2013年11月6日。
《先日訪れたパレスチナ難民キャンプ「ワヒダット・キャンプ」。ここには、1人の日本人が教育改善のために尽力しているのだ。彼女の名は小林英里佳先生、通称「えりか先生」。彼女の勤務校を見させていただき、またお話をさせていただき、多くのことを僕は考えさせられた。》
ヨルダンの首都・アンマン市内にあるパレスチナ難民キャンプ「ワヒダット・キャンプ」。先日僕は、このキャンプを訪れた。
行き当たりばったりからチャンスを掴むのがふじもん流(笑)。ってわけではないが、僕の武器はとにかく行動あるのみ!ワヒダット・キャンプでも、ただ難民キャンプの様子をみるだけじゃ勿体ないと、何かチャンスはないかと探っていた。
キャンプの中を歩いていると、ふと見つけたのが学校。「お、これはチャンス!」とばかりに、早速中に入らせていただいた。
僕が最初に訪れたのは男子校。パレスチナ難民キャンプの学校は男女別学にキッチリ分けられているのだ。この学校でのことについてはvol.1で詳しく書かせていただいたので、よろしければご覧になって下さい~!
男子校を見た僕は、単純に思った。「女子校はどんな様子なんだろう・・・?」よし、となれば女子校に行ってみよう!通り沿いに学校が並んであると聞いたので、どこかに女子校があるはずだ!
ほどなくして「girl's school」の看板を発見。「よし、中に入ってみよう!」男子校の時と同じく、早速中に入らせていただいた。
すると、男子校とは別の現象が・・・。男子校ではうざったいほどに子ども達が絡んできたのだが、女子はそういうことはなく、チラッと近くには来るものの、サッとまた去っていく。いかにも「女の子」って感じがして可愛いものだ。
そして男子校と違ったのは、その場にいた先生が「学校を見学するなら、一度校長室に行って許可を取って来て下さい。」と言ってきたこと。男子校では有無を言わさず校長室に連れていかれ、これでもかというくらいもてなしてくれたのだが。いや、それが変なのだ(笑)。普通に考えたら「まず校長室に行って下さい。」って当たり前ですよね。
ちなみに女子校では、写真撮影も禁止されてしまった。これはちょっと残念だったのだが、仕方ない・・・。
そして校長室に行くと、「日本人がいるから、その方に学校を案内してもらうわね。」とのこと。
ん?日本人がここに?何かの聞き間違いか?と僕は一瞬思ったのだが・・・。
なんと、そこには日本人がいたのだ。彼女の名は小林英里佳先生、通称「えりか先生」。美術の教師としてJICAからヨルダンに派遣されて、この難民キャンプで働いているというのだ。
ちなみにせっかくご一緒させていただいたのに写真を撮り忘れてしまったのが本当に心残り・・・。また来週会う予定なので、そのときしっかり撮ってきます!(笑)
このえりか先生は、本当にワヒダット・キャンプのために力を尽くしている。お話をお伺いしていて、僕は強く感じた。「何とか良くしたい」という想いに溢れていたのだ。僕はその想いに心を打たれた。
僕も学校教育の世界に長らくいた人間なので、彼女の話は他人ごとではなく感じた。そして、彼女の感じているワヒダット・キャンプの学校の問題点は、僕にはとても共感できると共に、とても驚きでもあった。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール①:ゴミがハンパねぇ。
ハンパねぇんです、本当に!すっごいゴミなんです!マジであのゴミの量を生で見てほしいです。って言うくらいすごかった。これまで色々な学校を世界各地で見てきたけど、間違いなくゴミの量はここが一番だった・・・。
ちなみにえりか先生が「なんでこんなにゴミが多いんだろう?」と子ども達に聞いたら、「誰も拾わないから」と返ってきたそうです。いや、そうじゃなくて、捨ててるのは誰なの?ってとこなんですよね・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール②:できねぇ奴はさよーなら。
できなければ何とか先生が対応し、放課後教えたり・・・などということは全くないそうです。できなければ席を後ろに回され、無視される。叩かれたり立たされたりするのは当たり前で、「出来ない子を救おう」という考えはないそうなんですね。
ちなみに男子校では、理由はよく分かりませんが先生が子どもの顔面に蹴りをくれてました。これにはさすがの僕もビビった!「おいおい、今顔蹴ったぞ・・・!」と、言葉も出なかった・・・!
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール③:時間の概念一切なーし。
この学校では、なんと1~6時間目までの授業がぶっ通しで行われるそうです。休み時間もなし。いったいいつトイレに行ったりするんだろう。先生の教室移動の時間だってあるのに・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール④:教室がどこだか分からねぇ。
これ、日本では信じられません。教室がどこだか決まっていないそうなんです。だからちょっと遅れてしまった子ども達は、1つ1つの教室を覗いて場所を確認していくんです。だから教室で授業を見ていると、次から次へと色んな子どもがドアを開けて教室を見に来るんですね。こんなこと、日本じゃ有り得ません・・・!
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール⑤:出席チェックは子どもの仕事?
