世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【ふじもん世界放浪「放学記」第5章アフリカ編 大好きなイスラムから「偉大なる問題集・世界」を問う!】

2014-03-06 19:05:11 | 日記
2014年3月6日。


《前から言っているように、僕はイスラム圏が大好きだ。何故なら、僕の前世はイスラム教徒だから(笑)。というのは冗談だが、何故かとっても居心地がいい。でも、ちょっとだけ悲しいこともある。そのことは全ての人類に共通する課題であり、僕自身の大きな課題でもある。》


アルジェリアとの国境に程近い砂漠の街、メルズーガ。土壁で造られた趣のある家々の合間をぬって歩いている時、何人かの子ども達がやってきた。


先ほど買ったお菓子やジュースを持って歩いている僕たちを見た彼らは、僕たちに「お菓子ちょうだい」とねだってきた。もちろんあげることはしないのだが、するとある1人の子どもが、なんと僕と一緒にいたもう1人の日本人に唾を吐きかけたというのだ。


スペインとの国境がまであと3時間程の小さな街、シャウエン。青と白で彩られた美しいこの街を、僕は1人歩いていた。


メディナ(旧市街)の中では所狭しと子ども達が遊びまわっている。僕はある場所で、サッカーをして遊んでいる子ども達に出会った。

「楽しそうでいいなぁ」と、微笑みながら彼らの横を通り過ぎた。しかしその後すぐのことだ。僕の後頭部にサッカーボールが飛んできて、僕の頭に直撃したのだ。

僕が振り返ると、子ども達はあっという間に走り去っていた。故意に当てたのだろう。子ども達も自分達が何をしているのかは、大よそ理解していると思われる。


このようなことは初めて経験することではない。ヨルダンやスーダンなどでも何度かあったことだ。しかしやっぱり、心が痛む。とても悲しい気持ちになる。


僕は思う。

1つ1つの事象は大したことではない。しかし、こういった「なんとなくの差別や偏見」って、ものすごく恐ろしいことだと思う。

以前にも述べたように、どうやらイスラム圏(概ねアラブ人)の中では、少なからずアジア人蔑視が存在しているようなのだ。しかし僕がここで問題にしたいのは、アラブ人の差別的意識の問題ではない。人間の心全体にはびこっている「差別的意識」についてなのだ。


僕の友人に唾を吐きかけた少年も、僕の頭にサッカーボールをぶつけた少年も、きっと日本人、もしくはアジア人から個人的に嫌な思いをさせられたことはないと思われる。でも、そういった行動に出てしまう。そこにある意識の背景が恐ろしいのだ。

極端な例だけど、もし自分の親が「○○人に殺されたんだ」となれば、その○○人に恨みの感情を抱くことだろう。それは人間として自然な感情だと思う。

しかしアラブ人が、ましてや子ども達がアジア人に対して抱く負の感情は、具体性があるものではない。「なんとなく」の感情なのだ。「なんとなく」なんだけど、アジア人を下に見ている。「なんとなく」なんだけど、バカにして見ている。ここが怖いのだ。

誤解しないでいただきたいのは、僕はたまたまアラブ人のことを例にあげているだけであるということだ。僕は全ての人間に、こういった具体性に欠ける「なんとなく」の負の感情が存在していると思う。


翻って日本人を眺めてみよう。本当に中立平等に「人」を見ることができていますか?全ての国の人を、全ての人種を、全ての民族を、同じ目線で眺められていますか?そこに色眼鏡は存在しませんか?

