丹 善人の世界

きわめて個人的な思い出話や、家族知人には見せられない内容を書いていこうと思っています。

貸本屋

2009年02月23日 | 個人史
昔「貸本屋」というお店があった。
今ならレンタルCDショップなどもあるけれど、貸本屋がそういうのと大きく違っていたのは、一般書店では並んでいない、貸本屋だけでしか読めない漫画本があったこと。

いろいろな風物史を扱った本に寄れば、貸本屋文化は関西で大きく花開いたと言うことだ。そういえば地域名など関西固有の地名がよく使われていた。
会員登録制で基本は丸一日1冊借りて10円という安価。兄が会員になっていたのでよくお流れで読んでいた。今でも覚えているのが「K.ミズモト」という常連の漫画家がいて、彼の描くタッチやストーリーは面白かった。忍者物やギャング漫画(ギャグではない)が多かったが、拳銃を派手にぶっぱなすストーリーが主体ではあった。

兄についてよくその貸本屋に通ったのでお店の人とは顔見知りだったこともあって、1回だけ自分だけで本を借りたこともあった。全財産が10円しかなかった時で、翌日の昼に返さないといけないのにぎりぎりの時間になってあわてて返しに行った思い出がある。
戦国時代を扱ったお城乗っ取りの時代劇で、忘れられないセリフが、「青葉城を枯葉城にしてしまえ!」という敵方のかけ声があってなつかしい。

最近ではときたま復刻版が出たりもしているが、あの懐かしさは戻ってこない。マニアでは超レアものとして、一般庶民ではとうてい手が届かない金額で売買されているようだ。