・カルヴィンスキアヌス  (GKZ植物事典より)

 

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グラジオラス・イリリクス Gladiolus illyricus

2022-01-10 09:57:07 | ポルトガルの野の花

アヤメ科、Iridaceae、グラジオラス属、地中海沿岸地方原産の球根植物、

学名:Gladiolus illyricus、

和名:グラジオラス・イリリクス、ワイルド・グラジオラス、

英名: Wild Gladiolus、葡名: Espadana-dos-montes 、

2010年4月、2014年4月7日、2015年4月29日、2016年5月31日、2018年5月3日、4日、7日、12日、2020年5月28日、2021年5月13日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2015年5月7日、アレンテージョ地方で撮影、

 

グラジオラス・イリリクス Gladiolus illyricus の花。ポルトガルの草原や沿道などに自生している。

 

花の直径は2cmほど。草丈は50~80cm。

 

名前は古代ローマの剣であるグラディウスに由来し、葉(又は蕾)が剣に類似していることが根拠と言われる。

 

大西洋を望む断崖絶壁にもわずかに生育している。

 

野生での色の変化はあまり見られない。群生していることもある。グラジオラス・イリリクス Gladiolus illyricus でした。 

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は学名の音読みから。属名は、ラテン語の gladius(=剣)を語源としている。種小名は「イタリアの」の意。グラジオラス・イリリクスは、アヤメ科の多年草である。本種は地中海沿岸の日当たりの良い草地で、概して岩礫質な土壌に自生の見られる野草である。草丈は60~90㎝程度となる。葉は剣状である。5~7月頃、茎上部に総状花序を出し、その先に5~6個の花をつける。花は、6弁花で、上の3枚が下方に垂れ下がる傾向を見せる。花色は桃紫色で、下側3個の花弁には白色の模様が入る。花後には三角形で、翼を持った果実をつける。 グラジオラス・イリリクス  (GKZ植物事典より)

 

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アナガリス・モネリ・シロバナ Anagallis monelli_Branco

2022-01-09 10:21:57 | ポルトガルの野の花

サクラソウ科、Primulaceae、ルリハコベ属、ヨーロッパ西部原産の多年草、

学名:Anagallis monelli、

和名:アナガリス・モネリ・シロバナ、シロバナ・ルリハコベ(白花瑠璃繁縷)、

英名:Flaxleaf Pimpernel、Shrubby Pimpernal、葡名:Morrião-perene、

2014 年 4 月 7 日、2016 年 6 月 5 日、2018 年 5 月 1 日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

アナガリス・モネリ Anagallis monelli の白花。普通種は紫色。花の直径は5~12mm。基部が木質化する多年草。

 

草丈は10cmほど、匍匐するように枝分かれし横に広がる。白花は珍しいものだが、元々の普通種の個体数が非常に多いので、過去に数度は見ている。普通種と混生している。

 

 

 

赤土と石灰岩の混ざる地にも自生している。海水浴場に近い砂地から牧場脇の沿道などあらゆる場所に自生。

 

アナガリス・モネリ白花 Anagallis monelli_Branco でした。 

©2022 MUZVIT

 

 

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シレネ・リットレア Silene littorea

2022-01-08 10:45:19 | ポルトガルの野の花

ナデシコ科、Caryophyllaceae、マンテマ(シレン)属、地中海沿岸地域、南西ポルトガル原産、

学名:Silene littorea、

葡名:Alfinete-das-areias、Colleja-de-mar、

2010年4月、ポルトガル、コスタ・アズール地方で撮影、

 

シレネ・リットレア Silene littorea の花。ビーチやビーチに近い砂地に自生。

 

この時季には足の踏み場がなくなるくらいの群生。沿道をピンク色に染める。種小名の Littorea は海岸という意味。

 

茎や子房には粘性があり、海風により飛ばされた砂が付着している。

 

 

 

草丈は30cmほど。花の直径は1cmほど。シレネ・リットレア  Silene littorea でした。   

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は学名の音読みから。属名は、ギリシャ神話の酒神バッカスの養父であるシレネスの名に因んでいる。種小名は「海浜性の」の意。

シレネ・リットレアはナデシコ科の多年草である。本種は、原産地の項に記した地域の砂浜等に自生の見られる野草である。草丈は20~30㎝程度となる。葉は長楕円状で、縁部は全縁、先端部はほぼ鈍頭で、基部では茎を抱き、茎に対生する。3~5月頃、茎上部並びに枝先に総状花序を出し、径1㎝程度で桃紫色の花をつける。萼筒は膨らみを見せ、花被片は5個で、各裂片は2深裂する。花後には長さ7~10㎜程度で卵形の蒴果をつける。 (GKZ植物事典より)

