(↑ 近所の親水公園で昨日撮影したカワセミ。記事内容とは関係ありません。)
2022年1月19日付の東京新聞朝刊の「本音のコラム」欄に掲載された、文芸評論家の斎藤 美奈子氏のコラムを紹介します。
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議論が9割 斎藤 美奈子(文芸評論家)
昨年一番売れた本は永松茂久『人は話し方が9割』だった。ものすごく今っぽい本である。
話している相手をけっして否定しない。自分が「話す」のではなく、相手の話を「広げる」。「正しい話」より「好かれる話」をしよう。「好かれる」前にまず「嫌われない」努力をしよう。
こんな教えがいっぱいで、要は衝突しない話し方、好かれる話し方のオンパレード。議論は極力したくない。議論なんてもってのほか。「口は悪いが本当はいい人」などいないそうで、嫌いな人と無理に話す必要はないし、苦手な相手に遭遇したら逃げるが勝ち。
これじゃ議論も廃れるはずだ。「聞く力」を強調し、激論になりそうな案件を施政方針演説から外した岸田首相も、「野党は批判ばかり」という声にビビッて「批判より提案」の方向に逃げを打った立憲民主党の泉代表も、この本の読者だったのかもしれない。
でもさ、人生も国会もそれだけじゃダメなのよね。生きていれば、どうしても相手を批判しなければいけない場面、自己主張をしなければならない局面てのがあって、コミュニケーション術は本来そういうときのためにあるはずだし、野党もそのために存在する。
本日から国会での論戦がはじまる。有権者に好かれる話術に意味があるのは選挙戦までだ。国会は議論が9割。衝突を恐れるな。
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(※段落のブロック分けと文章の太字化は、ブログ管理人によります。また、読みやすいように漢数字を算用数字に置き換えていますが、著書のタイトルは元々「9割」です。)
最初の「話している相手をけっして否定しない」で、まず「ぅぅん?」と引っかかった私…。でも、「確かに、相手の話を否定しないで、まずは耳を傾けるべきよね」と一旦思い直すも…「相手の話を『広げる』」? 「『正しい話』より『好かれる話』をしよう」?? 「『好かれる』前にまず『嫌われない』努力をしよう」???(^^; 読み進むにつれ「?」が増えていき、前半が終わる頃には私はちょっと焦ってしまっていました。なんとなれば、私の話し方とほとんど逆だからです(^^; 世間話なら聞き上手に徹することもありますが、話し合いの場では自分の意見を言う方ですし、相手の意見に質問や確認を入れたり、嫌われるかもしれないことを覚悟でつっこみを入れたりと、どちらかというと物議を醸してしまうタイプなのです(^^ゞ でも、それより何より、斎藤氏の鋭い舌鋒が好きな私は、彼女がこの著書を推しているのかと思い、そのことにもっと焦りを感じていました。まさか???
でも、後半に入って思わずホッ…(^^)v 「これじゃ議論も廃れるはずだ。」そーこなくっちゃ~、斎藤さん!
そして、最後まで読むと、「ものすごく今っぽい本である」の意味がよくわかりますね。コロナワクチン接種やマスク着用など、何かにつけて人々の考えが分かれ、ともすると衝突が起こりかねないご時世ですものね。でも、「議論が9割」! 私は賛成です。
日本では欧米と違って議論を避ける傾向がありますね。子供の頃からディベートの教育を受けていないからでしょうか?
ただ共産党や立憲民主党の与党批判,あれは議論でも批判でもなく,天邪鬼としか聞こえません。むしろ真っ当な議論を害しているとさえ思います。国会論戦はもっとまともな議論を期待します。
#カワセミの写真,よく撮れましたね。警戒心が強くてなかなか近くには寄れないものですが。
今のお子さんたちは授業での討論を経験するようですが、おっしゃるとおり、私たちの世代はほとんどなかったですものね。むしろ、「政治の話はタブー」という雰囲気を中学生の頃から感じ始めていました。
今思えば、日本の共産化を防ぐためにレッドパージを行ない、結果的に労働組合を骨抜きにすることに成功したアメリカの占領作戦と軌を一にするのかな、と思います。
アメリカの為政者も日本の為政者も、国民が愚民化し、衆愚でいてくれる方が好都合ですものね。「やられたな」というのが大人になってからの私の感覚です。
な~んて、こんなところで書くことでもなかったかしら。失礼しましたm(__)m
野鳥の写真を撮るには、やはり倍率の高い望遠レンズが必要ですよね。私のカメラは一眼レフタイプのコンデジですが、遠くも近くもわりとカバー範囲が広く、それに助けられています。でも、このカワセミは10~十数mの近距離で撮っています。
オートで数打つ効率の悪い初心者の方法を今もってとっていて、お恥ずかしい限りです(^^ゞ