
(画像はただのイメージです)
俺の子供時代の思い出。
母方の親戚が、
長崎県に属した、
ウリ半島から二番目に近いところの島やったので、
滅多に行くことはなかった。
(JRからタクシー乗って船乗って、またタクシー乗って------旅費だけで懐が寂しくなる)
が、
行けば、
豊富な山海の食い物があった。
ここの島おこしを画策していた村長さんは、
とある、
現地の人が、
薬風呂と呼ぶ温泉を大宣伝しようと思いたった。
なんでも、
深い切り傷もここに浸かればすぐに治り、
マムシに噛まれても、
この湯に浸かれば治るという。
そしてそれは、
現地の人たちによれば、
言い伝えという名の真実やった。
ある日、
村長さん自身が、
この薬風呂をPRするいうから、
俺らも集まった。
凄まじく暑い日やった。
PR用のVTR撮ってた村長さんの足元に、
近くの藪からマムシが出てきた。
俺らは心臓急停止🙀やった。
なのに、
村長さんは笑顔でたじろぐことなく、
マムシを掴んだので、
あんじょう噛まれた🙀🙀
けど、
村長さんはにこやかに、
「だからこそ、ここに、薬風呂があるんです」言うて、
病院行かずに、
薬風呂なる温泉に入っていった。
堂々とした足取りで。
集まってた俺らは、
感動もんやった🥺💯
翌日、
村長さんのお通夜が営まれた。
俺も参列させられた。
あんなににこやかにマムシを掴んだおいさんが、
こんなことになろうとは------😦❓
嗚咽と読経混じる式場で、
俺は、
生まれて初めて、
人の死を体験した。
外には、
猛暑日の記憶を飛ばす風が吹いていた。
やがてこの風は初嵐をもたらし秋の到来を告げ、
そして、
木枯しに変わり、
冬をもたらすことやろう。
暑い夏の記憶は、
夢の彼方へと追いやられる。
ケイジロウ。
人の運不運も、
風が変わるごとく変化する。
四季は流れ、
そのたびに、
子供は大人に、
大人は年寄りになっていく。
記憶だけは鮮明に残り、
今のこのときに語りかける。
それにしてもケイジロウ、
あの、
薬風呂はナンやったのか🤔❓
役に立とうと薬の効能温泉入って厄もらって、
火葬で焼く身と成り果てた村長さんの、
あの一連の思い出は、
暑い夏の記憶とともに仕舞いつつも、
時々、
考える🤔🤔🤔