えつこのマンマダイアリー

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暮れゆく2013年 ~「離見の見」を保つために~

2013年12月31日 | 雑記

 良いことも悪いこともあった2013年が暮れようとしています。みなさまにとってはどのような年だったでしょう。
 個人的には、10年ぶりに事件のない穏やかな年となり、普通に暮らせることのありがたさを実感しました。ただ、政権の暴走がとどまる気配はなく、一国民としては、大きな不安を抱えたまま新年を迎えることになりそうです。

  今年最後の記事は、計らずも何度もその投稿意見を引用することになった、内山 節(たかし)氏(立教大大学院教授・哲学者)の投稿を掲載します。
 2013年12月22日付東京新聞朝刊の「時代を読む」コラムより引用します。 

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 「他者の視線考える国に」

 今年の1年を振り返ってみると、だんだん世界は余裕を失ってきたと感じている。それは政治や経済などのさまざまな分野でいえるけれど、そう感じさせる一番の理由は、それぞれの国が為政者のやりたいことをしているだけで、その政策や方針が外国からどんなふうに見られているのかを考える力がなくなっている、というところにある。

 特定秘密保護法の可決は、その代表的な出来事であった。いま日本がこのような法を制定することが、外国から見るとどう感じられるのかという視点が、政府には全く欠けていた。ヨーロッパのマスコミの論調をみても、なぜこんな時代錯誤の法を日本は通すのかというものが多かった。世界は情報公開の方向に向かっているのである。そのときに日本だけが歴史を逆転させるような法律をつくろうとしている。不思議な国、変な国という印象を与えたことは確かだ。
 中国や韓国から見れば、日本は再び危険な国になろうとしているということだろう。もちろん外国からの視線がつねに正しいとは限らないが、自分たちが外国からどう見られているのかを考えない政治は、少なくとも大国の政治ではない。それでは尊重される国には絶対ならないだろう。

 同じことが中国などにもいえる。自分たちの政策が外国からどう受け止められているのかが全く配慮されていない。自分たちのやりたいことをしているだけの政治は、周辺諸国を警戒させるだけである。
 環太平洋連携協定(TPP)をめぐる米国の態度も同じだ。米国の利益をごり押しするだけの交渉では、米国の地位を低下させるということを考える余裕が、この国にもなくなっているのだろう。

 政治の世界に限らず、私たちはつねに他者の視線を意識しなければならないはずだ。自分たちの行動が他者にはどんなふうに映っているか、それを考えることが他者を理解することも生みだすし、他者に配慮した生き方をつくりだすことにもなる。それが支え合う社会の出発点で、ある意味では環境問題も、人間がつくりだした文明が、自然という他者にはどのように映っているのかを考えるところから、自分たちの文明を考え直していく作業なのである。
 他者の視線を意識することが他者への理解を生み、他者との連携や協力関係の創造にもつながることを、私たちは忘れてはならないだろう。

 このような視点から見れば、現在の日本の政治は劣化した政治だというしかない。日本を大国にしたいのなら、尊重される国をつくらなければならないはずなのに、逆に警戒される国をつくりだしてしまっている。中国の政治と同じレベルのことをしてしまっているのである。特定秘密保護法は、その意味でも国を劣化させる法律である。

 能の大成者である世阿弥は「離見の見(りけんのけん)」という言葉を大事にしていた。能役者が舞台に立ったとき、観客の視線で自分を見ながら舞わなければいけない、という意味の言葉である。
 私たちに大事なのはこのことだ。私たちは自然からどのように見られているのか、自分たちの行動は立場の違う人にはどう映っているのか、日本という国は外国からはどう見えているのか、そういうことを考えながら行動できることが、環境問題でも、温かい社会をつくるときにも、尊重される国をつくるためにも必要なのである。

 (注:ブロック分けや太字化・赤字化は、ブログ筆者によります)

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  もう1つ...政局や政治とは直接関係ありませんが、内田 樹 (たつる)氏(思想家)のブログ「内田樹の研究室」に掲載されている記事「コミュニケーション能力とは何か?」を紹介しておきます。少々長いですが、説得力があり、例として挙げられている逸話も興味深く、つい引き込まれて読みました。相手の知性に敬意を持ち、信頼することが、コミュニケーション能力の前提だという趣旨です。

 

                                

 この1年も拙ブログにおつき合いくださり、本当にありがとうございました 
 昨年の今日は、こんなことを書いていました:
 「今月は多くの方にご訪問いただき、昨日は1,700を超える人(アクセスIP)がお寄りくださいました。その多くの方がポチ袋の作り方の記事を見てくださっているようですが、その数の多さより、それほど多くの人がお年玉袋を手作りしてご自分の大切な人たちに贈ろうとしているという事実の方が、私としては嬉しいです(*^▽^*)v」と。
 そして今年...昨日のアクセス人数(IP数)は3,500余り、閲覧数は8,500を越えました。ご覧いただいたトップ記事は、やはりポチ袋関連の記事でした。昨年と全く同様の思いです。    

 本年はこれにて投稿納めです。こんな記事で今年を締めくくらざるを得ないことを、とても残念に思います。来年はこんなことにならないよう切に祈りつつ、私なりに新年の誓いを立てたいと思っています。それは元旦にでも...あぁ、元旦て明日か...(^_^;

 みなさまがご家族揃って心穏やかな年を迎えられますよう、心から願っております。そして、来年も「えつこのマンマダイアリー」をどうぞよろしくお願いいたします

 


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