えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第4章 手術 9.

2007年06月10日 | 乳がん闘病記

9.
 2005年4月5日。入院4日目。術後1日目。
 明け方から少しまとまって寝たらしく、気づくと看護師がカーテンを開けていた。今日も晴れているらしい。看護師は、昼夜交替するごとに新しい顔が現れる。でも、どの看護師も感じが良いようだ。

 7:15 待望の水分補給。看護師が飲み物を持っているかどうか尋ねるので、イオン飲料のペットボトルが冷蔵庫にあると答えると、それを吸い飲みに入れてくれた。少しずつ飲んでひと心地つく。大腸がんの手術をした父は、術後しばらくは経口で水分をとれなかったと記憶している。乳腺の手術は内臓には関係ないので、そういう意味でも楽なのかもしれないと思った。
 手のしびれは残っているが、胸も脇もほとんど痛みは感じない。痛み止めで抑えられているのだろう。

 隣のベッドのKさんに声をかけてみた。まずは昨夜の騒動を詫びる。
 Kさんの声は少ししゃがれていて、弱々しい。それでも、途切れることなくしばらく話しかけてくれた。もうすぐ70歳になること。息子さんがこの病院の救急で検査技師をしていること。彼のお嫁さんも中央検査室で検査技師をしていること。本来は自宅から近い病院に入りたかったが、息子夫婦がここで勤務していることから、この病院を選んだこと。肺がんの抗がん剤治療を受けるために入院していること。抗がん剤治療は初めてではなく、副作用が辛いので、外泊明けに嫌々再入院してきたこと…などなど。頭にバンダナを巻いているのは、抗がん剤の副作用による脱毛を隠すためなのだろう。私よりよほど大変だと思った。
 ―義理の娘さんが中央検査室の技師? 入院検査のとき、肺機能検査で一緒にスーハーしてくれた人かしらん?―
 持参した手作り品を贈ると、予想以上に喜んでくれる。それはよいが、「私は何にも用意してないわ…どうしましょう…」と恐縮なさるので、逆に困ってしまう。

 Kさんが朝食をとる間、食べられない私はテレビを見る。手や腕のリハビリ体操を、プリントを見ながらやってみた。手のしびれはわずかずつながら軽快しているようだ。
 途中看護師が来て、「もうお小水をためなくていいですよ」と言ってくれる。万歳!

 8:30 胸部と腹部のレントゲン撮影のため、看護師が車椅子で迎えに来てくれる。患者やスタッフが行きかう渡り廊下を押され、外来病棟のレントゲン室まで行った。左脇腹から出ているドレーンの管から、血液の混ざった液体が出てビンにたまっている。自分でも痛々しい。周りの私を見る目が同情や好奇の目に映ってしまうのは、気のせいかな。

 9:40 F先生来室。「いかがですか?」と訊かれたので、「元気です」と答えると、「無理してませんか?」と冗談めかして言う。夕方ゆっくり話しに来ると言い残して、すぐに消えた。

 10:00 少し前、熱々のタオルを何枚ももらい、体をふいて、手術着&T字帯から浴衣&下着に着替える。T字帯から解放されただけでも嬉しい。

 10:30 ナースステーション前にある公衆電話で、自宅と妹に電話するがどちらも不在。息子は大学に行っているのかな? 昨日の入学式の様子を聞いてみたい。


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