 

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クリサンテムン・コロナリウム Chrysanthemum coronarium

2022-01-07 09:54:10 | ポルトガルの野の花

キク科、Asteraceae、シュンギク属、地中海沿岸地域原産の1年草、

学名:Chrysanthemum coronarium、

和名:シュンギク(春菊)、キクナ、シンギク、コウライギク、ローマギク、オランダギク、ムジンソウ、クリサンセマム・コロナリウム、

英名:Garland Chrysanthemum、Chrysanthemum Greens、Edible Chrysanthemum、Chop Suey Green、Crown Daisy、Japanese-green、

葡名:Pampilho-ordinário、Maimeqer、Pampilho-vulgar、Pampilho、

2010年4月、2014年4月25日、2015年2月12日、4月29日、2016年2月8日、2018年5月1日、3日、10日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2018年5月15日、アレンテージョ地方で撮影、

 

クリサンテムン・コロナリウム Chrysanthemum coronarium(シュンギクの原種)の花。草丈は1メートルほど。

 

野菜のシュンギクに比べると葉は細い。草原や沿道に自生。

 

ポルトガル国旗のはためく古城と。

 

大西洋に望む断崖の上に咲く。

 

田舎道の沿道に咲くクリサンテムン・コロナリウム Chrysanthemum coronarium でした。 

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、春にキクに似た花を見せることから。属名は、古代ギリシャ語の chrysos (=黄金色)と anthemon (=花)の合成語。種小名は「副花冠のある」の意。

シュンギクは、キク科の一、二年草である。全草が無毛で独特な香気がある。草丈は30~60㎝程度となる。葉は、2回羽状に深裂し、茎に互生する。5~6月頃、茎頂に径3㎝程度の頭花をつける。周辺の舌状花は白色で、先端部は2浅裂し、花弁中程から黄色となり、中心の管状花は黄色となる。我が国では、特有の香りが好まれ、鍋物料理には欠かせない存在となっている野菜である。しかし、このシュンギクを野菜として食用に用いているのは日本や中国だけであり、ヨーロッパでは花壇や鉢植えにして専ら観賞用として栽培している。別名をルソンギクと言い、東南アジアを経由して我が国へ渡来したものと推測される。江戸時代初期には渡来したと推定されている。 (GKZ植物事典より) 

 

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シラー・オウタムナリス Scilla autumnalis

2022-01-06 10:21:12 | ポルトガルの野の花

キジカクシ科、Asparagaceae、ツルボ(シラー)属、ヨーロッパ原産の球根植物、

学名:Scilla autumnalis、

和名:アキザキツルボ(秋咲蔓穂)、別名:サンダイガサ(参内傘)、

英名:Autumn Squill、葡名:Cila-de-outono、西名:Prospero autumnale、

2014年9月7日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2014年9月25日、2016年9月25日、バイラーダ地方で撮影、

 

シラー・オウタムナリス Scilla autumnalis の花。花の直径は1cm未満。山野の日当たりのよいところに自生。

 

葉は2個根生し、長さ15~25cmの扁平な線形。長い葉が5月位から出て、倒れてしまうが花時にはほとんどなくなってしまう。

 

 

 

8~9月、鱗形は卵球形で黒褐色の外皮に包まれ、ネギのような匂いがする。花茎は高さ20~40cmになり、淡紅紫色の花を総状に多数つける。花の頃に根生葉のあるものとないものがある。

 

別名のサンダイガサ(参内傘)は、公家が宮中に参内する時に従者がさしかけた傘をたたんだ形に花穂を見立ててこの名が有る。秋咲蔓穂、シラー・オウタムナリス Scilla autumnalis でした。  

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は学名の音読みから。属名の Schilla とはギリシャ語で「害になる」の意であるが、害の有無については不明。種小名は「秋咲きの」の意。

シラー・アウタムナーリスは、キジカクシ科(←ヒアシンス科←ユリ科)の多年草である。草丈は10~20㎝程度。地下に球根を持ち、根際から線形葉を出す。葉は開花時期には見られず、開花後に出る。9~10月頃、茎頂に総状花序を出し、径5~10㎜程度で淡紅紫色の花を多数つける。花被片は6個。   (GKZ植物事典より)

 

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アリサルム・シモリヌム  Arisarum simorrhinum

