えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第2章 怒涛の日々 6.

2007年04月15日 | 乳がん闘病記
6.
 その日の夜遅く、親友のCさんに電話をもらった。前日に私がメールで知らせた後、何度か互いに電話が行き違い、心配をかけてしまったようだ。

 彼女は以前から婦人科系の病気に気をつけていたので、私より知識があるようだった。乳がん罹患の危険因子をいくつか上げ、「どれがえっちゃんに当てはまるって言うの?」と不思議がる。だから悲観しなくてよいのではないかと言ってくれているらしい。「たとえ悪性だったとしても、初期で治療できれば大事には至らないわよ」と。理詰めの彼女らしい励まし方だった。

 また、彼女も私と同様、胸が大きい人の方がリスクが高いと思っているようだった。ちなみに、後で書物からわかったことだが、乳房の大きさがリスクに比例するという確たるデータはないらしい。ただ、大きい方が発見が遅れやすいという事実が、そういう誤解を生んでいるようだ。

 彼女は「あけぼの会」という乳がん患者の会のことも教えてくれた。話の巧みな彼女がいつもそうであるように、いろいろな方法で私を励まし、世間話で気持ちを和らげようともしてくれた。
 「えっちゃんは気丈で偉いわね。私は弱虫だから、私だったら震え上がってしまうわ」とも言った。私は半分は本音、半分は見栄で返した。「いつか何かあるってずっと思ってたから、あぁこれだったんだって、素直に納得できちゃったのよ」 本当は、ちょっと前まで孤独の淵で泣いていたというのに…。
 「決して悲観しているのではなくて、最悪の場合を覚悟しているだけなの。最悪の事態を想定して動いていれば、そうじゃなかったときは喜べるし、そうだったときでも慌てないですむでしょう?」と言った。これは本当にそう思っていた。細胞診の結果が「クロ」に近いクラスIVだったため、かえって腹がすわったのだろう。「シロ」の可能性を残すクラスIIIだったら、逆に望みを持ち過ぎて覚悟ができなかったかもしれない。

 最後に、病気はごくごくプライベートな情報なので、誰にも口外しないことを彼女は約束し、私自身も自分から人に話す必要はないのではないかと助言した。この時点では、私もそう思っていた。―乳がんが恥ずかしいこととは思わないけど、進んで話すこともないかも…黙っていれば人にはわかりはしまい…―

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