もう半月以上経つのですが、一緒に暮らしていた友だちががんで亡くなりました。
家族と縁を絶った一人の女性が、友だちと暮らす家で医療・介護を受けながら
死ぬための準備を、ずっとしていました。
刑務所の受刑者の方との手紙のやりとり、アジア女性の活動などのボランティアも多くしていて
趣味も多彩で、豊かな交友関係を持つ人でした。
私が出会った時にはもう既に病気だったのですが
毎日の何気ない時間を長く一緒に過ごす中で、本当にいろんなことをおしえてもらいました。
とても尊敬する友だちでした。
その友だちは音楽も幅広く詳しかったけれど、
「トム・ロビンソン」という、70年代からゲイであることを公言して
活動しているイギリスのミュージシャンが特別に好きでした。
20歳くらいで迷いの多かった頃、トム・ロビンソン・バンドの来日公演があり行ってみると、
「ここに来ている人の中に、自分のマイノリティ性に悩んでいる人がいたら連絡をして」と
トムが自分の住所を書いたメモを観客全員に配ったそうです。
友だちはトムに手紙を出し、「ぜひイギリスにおいで」と返事をもらって
本当にイギリスへライブを観に行きました。
トムは友だちを歓迎して、楽屋に入れてくれたり、とても良くしてくれたと興奮して話していました。
友だちの身体が横たわる部屋で、トム・ロビンソン・バンドの
「Power in the darkness」という曲を大きな音で流しました。
全てのマイノリティよ、自分の人生を自由に生きる権利のために立ち上がれ、という内容の歌です。
最後の服は、突き上げた拳マークの入ったトム・ロビンソン・バンドのTシャツでした。
かっこよかった!!
今頃お空の上で、好きなもの何でも食べて、ビール飲んでるかしら。
ありがとうね!
台風一過の爽やかな空です。
市川
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