未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

最高級畳床【丹波裏稲ワラ畳床】(たんばうらいなわら畳床)祭り。

2008年08月19日 23時59分11秒 | 有職畳 特殊材料 祭り

今宵もブログな一時。宜しくお願い致します。

連日の材料のご紹介にあたりまして、日々仕事をする中で、めったに出会う事のない

畳達と触れ合える事に、感謝の気持ちで一杯です。広く多くの皆様方に、色々な材料・畳を

お伝えしたく、ブログを綴ります。若輩者で、余りに無知な見識も多々ありますが。自分なりの

感じた事や、思いをお伝え出来ればと思います。

そんな本日は、今回畳のお仕事をさせて頂いている

お寺様に現在使用されている畳床のご紹介です。

今回のお仕事は、多種多様、色々なケース(新畳入れ替え・表替え・裏返し・ジロ替え)

のお仕事をさせて頂いていますが、今回ご紹介する畳床には深い繋がりが存在致します。

遡る事、数十年前。三代目師匠であらせられます大将が、このお寺の新築時に総数

数百枚にもなります新畳を御納入されました。よって材料や工法など、京都の趣きで

染まっています。現在は、当社金井畳店が、引き継いでいますが、材料、工法、なんら変わり無く

現在に至っています。普段、関東地方にいる当社にとって、珍しい材料などにも巡り合い

畳職人として光栄の至りですし、とっても勉強になります。沢山の材料や美しい畳達

と出会えて、感謝の気持ちで一杯です。そんな材料の中の、素晴らしいお素材のご紹介。

最高級畳床【丹波裏稲ワラ畳床】(たんばうらいなわら畳床)

 

 

京都の丹波地方でとれたイグサを畳床の下(床と触れ合う部分)に

敷き詰め、畳床を製作しています。

 

「稲ワラ床」は、約40cmの厚さに層になるように縦横に積んだ乾燥したワラを

機械で約5cmに圧縮して縫い上げたものです。配列層を多くし、

縫い目間隔が細かくしたものほど高級品です。

その中でも、裏にシュロを編んだものやゴザ(丹波裏)を使ったものが

最高級とされています。ワラ床の特長は、力強い弾力性と

優れた耐久性を備え、心地よい足触りと快適な気分を与えてくれることです。

上記説明の通り、稲ワラ畳床の部類の中では、最上級に位置され、その趣きや風合い等

素晴らしい存在感です。滋賀県の畳床屋様が製作し、特徴としては(自主的見解も含みます)

京都丹波地方でとれたいぐさを使用することによって、より畳床としての調湿機能を高める

役割をを持つと考えます。畳床としての機能を考えた時に、より自然に近い状態で

お部屋と向き合えるのではないでしょうか?そしてこの関西地方で作られた畳床には

いくつかの特徴も見られます。細かい説明は、難しいので、簡略的にご説明致しますと

関東地方の畳床とは若干構造が違うようです。専門的に申しますと(キリワラ)が

ほとんど存在しないため、非常に畳針を通した時、縫い易いです。しかもこの畳床は

製作者の限りない、力を感じ、ほとんど、段差がありません。手に触れて幸せを感じた

畳床でした。この畳床がほとんどのお部屋に入っています。全て檜の板が畳の角の

部分に縫い付けてあり、一枚一枚、縫って止める作業の他に、畳のひずみや、細部にわたる

微調節を繰り返します。畳は限りなく長方形に近い方が望ましいと考えますが、この畳床

には、そんな希望や夢を持たせてくれるお素材だと感じます。(自主的見解でのご紹介でした。)

 

P.S

畳床に畳の場所を位置する裏書ともいえるものがあります。この裏書によってその畳の

場所を把握し、敷き込むときの目安になりますが、京都(現在は違うかもしれません)

大将のお店では、この裏書が関東地方と書き方が逆になります。畳の框の部分に

その畳の場所を書くケースも多いです。同じ日本の中で、色々な工法、知識などがあります。

とっても勉強になります。