えつこのマンマダイアリー

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スイスの絵本画家展 ~クライドルフの世界~

2012年07月04日 | アート

 (↑渋谷「Bunkamura」

 

 ここ半月の間、ちょっとした文化週間でした。自分の記録も兼ねて記事にしておきます。
   通っているハーブ&アロマ教室主催のヴァイオリンとピアノのミニコンサート......
   友人の所属する、伝統ある合唱団の定期演奏会(共演者はこちらで)......
  「スイスの絵本画家 クライドルフの世界」展......

 (★これより下の画像をクリックすると、大きい画像や別の画像が見られますが、展覧会の解説中の原画画像には、リンク画像はありません。★画像にマウスオンすると解説が出るものがありますが、ブラウザによっては読み込めない場合があります。○印が文頭にあるものには別画像がリンクされています。)

      

 くだんのサイトより、クライドルフと展覧会について引用します:
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 子供のような無垢な眼差しと自由な想像力で、小さな生き物たちを主人公にした不思議な世界を詩情あふれる文章とともに生み出した絵本画家エルンス ト・クライドルフ(1863-1956)。スイスではいまでも子供たちに愛され読みつがれる国民的な絵本画家で、19世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパにおける絵本の黎明期を代表する一人としても評価の高いアーティストです。
 本展は、クライドルフ協会・財団とベルン美術館の全面協力のもと、美しい自然と豊かな芸術の国、スイスで育まれた画家クライドルフの作品世界を、絵本原画を中心とした約220点でたどる日本で初めての本格的な回顧展です。
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 展覧会の会期が終わるとサイトが閉じられると思うので、構成と概要の一部を引用しておきます:
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 1883年、ミュンヘンに移り住み、念願の美術学校で本格的な絵の勉強を始めたクライドルフは、優秀な成績で卒業。続いて美術アカデミーへと進んだものの、学費を稼ぐための無理な生活と最愛の姉へルミネの死という不幸も重なり、体調を崩して南バイエルンのパルテンキルへンで療養生活を送ります。アルプスの大自然に感動を覚えたクライドルフは、自然を鋭敏な感覚で捉え、詳細に描き出しながら、独特な想像力あふれる世界を生み出していきました。

第1章: 初期の絵本 Early Picture Books

アルプスで静養を始めたクライドルフは、次第に自然の中の小さな生き物たちの世界へと心惹かれていきました。写実的・自然主義的な表現と、空想の世界との間で新しい表現方法を模索していたクライドルフは、絵本の世界に独自の道を見出していきました。

『花のメルヘン』より 《輪舞》 墨、水彩・紙
1898年 ヴィンタートゥール美術館 ©ProLitteris,Zurich (管理人注:uにはウムラウトがついていますが、機種依存文字で正しく表示されないため、uに置き換えました。以下同様です。)

第2章: くさはらの中の生き物たち Small Livings between Grasses

バッタも小人クライドルフの大好きな生き物で、いくつもの絵本に様々な役割で登場しています。クライドルフの絵本では、小さな生き物たちの世界が、子どもの経験世界を通して、自然界や日常生活の中で子どもの目と心が慣れ親しんだ世界として取り上げられています。

『バッタさんのきせつ』より 《おくさんたちのボーリング》  水彩、墨・紙
1931年 ベルン美術館 ©ProLitteris,Zurich

 

第3章: アルプスの花の妖精たち Flower Fairies in the Alps

花と植物はクライドルフの作品の中で特別な位置を占めています。花の儚さを知り、それを少しでも引き留めたいとの思いが、様々な作品を生み出しました。1920年代にロート・アプフェル社から出版された一連の絵本は、自分の直感と思想を頼りに創作するクライドルフの絵本の特徴をよくあらわしています。

『詩画集 花』より 《キングサリ》  水彩、墨・紙
1920年 ベルン美術館 ©ProLitteris,Zurich


第4章: 妖精と小人-メルヘンの世界の住人たち 
Dwarfs and Fairies – Inhabitants in the World of Märchen

