世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【ふじもん世界放浪「放学記」第4章中東編 『信じる』が故に・・・。】

2013-11-05 00:35:37 | 日記
2013年11月3日。

《信じることは大切だと思う。でも、「信じすぎること」は、また恐怖だとも思う。僕はイスラム教圏の人たちと話をしていると、たまにそんな思いになる。それはイスラム教そのものを否定しているのではないので、誤解をしないでほしい。考え方として、「100%の信念」もまた、弊害なのではないかと思うのだ。》

僕はイスラム圏が好きだ。イスラム文化独特の雰囲気、人懐っこい人たち、日ごと流れるコーラン・・・。僕は何故か、この世界にいることは嫌いじゃない。

でも、イスラム教徒の人たちと話していると、たまに少しだけ怖くなるときがある。

それは、「強すぎる信念」。

決して誤解しないでほしいのは、イスラム教そのものを否定しているのでは断じてない。僕が言いたいのは、考え方についての考察なのだ。


ヨルダンの首都・アンマン市内にあるパレスチナ難民キャンプで、僕はある一人のパレスチナ人と話をしていた。彼は難民キャンプ内にある学校の関係者で、敬虔なイスラム教徒である。


彼は僕に聞いた。「あなたはどの宗教を信じているの?」

僕は答えた。「日本には、神道という日本古来の宗教がある。それほど強くはないが、僕はそれを信じている。」と。

彼は聞く。「なんでイスラム教じゃないんだ?」

僕は・・・どのように答えるべきか少し考えて、答える。「イスラム教は日本には馴染みのない宗教で、僕にとっては縁の遠いものだった。だから、信じるきっかけはなかったんだ・」

彼は聞く。「イスラム教の教えは読んだことはあるのか?」

僕はまた、少し考えて答える。「えと、簡単な教義だけなら少し知っています。」

彼は聞く。「なぜ読まないんだ?」

僕は・・・なんとか答える。「日本人には、なかなかイスラム教に触れる機会はないんだ。」

彼は言う。「イスラム教の経典を読みなさい。そこにはあなたが人生においてどのようにあるべきかが明確に書かれている。素晴らしいものなんだ。あなたはイスラムの教えを知らない。だから信じていない。あなたはこの素晴らしいイスラム教の経典をまず全て読むべきだ。」


僕は少しの違和感とわずかな恐怖を感じた。

信じることは素晴らしい、信念を持つことは素晴らしい。

だが、それが行き過ぎると、他の価値観や感覚を受け入れられなくなる気が僕にはするのだ。

繰り返すが、イスラム教を否定しているのではない。

だが、強く信じるが故の弊害もまた、存在するのではないか。


色々な価値観があっていいはずだ。

宗教だって、色々あっていいはずだ。

私はイスラムの神を信じ、あなたはキリストの神を信じ、彼は宿りゆく精霊を信じ・・・それでもいいはずだ。

宗教対立による絶望的な戦争を、人類は何度も経験してきた。現に今でも、その対立は存在する。



色々ある。だからいい。

人間は、世界は、地球は、別に一色じゃなくていい。


僕は、日本的な価値観がそこに与える影響は大きいと思う。

八百万の神の国。

木にも川にも海にも山にも、精霊が宿る国。


いいじゃないか、みんな神様だ。違いがあっていいじゃないか

海外のものにこだわる反面、何でも取り入れてしまう日本人。

クリスマスを祝い、正月を楽しみ、結婚式は教会で行い、お葬式はお寺で行う。

よく考えてみたら、奇妙極まりないことを普通にやってのけている国、日本。

でも、それは素晴らしいことなのかもしれない。

良いものは良い。色々あって良い。


何度も繰り返すが、イスラムの教義そのものを否定しているのではない。

彼が言う通り、素晴らしいもののはずだ。

だが同様に、キリスト教だって仏教だって神道だって、きっと素晴らしい。

みんな素晴らしい。

じゃあ、いいじゃない。色々あって。

そんな考え方が、そんな心の幅が、そんなゆとりが、これからの世界には必要なんじゃないかな。



自分を信じ、自分を認める。

他人を理解し、他人を認める。

そして、世界平和への第一歩となる。


そうは言っても、僕はイスラム教徒が大好きだ。

優しくて人懐っこくて・・・。

カメラを向けると、「俺を撮れ!」と、わざわざ教えてくれる。そんな人たち、世界中でここにしかいない。


旅は、そんな心の幅とゆとりを広げてくれる。

「色々あるんだな」それを知るだけで、世界は変わる。

もっともっと「色々」感じて、僕は幅を広げなければならない。

旅はやっぱり「偉大な教科書」だな。

2013年11月4日。相変わらず南京虫の騒ぎが収まらない、アンマン市内の安宿にて。