東京都指定障害福祉サービス事業者LLCてくてくゆかりのブログ

東京都指定障害福祉事業者LLCてくてくのスタッフや周辺の人々が週変わりで語るブログです。

お別れの季節

2021年10月02日 | てくてくのまいにち

もう半月以上経つのですが、一緒に暮らしていた友だちががんで亡くなりました。

 

家族と縁を絶った一人の女性が、友だちと暮らす家で医療・介護を受けながら

死ぬための準備を、ずっとしていました。

刑務所の受刑者の方との手紙のやりとり、アジア女性の活動などのボランティアも多くしていて

趣味も多彩で、豊かな交友関係を持つ人でした。

私が出会った時にはもう既に病気だったのですが

毎日の何気ない時間を長く一緒に過ごす中で、本当にいろんなことをおしえてもらいました。

とても尊敬する友だちでした。

 

その友だちは音楽も幅広く詳しかったけれど、

「トム・ロビンソン」という、70年代からゲイであることを公言して

活動しているイギリスのミュージシャンが特別に好きでした。

20歳くらいで迷いの多かった頃、トム・ロビンソン・バンドの来日公演があり行ってみると、

「ここに来ている人の中に、自分のマイノリティ性に悩んでいる人がいたら連絡をして」と

トムが自分の住所を書いたメモを観客全員に配ったそうです。

友だちはトムに手紙を出し、「ぜひイギリスにおいで」と返事をもらって

本当にイギリスへライブを観に行きました。

トムは友だちを歓迎して、楽屋に入れてくれたり、とても良くしてくれたと興奮して話していました。

 

友だちの身体が横たわる部屋で、トム・ロビンソン・バンドの

Power in the darkness」という曲を大きな音で流しました。

全てのマイノリティよ、自分の人生を自由に生きる権利のために立ち上がれ、という内容の歌です。

最後の服は、突き上げた拳マークの入ったトム・ロビンソン・バンドのTシャツでした。

かっこよかった!!

 

今頃お空の上で、好きなもの何でも食べて、ビール飲んでるかしら。

ありがとうね!

 

台風一過の爽やかな空です。

 

市川

 


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