己の美学を貫く、孤高の泥棒「黒澤」。
その日も、いつもと同じように部屋の中を物色しているところ、
突然戻ってきた家の住人と思しき男とバッタリ鉢合わせをしてしまう。
道を見失い、神に救いを求める青年「河原崎」。
その日も、いつもと同じように教団が経営する施設で動物の世話をしているところ、突然教団の幹部から車の運転を依頼される。
到着した先のマンションには、憧れの教祖・高橋の想像もしなかった姿が……。
不倫相手と、邪な計画を進めるカウンセラー「京子」。
その日、ついにお互いの伴侶の殺害を決意して、行動に出るものの
車で走行中に見も知らぬ男を轢き殺すという想定外の事態に陥ってしまう。
仕事も家族も失い、街をさまようサラリーマン「豊田」。
その日も、いつもと同じように駅前をふらついているところ、コインロッカーの鍵を咥える犬と遭遇する。
ロッカーの中から拳銃を発見したことがキッカケで、自分をリストラした男への復讐を決意する。
4つの人生が交錯するとき、生涯でたった一度きりの「特別な1日」が訪れる。
2009年12月から約2カ月ぶりに本を一冊読み終えることができた
図書館で年末から何冊か本は借りたのだけど・・・どの本も10ページも読み進められなかった
テレビが気になり、ブログが気になり、花ちゃんや猫ちゃんが気になり・・・重症の集中力欠乏症に陥っていた玉茶丸・・・
2010年初!念願の完読~~スランプ脱出はやっぱり!!伊坂幸太郎さんの作品でした~~
別々の4人の人生が訥々と始まり、何の共通点もないのに・・・やがて同じ場所にたどり着く日がくる・・・
とても読みやすくて飽きさせることがないストーリー展開は伊坂さんのセンスの良さのなせる技~~
映画にもなっていて、私の大好きな堺雅人さんが泥棒役の黒澤を演じている・・・素敵だ
ラッシュ=濃厚で密集した人生から少し離れてひとりぽつねんと、世界全体をとらえようとする余裕がほしいな・・・
手放してはいけないもの・・・絶対に譲ってはならないこと・・・
今、人間の心の垣根が崩れている、金に踊らされている、そんなことでいいのか?
一度きりの自分が主導権を握った人生を航海しているんだぞ!そんな風刺が楽しく描かれていて~~
爽快感の残るいい小説でしたね・・・