2022-01-05 10:00:26 | ポルトガルの野の花

サトイモ科、Araceae、アリサルム属、ポルトガル、地中海沿岸地域原産、

学名:Arisarum simorrhinum、

和名:アリサルム・シモリヌム、別名:コビトハンゲ(小人半夏)、

英名:Friar’s Cowl(修道士の頭巾)、

葡名:Barranco de Teneguime、Candis、Candeias、Candelária、Capuz-de-frade、Capuchinho-de-frade、

2009年3月8日、12月、2011年2月7日、2014年11月24日、2015年1月12日、12月12日、2016年1月15日、19日、2月16日、12月18日、2018年1月29日、2021年1月5日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2014年12月24日、アルガルヴェ地方で撮影、

 

花(仏炎苞)の高さは5センチほど。地面から2~3cmの茎を出し、その上に褐色の花(仏炎苞)をつける。

 

葉の長さは8cmほど、光沢のある厚手の鮮やかな緑。12月半ば、葉を出し花が咲き始め、3月ごろまで見かける。仏炎苞に包まれるようにして棒状の肉穂花序を出す。

 

 

 

繁殖力が強く、あたり一面に自生している。早春(ポルトガルでは12月下旬頃から春を感じる)に枯れ草の間から鮮やかな緑の葉を出す。花の後、葉だけが残るが夏には太陽に焼かれ葉も枯れてしまう。

 

道端や荒地などに群生しているのをみる。アリサルム・シモリヌム Arisarum simorrhinum でした。   

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、学名の音読みから。属名は、同属の Arisarum vulgare に対してディオコレデスが用いた名から。種小名は「鼻のように出っ張った」の意。

アリサルム・シモリヌムは、サトイモ科の多年草である。本種は、原産地の項に記した地で粘土質土壌地帯の岩の割れ目や窪地等に見られる野草である。草丈は5㎝前後程度である。葉は、厚味のある革質で、表面には光沢を持った心形である。12~3月頃、短い花茎を立ち上げ、その上部に長さ5㎝程度の仏炎苞をつける。仏炎苞の下部はほぼ白色で、上部は濃褐色となり、表面に数本の条紋が走る。筒状の仏炎苞は、概して下部で湾曲を見せ、それに伴い、内部からでる肉穂花序も曲がりを見せる。難し花序は、概して黄白色であるが、成長と共に、仏炎苞と同色となる。 (GKZ植物事典より)

 

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ロスマリヌス・オフィキナリス Rosmarinus officinalis

2022-01-04 10:57:43 | ポルトガルの野の花

シソ科、Lamiaceae、ロスマリヌス属、地中海沿岸地域原産の常緑低木、

学名:Rosmarinus officinalis、

和名:マンネンロウ(迷迭香)、

英名:Rosemary(ローズマリー)、葡名:Alecrim(アレクリン)、

2009年3月8日、12月、2011年1月、2014年10月5日、11月4日、2015年1月9日、12日、24日、2月1日、5日、12日、12月4日、12日、2016年1月16日、19日、2月8日、10月27日、11月22日、12月18日、2018年1月25日、29日、2021年1月5日、ポルトガル、コスタ・アズール地方で、2014年12月24日、2015年12月23日、2016年12月24日、2018年1月15日、アルガルベ地方で撮影、

 

ロ-ズマリーとも呼ばれるロスマリヌス・オフィキナリス Rosmarinus officinalis の花。ほとんど一年中咲いている、低潅木。直径8ミリほどしかない小さな花。

 

蜜蜂たちがこの花から集める蜜は高級ハチミツとして珍重される。アラビダ山には多く自生しており、この地域の蜂蜜は特に有名。

 

生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用いられる。花も可食。属名 Rosmarinus は「海のしずく」を意味する。愛や貞節の象徴とされる。

 

消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用があり、肉の鮮度を長持ちさせることからヨーロッパでは古くから肉料理にしばしば使われている。カレーやポトフ、アイントプフ等のスパイスとして利用される。

 

また、抽出物(精油ではない)には、高い消臭効果があることが知られており、商用消臭剤にもしばしば応用される。(Wikipediaより)ロスマリヌス・オフィキナリス Rosmarinus officinslis でした。   

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は本種の葉が常緑であり、絶えず青々としていることから「万年朗」とされたが、その後、中国名での標記を我が国でも充てる様になったという。属名はラテン語の ros(=露)と marinus(=海の)からで、「海の雫」の意とか。海岸近くに自生することから。また、別の説では、花姿から「海の雫」命名された殿説もある。種小名は「薬用の、薬効のある」の意。

