タクマと言う三十代男がいた。
この男は、
夜のバスの車内で、
高級スーツケースが置き忘れていることを見付けて、
運転手さんに届けることなく、
かっぱらった😁
タクマは、
バスから降りるや否や、
スーツケースを開けて、
中身を見て、
Wow😳
小さなビニールに、
白い粉が真空詰めされている！
しかも大量に。
タクマは、
とある暴力団事務所へと向かった。
満面の笑みを浮かべて😄
その夜遅く、
バスの停留所に、
初老の男が訪ねて来て、
スーツケースの落とし物報告をした。
どうしても見付けてほしいと懇願するので、
中身を尋ねたら、
試作品のメリケン粉の真空パック詰めやと言う。
翌日、
救急病棟の一室で、
体中、包帯巻かれた、タクマを、
警察が囲んで質問していた。
「あなたのその怪我の事でお聞きしたいんですが。昨日の晩、何があったんですか？暴力団関係の車から放り出されたところを目撃された方がおられるんですけど」
タクマは答えた。
「はぁ---記憶にございません。また、そのような事実は一切ございません」
警察官は、
「では、そのお怪我は？」
タクマは、
「記憶にございません」。
ケイジロウ、
この珍妙な堂々巡りは、
三十分近くも続けられたらしい。
でも、
とぼけ逃げせんと、
バスの車内の忘れ物かっぱらって、
そのまま暴力団事務所に行って、
ヤクザに叩かれたとか、
正直に答えたら、
救急病棟は、
タクマの第二の故郷になることやろう。