えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第2章 怒涛の日々 18.

2007年04月27日 | 乳がん闘病記
18.
 こうして、風邪を引くこともなく、ぎっくり腰が起こるわけでもなく、飛散が多いとの前評判だった杉花粉にひどく苦しめられることもなく、4種類の検査が無事終わった。ひとまずはほっとした。後は結果を待つだけだ。腫瘍が悪性である可能性には覚悟ができていたが、他への転移だけは免れていてほしい。

 検査を受けながら、積極的に情報収集も進めてきた。いつか将来同病者の役に立てるよう、病気を公表することも決めた。本によっては、楽観的でのんびり取り組むタイプの患者と、積極的に情報収集して前向きに取り組むタイプの患者は治癒率が高い、などという記述もある。―う~ぬ、後のは私のことではないか!- 我ながらあっぱれだと思った。

 こう書くと、いかにも前向きに元気に闘病する優良患者のように聞こえるかもしれない。でも、実際には、朝目が覚めれば「今日も元気にがんばるぞ」と自分を奮い立たせ、夜床に入るときは「今日も1日よくやった」と自分をほめ、眠りにつく日々だった。気分にも波があった。何かに集中しているときはそれなりに気が紛れているのだが、集中力が途切れると、ふと急に哀しくなって、ひとしきり涙がこぼれたりした。

 1年ちょっと前から、腰のために始めた体操がある。矢上裕氏の「自力整体法」*という、体の歪みをストレッチで直すものだ。自分の好きな癒し系の音楽を流しながら、他に習っている体操やヨガのポーズと組み合わせて、できる限り毎日30分~1時間ほど行ってきた。心身ともにリラックスできる時間で、今では私の生活に不可欠なのだが、病気が発覚してからはますます、それが私の心を支えてくれる時間になった。

 第一志望の大学に合格し、喜びと期待にあふれて過ごしている息子の姿にも、随分慰さめられた。最後の検査のあくる日は、その入学手続きの日だった。朝から晴れて風が強く、いかにも花粉がたくさん飛んでいそうだった。例年ならこんな日は外出を控える私だが、物見遊山と気晴らしを兼ねて、息子にのこのこついて行くことにした。家に一人でいたくなかったのだ。一人でいるとまた気持ちが弱くなってしまいそうだった。

* http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b/249-9380100-0717105?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%8E%A9%97%CD%90%AE%91%CC%96@%81@&Go.x=8&Go.y=9

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