11月26日に与党が特定秘密保護法案を衆院で強行通過させたことについて、27日付東京新聞朝刊では、28面中9面を割いて報道しました。
その中から、「本音のコラム」欄の投稿をご紹介します。
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「7年前の教訓」 斎藤美奈子 (文芸評論家)
与党とみんなの党の賛成多数で、特定秘密保護法案が衆院を通過した。昨年12月の衆院選で安倍自民党を大勝させた結果がコレ、7月の参院選で「ねじれ」を解消させた結果がコレである。
2006年12月、第一次安倍政権下で教育基本法改正案が強行採決された7年前を思いだす。あのときも激しい反対運動が起こり、国会周辺で連日集会が行われていたにもかかわらず、国民の声は無視された。
そのツケは今、ボディブローのように効いている。新基本法に基づく学習指導要領の改定、教育委員会の教科書採択への介入。第二次安倍政権は教科書検定制度の見直しまで言いだした。いずれも新基本法の「愛国心」条項に準拠している。
しかし、意気消沈するのはまだ早い。07年が明けると同時に安倍内閣では不祥事や失言が相次ぎ、党内からも改憲論への批判が噴出。参院選で自民党は大敗し、首相は辞任に追い込まれた。
民意を無視した乱暴な国会運営は必ずしっぺ返しにあうのである。
法案の審議過程で露呈した政府・与党の危険な体質。威勢のいいことを言っていたみんなの党と日本維新の会の予想以上のだらしなさ。特にみんなの党の心ある議員はこの際、党を出たらどう? 今なら支持者も許すと思うけど。参院での論戦はまだ続く。いつまでもあると思うな支持と権力、である。
(※段落分け・太字化・赤字化はブログ管理人によります。)
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次は、その前日26日付朝刊の「発言」欄(読者の声欄)に載った、中学生の投稿です。
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「積極的平和 矛盾感じる」 中学生 大野祐真 (14歳)
積極的平和主義という言葉ほど矛盾を感じる表現はない。安倍晋三首相が最近よく口にするが、私はこの言葉を耳にする度に首をかしげる。積極的平和主義という名の下で他国に行って戦争の手伝いをする、もはや軍隊とも呼べる自衛隊を持つことが平和だろうか。
世界の風潮に従うことが必ずしも正義なのだろうか。私はそうは思わない。日本は平和だ。過去の戦争の悲しみなど簡単に忘れられるくらいに。現に、学校にも死ぬという言葉を簡単に口にする友達は多い。
そして、悲しみを忘れた日本人が、武力によって平和が生まれるのであり、その平和維持に参加しないのは卑怯だという考えを持つようになるのだろう。しかし、それは間違っている。
日本が戦争に参加しないのは戦争を傍観しているからではない。戦争のない国がいかに平和かを示しているのだ。私たちが憎むべき相手は他国や異民族ではなく、戦争そのものである。
(※太字化・赤字化はブログ管理人によります。)
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私はこの大野君の投稿に思わずうなり、大いに感動しました。14歳といえば、中学3年生か2年生でしょう。その彼が自分自身の言葉で、これだけの文字数内で端的に、安倍首相のふりかざすまやかし的言葉の矛盾をついているのです。そればかりか、日本人の現状や将来像を的確に認識し、平和についての本質をも明確についています。なんと賢く、勇敢で、立派な中学生でしょう。お見事!
一方、中学生にも看破されるまやかしでもって、ひたすら暴走する安倍首相。その首相が打ち出の小槌から振り出すように次々と並べる言葉の数々は、彼自身が創っているかどうか大いに怪しいものです。構想と概念担当はブレーンの方々、言葉化担当はシンクタンクのコピーライターさんでしょうか?
あからさまに自らに権力を集中させ、国民を愚弄し、なりふり構わず暴走する今の政権は、私にはもはや血の通った人間の姿とは映りません。壊れている...。どこをどう間違ったらあのような暴走ができるのか、不思議なくらいです。こうなったら、愚民の一人として、あの方がどこまでいかように暴走できるのか、壊れていくのか、しかと見届けたいと思います。大野君とあの方と、人間として本当はどちらが賢いのか、見届けたいと思います。そして、大野君のような国民が将来悲しむことが決してないように、日本を暴走政権から取り戻す方法を、頭を冷やして考えようと思います。
先週、平和学習のお手伝いに出向いた市内の小学校6年生と、給食を共にしました。お行儀のよい彼らに、将来何になりたいか訊いてみました。すると...
A君:(首をひねって)う~~~~ん...???
B君:(やはり首をひねって)う~~~~ん...???
C君:僕は、とにかく勉強していい大学に入って、いい会社に就職したいです。それから、調理師の免許は取っておきたい...。
Dさん:私は、普通の暮らしができればいいです。で、やっぱり調理師免許は取りたいかな。
たった4名の彼らを全国の小6生の縮図と見ることはできませんし、彼らがどこまで本音で語っているかもわかりませんが、それにしても......。皆さんはどう感じましたか?
あ~ぁ...この法案が参院をも通り、施行されたら...こんな文章をブログに書けなくなるんでしょうかね?? そうなんでしょうね。今、こうして載せることも危険??? くわばら、くわばら.........。