なんと!各教室の出席チェックは、授業中に子どもが行うそうです。だからその子どもは授業には出られなくなるんです。時には先生方の昼食の注文まで聞いているそうなんですね、しかも授業中に!ちょっと日本では考えられません・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール⑥:体育はおやつタイム?
体育の時間は全然まともに授業がないそうで、子ども達は遊びほうけているそうです。おかしを食べたりおしゃべりしたり・・・。廊下に座っている子どもに「何しているの?」と聞くと、「大丈夫、今体育だから」と返って来るそうです。う~ん、これもいったいどうなっているんだ・・・?
などなど、日本の学校の常識から言うと信じがたい問題がたくさんあるというのだ。もちろん日本の学校システムが全て正しくてベストだなんて夢にも思っていないが、僕が学校を歩いて見ていても「ちょっとこれはいいのかな・・・」ということはたくさんあった。
難民キャンプという苦しい状況の中での学校である。設備面などの問題もあるであろう。しかし、えりか先生はもちろん、パッと見の僕にさえも、「これは何とかしないとな・・・」と感じずにはいられなかった。
えりか先生は力強く語ってくれた。「世界を変えるものは、行政と教育だと思うんです。」と。
これには僕も全く同感だ。教育が人を育て、人が国家を育てる。良い人材なくして良い国など有り得ない。
そしてえりか先生は次のように語ってくれた。
「私たちの目からすると、何とかしなくちゃいけないことが多すぎるんです。でも、1つ1つをたった2年間で変えていくの限界がある。私がまずもってやりたいことは、先生方の意識改革なんです。」
これと全く同じ意見を、パナマの現地校で働くJICAの隊員も言っていた。全く同じだった。先生方の意識はダイレクトに子どもに届く。先生方の良し悪しは、全て子どもに影響する。このことは、国が変わっても何も変わらない。
「草の根の活動から大きなものを変えていく。」時間はかかるけれど、最も大切な方法だと僕は思う。「草の根の活動に私は道を感じている」というえりか先生の言葉には、とても重みがあった。そして頼もしさを感じた。
えりか先生のブログはこちらなので、ぜひご覧になって下さい!
http://s.ameblo.jp/iamerica0828/
僕のできる活動とは何なのか。僕は教育で何をしていきたいのか。大まかなことは頭にまとまっている。しかし、本当の目標とは・・・?
学校を後にし、僕は1人考えていた。
2013年11月6日。エルサレムではちょっと有名な、摩訶不思議な安宿にて。
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《先日訪れたパレスチナ難民キャンプ「ワヒダット・キャンプ」。ここには、1人の日本人が教育改善のために尽力しているのだ。彼女の名は小林英里佳先生、通称「えりか先生」。彼女の勤務校を見させていただき、またお話をさせていただき、多くのことを僕は考えさせられた。》
ヨルダンの首都・アンマン市内にあるパレスチナ難民キャンプ「ワヒダット・キャンプ」。先日僕は、このキャンプを訪れた。
行き当たりばったりからチャンスを掴むのがふじもん流(笑)。ってわけではないが、僕の武器はとにかく行動あるのみ!ワヒダット・キャンプでも、ただ難民キャンプの様子をみるだけじゃ勿体ないと、何かチャンスはないかと探っていた。
キャンプの中を歩いていると、ふと見つけたのが学校。「お、これはチャンス!」とばかりに、早速中に入らせていただいた。
僕が最初に訪れたのは男子校。パレスチナ難民キャンプの学校は男女別学にキッチリ分けられているのだ。この学校でのことについてはvol.1で詳しく書かせていただいたので、よろしければご覧になって下さい~!
男子校を見た僕は、単純に思った。「女子校はどんな様子なんだろう・・・?」よし、となれば女子校に行ってみよう!通り沿いに学校が並んであると聞いたので、どこかに女子校があるはずだ!
