昨年末以来の大腸ポリープ騒ぎが、今日の検査結果でようやく一段楽した。
今回は無事放免でありがたい限り。
内視鏡手術後、コーヒーと炭酸と刺激物を封じられていたが、今日の受診で解禁れ、お祝いも兼ねて病院の横のちょっとリッチなコーヒー屋さんへ。
外から見ると、店内は漆喰らしき白壁にダークブラウンのウッディな作り、カウンター越しに素敵なカップが並んでて、テーブルの上の銅製のトレーとシュガーポットがきらきらしてて、看板はこだわりの炭火焙煎、よしよしコーヒー解禁記念にはちょうどいいと中に入ったが、でもなんだか、あれ?おかしいぞ。
カウンターでは赤いベストをきた年配の女性がナンプレか何かをやっていて、私を見て、
「……いらっしゃい」
と、のっしりと腰を上げた。
「あ、どうも」
と、窓際の席に腰を下ろすと、日当たりのいい窓辺にこれでもかと植木鉢が置いてある。席の下には、なんでこの店でこのチョイス?という、パステルカラーのソフトプラスチックの手荷物入れが。
これが店内の全ての座席の下に、それぞれ違う色で置かれていて、落ち着いた木目の床に面白いくらいにミスマッチ。
気を取り直してコーヒーのメニューをみれば、なんとブレンドが700円!高!
でもまあしかたない、注文すると、小皿に乗った一口サイズの水羊羹とグレープフルーツのゼリーが供された。
いや、水羊羹はまだしも、グレープフルーツはコーヒーに合わねーだろ?
そして店内に突如、いかにも昭和のタンゴが鳴り出した。開店直後だったため、かけ忘れていたらしい。
でもまあ、コーヒーが美味しければいいや、と久しぶりの一杯を楽しみにして、これは素敵なカップに入ってきたやつを感無量で飲むと、
「……」
香りがない、味が薄い。
ってか、付いてきたクリーム、スジャータだよ?
しかも食べ終えたゼリーの小皿をよくみれば、カブの絵柄の、どう見たってお惣菜用のやつで、えー?と思って店内を見回すと、なんかもうよくわからないお土産品やら、適当な額に入れた写真やら、絵やら花瓶やら、極め付けはどうやらお孫ちゃんのお宮参りから七五三の写真まで。
これはきっと、この女性の旦那さんが始めたこだわりのお店を、何かの事情で彼女がついで、好きなようにいじったに違いない。
もう、いっそ清々しい。
なんか人生のなにかを学んだ気がする。
でも、ちゃんとコーヒー飲みたいから後でスタバいこ。
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