ゴールデンウィークに、ぽんぽんが帰ってきた。
玄関を入ってすぐに、おむつをはいて徘徊する(甲状腺の病気で過活動気味なので、ゲージから出すとずっと歩いている)くぅちゃんと遭遇。
「あ、猫がおる」
くぅちゃんはあんまり見えていないらしく、
「人型……」
くらいの認識で、チラ見して通り過ぎていく。
ぽんぽんは猫好きだけど、
「きゃー、猫だ!」
というキャラでもないので、ごく静かな対面からの、ごく静かな間合いで過ごすこと3日。
「くぅちゃんは、どうも猫トイレの縁がまたげないらしいんだわ」
と私がいうと、
「んじゃ、スロープを設置してやるか」
と、ぽんぽんがダンボールを解体して工作を始めた。
私は、明日帰るぽんぽんにクッキーを持たせてやろうと思って、台所でピーナッツバタークッキーと、くるみのクッキーを焼いた。
台所から床に胡座で座り込んで、チョキチョキと鋏を動かす二十歳の娘を見つつ、そういや、前の猫にも、ぽんぽんはしょっちゅう猫ハウスを作ってたなあと懐かしい気持ちになった。
午前中にはおばあちゃんと三人でお大師様にお参りに行って、ボタンを見てきたし、なんとも長閑なゴールデンウィークで、本当にありがたいことだとしみじみしていたら、くぅちゃんがよろよろとやってきて、ぽんぽんが解体しているダンボールの上に、のしっと乗った。
「おい、どけや」
と、ぽんぽんにおいはらわれる。
しかしめげる気配はなく、こんどはハサミに顔を近づける。
「あぶないってばよ!」
と、ぽんぽんと工作グッズをめぐる攻防がはじまり、ついにぽんぽんがうれしそうに、
「母さん、こいつ、猫だよ!」
……そうだってばよ。
やっと実感が湧いたかい。
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