そんなことはないだろう。絶対に「色眼鏡」がそこには在るはずだ。


少なくとも、僕にはある。

旅をしながら常々思う。「人間なんてみんな同じ。同じ目線で分け隔てなく、人間を見ていこう」と。

でも、僕みたいな愚かで弱い人間には、それができないのだ。どうしてもどこかで「○○人は・・・」的な見方が残っている。


でもきっと、それは僕だけじゃないんじゃないかな。世界中の人々が、何らかの「なんとなく」に囚われていると僕は思う。

何が正義なのだろう。

つい100年前までは、他国を侵略し植民地化することは正義だった。差別や偏見など当然在るものだった。たった100年前の話だ。さらに当時は差別や偏見などじゃ済まない、略奪や虐殺までもが存在していた。それは人類の歴史から見れば「ついさっき」の話なのだ。

それに比べれば、人類は良い方向に向かっている・・・のかなぁ。でもあっちこっちで紛争は起こりまくりだし、今回僕も実際に紛争の影響で足止めされた国もある。やっぱり人類は何も変わっていないのかなぁ。


僕は以前から「世界は偉大なる教科書だ」と述べてきたのだが、訂正したいと思う。学校でもらう教科書には答えが書いてあるし、それを覚えればテストで点数は取れる。

でも「偉大なる教科書・世界」には、答えなどない。解決など到底不可能にも思える難解で複雑な問題がそこら中に書かれている。そのページ数もハンパではない。

だから僕は訂正して、これからはこう述べようと思う。「偉大なる問題集・世界」と。


モロッコの子ども達は、そんな問題集の1ページに書かれている問いを僕に投げかけてくれた。さて、果たして僕はいつになったらその「解答」を先生に提出することができるのか?今の僕には、まだまだ全くその目処が立たない・・・。


2014年3月6日。爽やかな日差しが燦々と差し込む、シャウエンのメディナにあるカフェにて。



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【ふじもん世界放浪「放学記」第5章アフリカ編 まさに同時多発○○!モロッコ長距離バスの悲劇!】

2014-03-06 00:46:56 | 日記
2014年3月4日。


《不謹慎なタイトルにしてしまいましたが、敢えてそうさせていただきました。それはまさに地獄絵図、漂う悪臭とうつむき苦しむ人々・・・。ワルザザードからメルズーガに向かうバスの中で起きた悲劇とは?》


1920年代にフランス軍によって建設されたオアシス都市、ワルザザード。そのワルザザードから次の目的地メルズーガに向かうため、僕はバスを待っていた。

バスの出発予定時刻は13時。少し遅れて13時20分ごろにバスは到着した。モロッコのバスはかなり時間に正確で、ほとんど予定通りに出発する。他のアフリカ諸国とは大きな違いだ。

このバスはワルザザードが始発ではなく、マラケシュという街からやって来るものだった。思っていたよりも多くの人が乗っており、早くしないと良い席が確保できないような状況だった。

僕はもう1人の日本人と共に行動していた。バスのトランクに預ける荷物は彼に託し、僕は先にバスに乗って席を確保する手はずを取った。

バスが到着し、扉が開く。中はたくさんのモロッコ人でごった返していた。

「こりゃマズイな、早く席を確保しないとホントになくなっちゃうかも。」

バスの扉の前で屯しているモロッコ人をかき分け、僕はバスに乗り込んだ。その瞬間、ムワッといや~な臭いがした。嗅ぎ覚えのあるこの臭い、まさかとは思ったが、まずは席を確保するのが先決。僕は空いている席を探した。

僕はもう1人の日本人と一緒に座れるよう2席並んで空いている座席を探した。そして一番後ろに、そこだけ見事に空いている席を見つけたのだ。

「お、いい席発見!そこはいただいたぜ!」

僕は勇んで一番後ろまで行き、その席に荷物を置こうとした。しかしそれは悲劇の幕開けだった・・・。


な、なんと!その座席には・・・!

毎度お馴染み、ゲロさんが座席にベッタリと吐かれているではないか!これはまさに悲劇・・・!

