世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【ふじもん世界放浪「放学記」第5章アフリカ編 悪夢よ再び...忌まわしき同時多発○○の惨劇vol,2】

2014-03-09 00:28:09 | 日記
2014年3月8日。

《モロッコのマラケシュからワルザザードに向かうバスで味わった同時多発ゲロの惨劇。もうこんな悲劇はないだろうと思っていたのに・・・何故なんだ。どうしてまた奴は僕の目の前にやって来たのだ・・・。》

モロッコの最北端の街、タンジェ。僕はここからフェリーに乗ってジブラルタル海峡を越え、いよいよヨーロッパに入る予定でいた。


予定通りの時間にタンジェに到着し、フェリーへの乗り継ぎもまさにジャストオンタイム。あまりにオンタイム過ぎて全くゆとりがなく、写真を撮る時間もアフリカ大陸への余韻に浸る間もなく僕はフェリーに乗り込んだ。

本当はもうちょっとゆっくりモロッコにお別れを告げて、長かったアフリカ大陸にもしっかりとさよならを言いたかったところであるが、時間通りに動けるに越したことはない。フェリーの中で「バイバイ」を言って、ついにあの!ジブラルタル海峡に僕は足を踏み込んだのだ!


「よっしゃぁ、ついに来たぜ、ジブラルタル海峡!ついに俺はここまで来たぜ!」

上がりくるテンションを抑えつつ、僕はフェリーの座席に腰を下ろした。甲板に出て何枚か写真を撮ったりトイレに行ったり、色々と用を済ませていたのだが・・・あれ、何かがおかしいぞ・・・?


異様に揺れるのだ、船が!どうやらなかなかに海が荒れていたようで、フェリーの揺れは相当なものになってきた。甲板も危ないからと室内に戻され、僕は最初の席にとりあえず落ち着いた。


のだが・・・揺れる揺れる!前後に左右にグラングラン!あちこちでフェリーにも乗ってきたが、ここまで揺れるフェリーも初めてだったかもしれない。

「おおお、これはなかなかハードだ!さすがにちょっと気持ち悪くなってくるな・・・。」

僕はまず乗り物酔いはしないのだが、それでもその揺れにはちょっと気分が悪くなりそうだった。


そして僕はふと思った。

乗り物・・・揺れる・・・酔う・・・と来れば・・・?

次に出てくるものは・・・そう、奴だ。この揺れ、この雰囲気、また奴がやって来るかもしれない・・・。僕は密かに恐れをなしていた。

しかしこのフェリーはかなり大きく立派で、トイレもしっかり設置されている。もし奴がやってきたとしても、トイレでそいつを吐き出せばいい。それだけのスペースも便器の数もあるトイレだったので、あのバスのような悲劇はないだろうと僕は考えていた。


しかし、その考えは甘かった。また始まってしまったのだ、あの忌まわしき同時多発ゲロが・・・!

最初の被害者は斜め前のおばちゃん。スカーフを被ったイスラム教徒の女性だ。苦しそうなうめき声をあげ、奴が体外に放出される。ああ、なんということか、僕は最後の最後まで奴と付き合わなくちゃいけないのか・・・。

さらに左をみると、なんと!座席にはすでに奴がへばりついているではないか!もうしばらくお目にかかることはないと思っていたのに、アフリカ大陸最後の最後でまた奴と大接近するとは・・・。


「あ~もう、なんでやねん!なんで最後までゲロくんたちとランデブーしなくちゃいけないのさ!」

室内は異様なムードに包まれていた。うずくまる人々、眉間にしわを寄せながらそれを見守る乗客、ゲロくんの後始末をするフェリーのスタッフ・・・。いやはや、いいもんではないですな・・・(笑)。


しかし、ここで僕は思った。

好き好んでゲロを吐きたい人なんていない。みんな好きで乗り物酔いをしているわけではない。それは当たり前だ。だから率直に、ゲロくんと出会うほどになるほど酔ってしまった人を僕は同情する。やはり可哀想だと思う。


しかしだ。

吐くのは仕方ないとしても、吐くのにもマナーがあるのではないか?

この前のようなトイレのないバスならまだ仕方がない。しかし、このフェリーには立派なトイレが設置されているのだ。

にも関わらず、なぜ座席で吐くのだ!しかもビニール袋も使わずに!そこが解せないのだ。

しかもですよ?なんで「座席」に向かって吐くんですか?(苦笑)そこは人が座るんですよ?そこに吐くっておかしいでしょ?

この前のバスでも、何故か座席にゲロくんがガッツリ付着しているのが何席もあった。どーしてそこに吐いちゃうの!まったく!

しかもしかもですよ、それを掃除するのはフェリーのスタッフの方ですよ?そりゃ嫌ですよ、絶対。ゲロくんの後始末が大好きなんて人間は、きっと誰もいませんよ?(笑)


な~んてことを考えつつ同時多発ゲロagainの惨事を眺めながら、僕は座席に座っていたのだった。

幸いにしてこのフェリーは乗車時間が短く、1時間ほどで目的地のスペインに到着した。少々のゲロリストは発生してしまったものの、その被害は最小限で済んだ。しかしもしこの激しい揺れの中、あと1時間航海が続いていたら・・・と考えると恐ろしい・・・。


下船後、色々なことを考えた。もしかしたら、吐いてしまったおばちゃんは、初めてフェリーに乗ったのかもしれない。産まれて初めての乗り物酔いで、どうしたらいいのか分からなかったのかもしれない。恥ずかしくてビニール袋とは言えなかったのかもしれない。

確かめようなどないけれど、頭ごなしにイライラしちゃいけないのかな、もっと心を広く持たないといけないな・・・とも考えた僕なのでした。

我以外皆師。ゲロくんだって僕の「お師さん」なのだ。そう考えれば、全ての事象が有り難いものだ。


何はともあれ、いよいよヨーロッパに上陸だぜ!これにて「ふじもん放学記」も第5章は終了、第6章に突入します!今後ともどうぞよろしくお願い致します!

2014年3月8日。アフリカとは比べ物にならないくらい綺麗だけど、でも値段も高い安宿のキッチンにて。



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