マンネンロウは、シソ科の常緑樹である。樹高は1~12m程度となる。葉は長さ3㎝程度の線形で枝に対生する。葉、表面は濃緑色、裏面は綿毛が密生して銀 白色に見える。葉は精油を含み、香料の原料にされる。全体に強い香りを放つ。秋頃から翌年の春頃に、枝先の葉腋に淡紫色の唇形花をつける。上唇は先端部が 2裂し、下唇は3裂し、内側に紫色の斑模様が入る。わが国へは文政年間(1820年)頃に渡来しているがあまり普及を見なかった。 ( GKZ植物事典より)

 

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ヒペリクム・ペルフォラツム Hypericum perforatum

2022-01-03 11:11:38 | ポルトガルの野の花

テリハボク科、Clusiaceae、オトギリソウ属、ヨーロッパ原産の多年草、

学名:Hypericum perforatum、

和名:セイヨウオトギリソウ(西洋弟切草)、セント・ジョーンズ・ワート、

英名:St. John's Wort、Klamath Weed、Goat Weed、

葡名:Erva-de-são-joão、Hipericão、

2009年8月、2014年6月12日、2015年5月7日、2017年6月13日、8月2日、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2014年7月7日、2015年4月27日、コスタ・アズール地方で、2017年5月23日、7月12日、ベイラ地方で撮影、

 

近年うつ病治療の観点から注目を集めているハーブである。オトギリソウ属 (Hypericum) の植物種は従来オトギリソウ科 (Hypericaceae) に分類されていたが、近年はテリハボク科 (Clusiaceae) に分類されている。野生では、およそ370種のオトギリソウ属植物が、北アメリカ、ヨーロッパ、トルコ、ロシア、インド、中国の温帯および亜熱帯地域に分布している。

 

セント・ジョーンズ・ワート Hypericum perforatum は黄色い花を咲かせる根茎性の多年草のハーブであり、ヨーロッパに自生し、後にアメリカへも伝播し多くの草地で野生化している。 聖ヨハネの日(6月24日)の頃までに花が咲き、伝統的にその日に収穫されたためその名が付いた。地上部全体が刈られ乾燥させられハーブティーとして用いられる。 そのハーブティーは若干苦いものの嗜好品としてまたその薬理的性質のため長い間愛好されてきた。学名のperforatumは光にかざすと見える葉にある小さな窓(油点)に由来する。Hypericum(オトギリソウ属)はオトギリソウ科(分類体系により HypericaceaeClusiaceae、または Guttiferae の呼び方がある)に置かれている。

 

セント・ジョーンズ・ワート Hypericum perforatum  が商業的に栽培されている地域はあるものの20以上の国では毒草としてリストされている。家畜による摂取は 光過敏感反応、中枢神経抑圧、流産または最悪死をもたらす場合もある。セント・ジョーンズ・ワートの医療的利用の最初の記録は古代ギリシアにまでさかのぼり、以来利用されてきている。 またネイティブアメリカンも人工妊娠中絶薬 抗炎症剤、収斂剤 消毒剤として使用してきた。

 

現代医学において標準的なセント・ジョーンズ・ワートの抽出物はうつ病や不安障害の一般的な処置として用いられている。ホメオパシーにおいては多くの医学的な問題に対する処置として用いられるが、その効果の程は正確には記載されていない。歴史的にはセント・ジョーンズ・ワートの花や茎は赤や黄色の色素を作るために用いられてきた。

 

今日セント・ジョーンズ・ワートはうつ病への処置法(あるいはその可能性)として最も知られている。ドイツをはじめいくつかの国では軽度のうつに対して従来の抗うつ薬より広く処方されている。標準的な抽出物はタブレット、カプセル、ティーバッグとして一般の薬局等で購入することが可能である。日本においては、薬事法上、薬効を標榜しない限りは「食品」扱いであり、ハーブとして市販されている。しかし、多くの薬物と相互作用をするので、厚生労働省からも注意が必要であると喚起されている。(Wikipediaより)ポルトガルのヒペリクム・ペルフォラツム Hypericum perforatum でした。   

©2022 MUZVIT

 

(GKZ植物事典より) 和名は、西洋産のオトギリソウの意。属名は、ギリシャ語の hypericon(=下に)と erice(=草むら)の合成語。種小名は「貫通した、孔のあいた」の意。

