喜びの種☆

yoshicoの徒然日月
ひとふたみよ
いつむゆななやここのたり、、ももちよろず
天の数歌

ミナツキ朔 『おしょうじ・煙かぶり』志摩町和具

2017-07-22 23:16:38 | いせしまホツマ

旧暦「ミナツキ朔(六月一日)」は、夏至の周りの新月に当たります。
※今年は閏サツキの挿入される、十三回月の巡りがある年なので、
例年より遅い時期になっています。

志摩町和具の八雲神社の天下の奇祭『潮かけ祭り』の前夜祭に行われる、
富士講の『おしょうじ・煙かぶり』はホツマ的に大変興味深いご神事です。

夜、七時半より行われるこのご神事に行ってきました。



和具漁港東広場に鳥居と祭壇が設置されています。







八雲神社の神主さんの御祭りの後、
ハッピ姿の若衆が真っ暗な浜辺に移動し、海に潜り、那智黒の石を拾います。
この時の掛け声が、

「ア~ト~ト~ア~ト~ト~」です。

真っ暗な浜辺の夜空には、うっすらと天の川が海にかかっています。
八雲神社の真南に位置する大島。

※大島には海の女神・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の祠があり、
年に一度の里帰りを祝い、海女や漁師がアワビ等のその日の獲物をお供えし、
海の安全と大漁を祈願する神事の後、船どうし人どうし海水をかけ合ったり、
海に投げ入れたりする天下ご免の祭、780年余の伝統を誇る奇祭「潮かけ祭り」です!


ヲシテ文献に記される季節の守り「ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ」の
ヤカミ(八カミ・八皇子)は、方位方角の守りでもあります。

夏は「ト」の守りの季節ですが、その季節の真夜中の天の川のかかる方位方角、
夏は南天に降り注ぐことから、「ト」は南の守りでもあります。







夏の新月、電気のない時代、
南の大島に天の川がかかるがはっきりと見えていたと思われます。

天を表すヲシテ文字はアメ・アマの「ア」です。
「アートートー・アートート」の掛け声は、
まさに「南天の天の川」を祭っているのかもしれません。

地元の方々は、この石をいただいて持ち帰り、一年間お守りとします。
漁港広場では、藁を燃やして火をおこし、海に潜った若衆が、
集まった人々の頭をひとりひとりお数珠でなでながら、無病息災を祈ります。
私も石をいただき、頭をなでてもらいました♡ありがたや







また、ヤマトコトハでは南の別称を「サ」といいます。
浅間講(富士講)のアサマとは天の南からの生じ為さしめとも読み取れます。

初代アマカミ・クニトコタチのヤミコ(八皇子・トホカミヱヒタメ)のうち、
「ト」のミコトは、富士山南麓(富士宮浅間大社付近)に繁栄したと
ヲシテ文献は伝えています。

富士山は南の象徴、そして一番天に近いところです。
海に潜り那智黒石を拾う若衆は、
事前に富士山頂へお参りするという風習も大変興味深いです。
八雲神社のご祭神についてはまたいずれ、、


参考文献・参考資料
◎志摩市ホームページ。

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ミナツキ朔 『御潜神事』鳥羽市国崎

2017-07-21 22:40:02 | いせしまホツマ
伊勢志摩ホツマ 御潜神事(海士潜女神社)

旧暦六月一日に行われる御潜(みかづき)神事は、
伊勢神宮へ奉納するアワビを採る、
ヤマトヒメの志摩巡行に由来する、
遥か二千年の歴史を誇る海女の大切な神事です。

御潜神事の伝わる鳥羽市国崎町は志摩半島の最東端。
「志摩の国の先」にあることから「くざき」と呼ぶそうです。
伊勢神宮に奉納するのは、身をそいで乾燥させた熨斗鮑です。
※国崎の「熨斗鰒づくり」の伝統技法は、
平成十六年三重県無形民俗文化財に指定されました。



過去には国崎を含め、答志村、神島村、菅島村、石鏡村、相差村、安乗村が参加して行われた志摩地方で一番大きな祭りとして知られていましたが、明治四年の御贄献身制度の廃止に伴い、盛大な神事は絶えてしまいました。

平成十五年、パールロードの一部無料化により百三十二年ぶりに復活しましたが、
平成十八年で再び断絶、国崎の海女だけが参加する祭りとして再興されました。
平成二三・ニ四年は東日本大震災の影響で開催自粛。
平成二五年は、神宮式年遷宮記念として、
平成二八年は伊勢志摩サミット記念として開催され、
今年は残念ながら行われないようです。

また、同日に開催される海士潜女(あまかづきめ)神社の例大祭では、
伊勢神宮から神職や舞姫(巫女)が訪れて神楽を奉納し、
海女が総出で一年の操業の安全を祈願します。

海士潜女(あまかづきめ)神社の主祭神の潜女神(かづきめのかみ)は、
垂仁天皇二十六年(紀元前四年)、、
伊勢神宮への御贄地を求めて諸国巡幸していたヤマトヒメが国崎を訪れた際に、
アワビを献上した伝説の海女、海女の始祖といわれる「おべん」さん。

以来、国崎は伊勢神宮の神戸に選定され、
外宮旧神楽歌に「ひめ社」として歌われていたそうです。

また、潜女神はめまい除け、トモカヅキ除けにもご利益があるとされ、
地元の海女だけでなく、日本中のダイバーの信仰も集めています。

「トモカヅキ」とは、、
鳥羽・志摩に伝わる海に潜る者にそっくりに化けるという海の妖怪で、
鉢巻の尻尾を長く伸ばしているのが特徴で、、
人を暗い場所へと誘ったり、鮑を差し出したりして、
この誘いに乗ってしまうと、命を奪われると恐れられています。

海女たちはこの怪異から逃れるため、
五芒星と格子の模様を描いた「セーマンドーマン」と呼ばれる魔除けを描いた服、
手ぬぐいを身につけるとの説もあります。



「セーマンドーマン」は、陰陽道に由来するともいわれますが、
陰陽五行の発祥が古代中国の夏(カ)の時代というのも、
ホツマ的には大変興味をそそられます。

ニ千年の歴史を誇る御潜神事、日頃から自然に感謝と祈りを捧げ、
海女の祭りとして伝えられた神事、、大切に遺してゆきたいですね。

参考文献・参考資料
◎ウィキペディア「海士潜女神社」「御潜神事」
◎日本紀行「国崎に海女の祭り御潜神事」

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