「うげっ!やっぱりそうか!バスに乗ったときのあの臭いはやっぱりこいつだったのか・・・!」


さすがにその席に座ることはできない。僕は他の席を探し始めたのだが、そこで初めてこのバスに起きている「同時多発ゲロ」の惨劇を目の当たりにした。

ちょこちょこと席は空いているのだが、なんと!けっこうな割合でゲロくんがへばりついているではないか・・・!なんてこった、こりゃもしかしたらゲロ付きのシートしか空いていないのかも・・・。僕はちょっと焦った。

ちなみにマラケシュからワルザザードまでは、有名な「アトラス越え」のルートであり、多くの観光客もこのルートで移動する。しかしこのルートはかなりの山道で、車酔いをしやすい人には過酷なルートだというのだ。

僕はそのことは知っていた。しかしここまでゲロくんが散乱しているとは・・・。まさに悲劇!

しかもよく見ると、あちこちにゲロくんが溜められたビニール袋が落ちているではないか!幸いしっかり縛られているので中身こそは出ていないが、正直見ているだけで気持ちがいいものではない。いや、すいません。正直気持ち悪い!なんてこった、こいつぁとんでもないバスに乗り合わせちまったぜ・・・!


しかしそうは言っても座らないわけにはいかない。メルズーガまでの移動時間は8時間、長い長い戦いはこれから始まるのだ。


何とかゲロくんのいない座席を2つ見つけた僕は、一先ずそこに座った。2つ並びの席などと贅沢はもはや言っていられない。やれやれ、とりあえずは一安心だ。しかし・・・バスの中はゲロくんの香りが充満し、やっぱり気持ち悪い。

「ヤバイな、これから先もゲロくん選手権が始まっちまったらマジでヤバイ。さすがに耐えられんぞ・・・。」

そんな心配を他所にバスは出発。僕はただひたすらに、これ以上「同時多発ゲロ」が起きないことを祈った。しかしその後すぐ、そんな祈りは儚くも打ち砕かれるのだが・・・。


僕の隣にはでっかい兄ちゃんが座っており、正直かなり窮屈だった。ちょっとこの席しんどいなぁと思いながらふと斜め前を見ると、そこには1人の若い女性が座っていた。そしてどうやら彼女の隣の席は空いているようだった。ゲロくんの痕跡もない。

「お、これはチャンス!あっちの席に移動しちゃおう!」

そう思った僕は荷物を抱え直した。しかしその瞬間、その女性はサッと顔をカーテンで隠した。そして手にはビニール袋。

「ん?あれ?どうしたんだ?ま、まさか・・・?」

そう、それはそのまさかだった。

始めてしまったのだ、その女性もゲロくんの放出を・・・!

「うお~、なんてこった!こりゃ移動は不可能だ!」

しかし次の悲劇は悲しむ間もなく襲ってきた。そのゲロくんに誘発されたのか、その彼女のすぐ後ろに座っている小さな女の子までもゲロくんの放出作業を始めてしまったのだ!ちなみにその女の子は、通路を挟んで僕のすぐ隣だ。

「マジか~!ついに始まってしまったか、まさに同時多発ゲロ!これはヤバいぞ、これでもし隣の兄ちゃんまで吐かれたら、俺はマジで死ぬ!神よ、お願いだからこれ以上ゲロくんをこのバスの中に現させないでくれ・・・!」



長い長いバスになった・・・。

幸いその後は道も落ち着き、それ以上ゲロくんの被害は拡大しなかったようだ。

しかし乗った瞬間はマジで恐ろしかった。漂う悪臭、辛辣な顔をした人々、いくつものシートにへばりついたゲロくん達・・・。それ以上被害が拡散せず、本当に本当に良かった。

メルズーガに到着し、僕たちが揃って口にした最初のセリフ。

「いや~マジで地獄だったわ・・・!」(笑)


モロッコを旅行なさる予定の皆様へ。

アトラス山脈を超えるバスは「同時多発ゲロ」の可能性があります。十分な準備と心構えをなさいますよう・・・。




2014年3月4日。とっても優しい宿のおっちゃんに癒されまくりのフェズの安宿にて。



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