モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

メキシカンセージ・ライムライト(Mexican sage 'Limelight')の花

2008-11-01 08:21:31 | セージ&サルビア
『ライムライト』は、電気というものがない時代に舞台で使われていた照明器具で、
転じて“栄光”の代名詞として使われたという。
確かにスポットライトを浴びるヒトと場に必要なものであり、“栄光”に欠かせない舞台装置だ。

チャールズチャップリンの『ライムライト』は、
この“栄光”と“挫折”と“愛”をテーマに
赤狩り旋風が吹きまくった狂気の時代のアメリカとの、チャップリンの決別の映画でもあった。

灯りは希望の象徴でもあるが、その隣には影があり、そこには人生の味がある。
『ライムライト』は、異性との激しい愛ではなく包み込む父の愛であったような気がする。
狂気を包み込める愛は、神か父母しかなかったのだろう。
さよならの愛は、先に死ぬ父母の愛なのだろう。

“ライムライト”という言葉には、こんな感傷的な前置きが欲しくなる。
それにしても、チャップリンの『ライムライト』は良かったな~


(写真)ライムライトの花


一方、こちらのライムライトは、
清楚といえば真っ白なユリかもわからないが、ライムライトには清楚ですがすがしさがある。

やさしい黄緑の萼、青紫の口唇状の花。 
この組み合わせがすっきりしているところに、光沢があるライム色の葉が花序を支えるので
キリッとしたすがすがしさが漂う。

ライムライトは、メキシコ中部原産のメキシカンセージ(Salvia mexicana)を親にした園芸品種だが、
親のメキシカンセージは、森の端、縁に生息するというから、
森の中に入っていかないので、森に守られない代わりにコンパクトで移動性可能な体質を形成したのだろう。

イエローマジェスティのように森の中に入りちょっとした空白地での木洩れ日で大きく成長する生き方とは異なる。

このメキシカンセージを採取・登録したのは、
1833年にアンドリュー(Andrieux, G)というヒトにより採取されたという。
彼は、183もの新種をメキシコなどで採取しているが、略歴を調べたが良くわからなかった。

ライムライトだけでなくほかにも園芸品種がつくられており、
どこかで品種開発されたかも見つからなかった。
結構、よく出来た品種と思うが情報量の少なさも含めて奇異な感じがする。
ここにはキリッとしたすがすがしさがなかった。

(写真)ライムライトの立ち姿


メキシカンセージ・ライムライト(Mexican sage 'Limelight')
・シソ科アキギリ属の常緑小低木で耐寒性がある多年小木。
・学名は、Salvia mexicana cv .Limelight。英名は Mexican sage 'Limelight'。
・原産地は中部メキシコの森の明るい端に自生。
・草丈1m以上となるので、夏までに摘心をして丈をつめる。
・開花期は、9~11月。淡いライムイエローの顎に濃いブルーの唇形の花が咲く。
・耐暑性は強い。
・冬場は陽のあたるところで、多湿を控える

コレクターは、Andrieux, G. で、1833年にメキシコで採取した。


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