第一次大戦の影響で故郷のスイス、ベルンに戻ったクライドルフは、1920年代と30年代をベルンで過ごし、精力的に創作活動を行いました。クライドルフは神話や伝説、さらには童話の登場人物たちを自らの世界に取り入れながらも、自然の力や四季の移り変わりと深く結びついた妖精や小人の物語に新しい解釈を加えることによって、そこに人間社会を反映させて描き出しています。

『花を棲みかに』より 《まま母さん》 水彩、墨、グワッシュ・紙
1924年以前 ベルン美術館 ©ProLitteris,Zurich

 
第5章: 子供たちの教育 Education of the Children

大人の視点からみた道徳的な価値体系に背を向け、子どもの世界と真に向かい合おうとするクライドルフの一貫した姿勢は、同時代の教育改革者からも進歩的であると賞賛され、高い評価を受けました。こうした賛辞は教師たちにも影響を及ぼし、クライドルフの世界が世に認められ、広まっていくひとつの大きな動因となっていきました。死の1年前には、スイス教師協会から児童文学賞を送られています。

『庭の赤いバラ』より 《牛小屋とエンドウの花と実》  水彩、墨、グワッシュ・紙
1925年 ベルン美術館  ©ProLitteris,Zurich

 

エピローグ: 夢と現実の間で  Epilogue: Dreamscapes

夢はクライドルフ自身と作品において、大きな役割を果たしていました。夢の光景は、子ども時代の思い出や身の周りで慣れ親しんだ世界と融合し、クライドルフの詩情にのってさまざまな様相を見せながら、しばしば深い精神世界を表現しています。

『運命の夢と幻想』より 《運命》  ベルン美術館  ©ProLitteris,Zurich

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 療養中のクライドルフを癒した植物や生き物...クライドルフの繊細な感性と筆によって、活き活きと描写されていました。自分が知っている花を見つけると嬉しいし、花の名前を推量するのも楽しいし、知らない花を見るのも新鮮だし...蝶にも結構詳しい私、「これは日本にいる...これはいない...」と、見るのも面白かったです。

 印象的だったのは、第2章で紹介されている絵本、『バッタさんのきせつ』の《おくさんたちのボーリング》。バッタのおくさんたちがボーリングに興じている絵に付されている言葉がおかしくて...「おくさんたちはボールがピンに当たらなくてもよいのです。おしゃべりが楽しいのですから。」(私の記憶なので、文言は正確ではありません(^_^;) また、ボーリングの絵が2枚ありましたが、両方ピンが9本しか描かれていないのです。当時は9本だったのかな? どうでもいいことですが...。

 それから、第4章に登場する絵本、『花を棲みかに』にある《まま母さん》という絵についていた解説にびっくり。ドイツでは、スミレ(パンジー)を「継母の花」と呼ぶのだとか。「下弁が母/その上の花びらが実子/さらにその上のが継子」(同様に、文言は正確ではありません)とあるではありませんか! パンジーの花からこんなことを連想するなんて、意外だし残酷じゃありませんか?

 また、木をゆすって洋梨の実を落としている絵があったのも印象的でした。アーモンドなど、ナッツの木をゆさぶって収穫するのは知っておりましたが、洋梨まで? 傷まないのかしらん? 

 さらに、どうでもよいことなのですが、「フェーン現象」を日本語で「風炎」と表わすということも、今回初めて知りました(^_^; Wikipediaによると、岡田武松氏が考案したとあります。

 とにかく、展覧会のサイトを見るだけでも楽しいですよ。動画も見られます。

 

                                  

 オープンまもない「渋谷ヒカリエ」に行ってみました。

         
 (右)トイレが素敵! でも、トイレの写真を撮るのは公序良俗に反する行為でしょうか???

       
      GIOTTOでティータイム

 こちらはおまけ。この日食した沖縄料理、ゴーヤーチャンプルー定食なり。
       

 さらにおまけのおまけ。一体何の画でしょう? 謎はリンク画像で解けます...(#^.^#)
         

 

 長らくおつき合いくださり、ありがとうございました

  


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