「永遠の武士道」研究所所長 多久善郎ブログ

著書『先哲に学ぶ行動哲学』『永遠の武士道』『維新のこころ』並びに武士道、陽明学、明治維新史、人物論及び最近の論策を紹介。

マラッカ海峡の海賊

2007-11-02 10:40:06 | 日々の出会い・感動
10月31日には呉で日本会議呉支部の準備会が開催された。来年3月15日に設立予定で準備が進められている。軍港呉だけあって、参加者の中には海運業の方や元キャプテン(船長)で中古船舶の海外への売買をされている方なども居られた。

会議で、インド洋の海上自衛隊の活動停止問題が話題となり、日本の国会議員がインド洋で活動している11カ国の大使から呼ばれて説得を受けた事が話題となり、「日本の国会議員の質の低さを示すものであり、今日一日情けなかった」と憤慨されていた。又、ソマリア沖で日本タンカーが海賊によって捕獲され行方不明になっている事をマスコミが全然取り上げない事に皆さん憤られていた。

『NATIONAL GEOGRAPHIC日本版』の10月号には「マラッカ海峡の海賊」が特集されていたが、海賊事件の報告数は、02年43件、03年79件、04年68件、05年31件、06年26件、07年(6月迄)11件という。04年の大津波の直後はこの海域に軍艦が集まったために減り、05年にインドネシアが国際的な圧力を受けてスマトラ沿岸の警備を強化したので更に減った。

だが、インドネシアとマレーシア政府は警備強化の為の資金援助を外国政府に求めており、インドネシア海軍は資金不足に悩んでおり、資金援助無しには現在のレベル維持さえ難しいという。新聞で読んだが、インドネシア政府は海賊取締りの為の高速ボートの提供を日本政府に求めたが、「武器輸出3原則」に違反するとして日本政府は断ったという。一体、どこの船がマラッカ海峡にお世話になっているのか。

1年間にマラッカ海峡を通過する商船はおよそ7万隻に及び、世界の海上輸送物の5分の1、原油輸送量の3分の1がこの海峡を通過している。中東から日本への石油は全てこの海峡のお世話になっているのだ。

現代の海賊には、船に乗り込んで貨物を襲うギャング組織、船そのものを乗っ取る多国籍の犯罪組織、船員を誘拐して身代金を要求するゲリラグループの3種類あるという。海賊を生業となすもの達が海峡周辺に無数に居り、失業中の船員の中には海賊から誘われる者が多く居るという。

実は、船の略奪事件の75%には、乗組員がからんでいて、船長がかかわっているケースもあるという。携帯電話で海賊と連絡をとって位置を打ち合わせて、犯罪をやすやすと成功させているそうだ。

日本に石油を運ぶタンカーは、パナマなど外国船籍を持つものが多く(税金の関係)、乗組員もフィリッピン人や中国人などを雇っている。その為、日本の海上自衛隊や海上保安庁は保護しないという。その一方、船の安全が確保されない為に、船舶保険料が高く、それがガソリン代の高値につながっている。

日本の生存の為のシーレーン確保、その為にもインド洋の多国籍海軍参加の積極的な意義を訴えるべきであろう。

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