ほどなくして「girl's school」の看板を発見。「よし、中に入ってみよう!」男子校の時と同じく、早速中に入らせていただいた。
すると、男子校とは別の現象が・・・。男子校ではうざったいほどに子ども達が絡んできたのだが、女子はそういうことはなく、チラッと近くには来るものの、サッとまた去っていく。いかにも「女の子」って感じがして可愛いものだ。
そして男子校と違ったのは、その場にいた先生が「学校を見学するなら、一度校長室に行って許可を取って来て下さい。」と言ってきたこと。男子校では有無を言わさず校長室に連れていかれ、これでもかというくらいもてなしてくれたのだが。いや、それが変なのだ(笑)。普通に考えたら「まず校長室に行って下さい。」って当たり前ですよね。
ちなみに女子校では、写真撮影も禁止されてしまった。これはちょっと残念だったのだが、仕方ない・・・。
そして校長室に行くと、「日本人がいるから、その方に学校を案内してもらうわね。」とのこと。
ん?日本人がここに?何かの聞き間違いか?と僕は一瞬思ったのだが・・・。
なんと、そこには日本人がいたのだ。彼女の名は小林英里佳先生、通称「えりか先生」。美術の教師としてJICAからヨルダンに派遣されて、この難民キャンプで働いているというのだ。
ちなみにせっかくご一緒させていただいたのに写真を撮り忘れてしまったのが本当に心残り・・・。また来週会う予定なので、そのときしっかり撮ってきます!(笑)
このえりか先生は、本当にワヒダット・キャンプのために力を尽くしている。お話をお伺いしていて、僕は強く感じた。「何とか良くしたい」という想いに溢れていたのだ。僕はその想いに心を打たれた。
僕も学校教育の世界に長らくいた人間なので、彼女の話は他人ごとではなく感じた。そして、彼女の感じているワヒダット・キャンプの学校の問題点は、僕にはとても共感できると共に、とても驚きでもあった。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール①:ゴミがハンパねぇ。
ハンパねぇんです、本当に!すっごいゴミなんです!マジであのゴミの量を生で見てほしいです。って言うくらいすごかった。これまで色々な学校を世界各地で見てきたけど、間違いなくゴミの量はここが一番だった・・・。
ちなみにえりか先生が「なんでこんなにゴミが多いんだろう?」と子ども達に聞いたら、「誰も拾わないから」と返ってきたそうです。いや、そうじゃなくて、捨ててるのは誰なの?ってとこなんですよね・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール②:できねぇ奴はさよーなら。
できなければ何とか先生が対応し、放課後教えたり・・・などということは全くないそうです。できなければ席を後ろに回され、無視される。叩かれたり立たされたりするのは当たり前で、「出来ない子を救おう」という考えはないそうなんですね。
ちなみに男子校では、理由はよく分かりませんが先生が子どもの顔面に蹴りをくれてました。これにはさすがの僕もビビった!「おいおい、今顔蹴ったぞ・・・!」と、言葉も出なかった・・・!
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール③:時間の概念一切なーし。
この学校では、なんと1~6時間目までの授業がぶっ通しで行われるそうです。休み時間もなし。いったいいつトイレに行ったりするんだろう。先生の教室移動の時間だってあるのに・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール④:教室がどこだか分からねぇ。
これ、日本では信じられません。教室がどこだか決まっていないそうなんです。だからちょっと遅れてしまった子ども達は、1つ1つの教室を覗いて場所を確認していくんです。だから教室で授業を見ていると、次から次へと色んな子どもがドアを開けて教室を見に来るんですね。こんなこと、日本じゃ有り得ません・・・!
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール⑤:出席チェックは子どもの仕事?
なんと!各教室の出席チェックは、授業中に子どもが行うそうです。だからその子どもは授業には出られなくなるんです。時には先生方の昼食の注文まで聞いているそうなんですね、しかも授業中に!ちょっと日本では考えられません・・・。
ココがヘンだよ、ワヒダット・スクール⑥:体育はおやつタイム?
体育の時間は全然まともに授業がないそうで、子ども達は遊びほうけているそうです。おかしを食べたりおしゃべりしたり・・・。廊下に座っている子どもに「何しているの?」と聞くと、「大丈夫、今体育だから」と返って来るそうです。う~ん、これもいったいどうなっているんだ・・・?
などなど、日本の学校の常識から言うと信じがたい問題がたくさんあるというのだ。もちろん日本の学校システムが全て正しくてベストだなんて夢にも思っていないが、僕が学校を歩いて見ていても「ちょっとこれはいいのかな・・・」ということはたくさんあった。
難民キャンプという苦しい状況の中での学校である。設備面などの問題もあるであろう。しかし、えりか先生はもちろん、パッと見の僕にさえも、「これは何とかしないとな・・・」と感じずにはいられなかった。
えりか先生は力強く語ってくれた。「世界を変えるものは、行政と教育だと思うんです。」と。
これには僕も全く同感だ。教育が人を育て、人が国家を育てる。良い人材なくして良い国など有り得ない。
そしてえりか先生は次のように語ってくれた。
「私たちの目からすると、何とかしなくちゃいけないことが多すぎるんです。でも、1つ1つをたった2年間で変えていくの限界がある。私がまずもってやりたいことは、先生方の意識改革なんです。」
これと全く同じ意見を、パナマの現地校で働くJICAの隊員も言っていた。全く同じだった。先生方の意識はダイレクトに子どもに届く。先生方の良し悪しは、全て子どもに影響する。このことは、国が変わっても何も変わらない。
「草の根の活動から大きなものを変えていく。」時間はかかるけれど、最も大切な方法だと僕は思う。「草の根の活動に私は道を感じている」というえりか先生の言葉には、とても重みがあった。そして頼もしさを感じた。
えりか先生のブログはこちらなので、ぜひご覧になって下さい!
http://s.ameblo.jp/iamerica0828/
僕のできる活動とは何なのか。僕は教育で何をしていきたいのか。大まかなことは頭にまとまっている。しかし、本当の目標とは・・・?
学校を後にし、僕は1人考えていた。
2013年11月6日。エルサレムではちょっと有名な、摩訶不思議な安宿にて。
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