セイヨウオトギリソウは、オトギリソウ科の多年草である。草丈は30~60㎝程度。茎には2条の稜があり、節ごとに多数の小枝を分枝する。葉は楕円形または長楕円形で、透明の腺点がある。葉は枝を抱え込むようにして対生する。7~8月頃集散花序を出し5弁の黄色い花を開く。花にはレモンに似た香りがある。西洋社会では、古代ギリシャの時代から薬草として用いられてきたが、聖ヨハネの処刑された8月27日頃には、満開となることから、英名では St. John's wort(聖ヨハネの薬草)と呼ばれている。また、昔から西洋社会では、本種に魔除けの力があると信じられ、聖ヨハネの誕生日(6月24日=聖ヨハネの日)には、本種を門口に下げておく風習があるという。セイヨウオトギリソウは、鬱病に効果があるとして注目をされてもいる。(GKZ植物事典より)

 

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ポルツラカ・オレラセア Portulaca oleracea

2022-01-02 10:41:59 | ポルトガルの野の花

スベリヒユ科、Portulacaceae、スベリヒユ属、多年草、

学名:Portulaca oleracea、

和名:スベリヒユ(滑莧)、ブタクサ(豚草)、パースレイン、

英名:Verdolaga、Pigweed、葡名:Portulaca oleracea、Beldroega comum、

2009年8月、2017年7月12日、ポルトガル、アレンテージョ地方で、2014年7月7日、2018年9月16日、コスタ・アズール地方で撮影、

 

茎は赤紫色を帯び、地を這って分枝。葉は長円形の肉質で互生。夏期、枝先に黄色の小さな花を咲かせる。果実は熟すと上部が取れる蓋果で、黒色の種子が落ちる。C4型光合成を行なうと同時にCAM型光合成(CAM)を行う多肉植物であるため、液胞に蓄積されたリンゴ酸に由来する酸味があり、ぬめりのある独特の食感を持つ。

 

世界の熱帯から温帯にかけて幅広く分布し、日本全土で見られる。乾燥耐性があり、畑や路傍など日当たりの良い所に自然に生える。農業においては畑作の害草として知られ、全般的に執拗な雑草として嫌われる傾向にあるが、地域によっては食料として畑作もされる。

 

「莧」(草かんむりに「見」)の字を当てる。「スベリヒユ」の名は茹でた際に出るぬめりに由来するとされる。中国では生薬名でもある後述の馬歯莧のほか、馬歯菜、五行草、酸莧、豬母菜、地馬菜、馬蛇子菜、長寿菜、老鼠耳、宝釧菜など複数の呼び名がある。

 

スベリヒユおよびその近縁の種は健康食品としても使われるω-3脂肪酸を多量に含む植物として知られている。山形県では「ひょう」と呼び、茹でて芥子醤油で食べる一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされた。また沖縄県では「ニンブトゥカー(念仏鉦)」と呼ばれ、葉物野菜の不足する夏季に重宝される。トルコやギリシャ、ポルトガルでは生または炒めてサラダにする。全草を「馬歯莧」(または莧を見で代用して馬歯見;ばしけん)と呼び、民間薬として解熱、解毒、虫毒に利用される。また、利尿作用があり、葉の汁は虫刺されに効くと『資源植物事典』(1949) で紹介されていた。古くプリニウスの『博物誌』では、porcillaca として、さまざまな傷病に効く薬草として紹介されている。(Wikipediaより)

 

俗に言う「ぶたくさ」。アップにすると花も可愛いが、葉っぱの赤い縁取りがきれいなポルツラカ・オレラセア  Portulaca oleraceaでした。   

©2022 MUZVIT

 

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ツベラリア・シャランサ・モスクエアダ Tuberaria Xalantha_mosqueada

2022-01-01 10:31:30 | ポルトガルの野の花

ハンニチバナ科、Cistaceae、ツベラリア属、地中海沿岸地域原産、

学名:Tuberaria Xalantha mosqueada、

和名:ツベラリア・シャランサ・モスクエアダ、英名:Rockrose、

2010年5月16日、2013年5月6日、2014年4月19日、2015年5月7日、ポルトガル、アレンテージョ地方で撮影、

 

ツベラリア・シャランサ・モスクエアダ Tuberaria Xalantha mosqueada の花。花の直径は1cmほど。草丈は30cmほど。

 

ポルトガルの草原や道端に自生している。

 

斑点が可愛いツベラリア・シャランサ・モスクエアダ Tuberaria Xalantha mosqueada の花。

 

 

 

赤いタデ科のルメックス・アセトセラ Rumex acetosella と一緒に咲くツベラリア・シャランサ・モスクエアダ Tuberaria Xalantha mosqueada でした。  

©2022 MUZVIT

 

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