モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

クリスマスローズ、オリエンタリス・ハイブリット紫系の花

2010-03-12 13:59:24 | その他のハーブ
(写真)ヘレボルス・オリエンタリス、ハイブリット紫系の花


花茎が真っ直ぐに立ち、まるでヤシの木の様に葉がつき、つぼみの頃はヤシの実がついたようだ。こんな雰囲気をもつ「ヘレボルス・オリエンタリス」のハイブリッド品種が赤紫の花をつけた。

同じ時期に、同種の赤系の花も咲いたが、違いはあるがその違いが微妙な色合いとなっている。

現在の園芸店では、「ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus.orientalis)」のハイブリッド品種が多く展示・販売されている。
この花も、「オリエンタリス」を片親とした交配品種であり、“紫系”としてしか書かれていなかった。

今では、「ヘレボルス・オリエンタリス」が交配の中心になっているため、さかのぼって突き止めることが難しくなっている。

(写真)ヘレボルス・オリエンタリス、ハイブリット赤系の花


クリスマスローズ、異種間ハイブリッドの始まり
「クリスマスローズ(Helleborus niger)」は、2000年以上前から狂気を治す薬草として使われており、原種として20種が認められているが異種間の交雑の歴史は新しい。

最初の異種間交雑は、1930年代に入ってからであり、その最初の交雑種は「ヘレボルス・ニゲルコルス(Helleborus × nigercors J.T. Wall)」のようであり1931年に作出されたのではないかといわれている。

この「ヘレボルス・ニゲルコルス」は、 「H.ニゲル」 と  コルシカ島原産の「H.アグティフォリウス」 が交配され、寒さに弱い「H.アグティフォリウス」の弱点を克服し耐寒性・耐暑性に強い交配種が誕生した。


1939年には、英国のフレデリック・スターン卿(Stern, Sir Frederick Claude 1884-1967)によって有名な品種「ヘレボルス・ステルニー(Helleborus x sternii)」が作出された。

両親は、有茎種同士で 「H.アグティフォリウス」 と 「H.リヴィダス」であり、 両親の中間的な仕上がりとなっている。
花色は(正しくは萼の色)ピンクを帯びた淡い緑色、葉は濃緑色のメタリック調で葉だけでも楽しめそうだ。
今では、「H.ステルニー」を親とした新品種も数多く作られている。

作出者のフレデリック・スターン卿(Stern, Sir Frederick Claude 1884-1967)は、英国の園芸家で、1909年にウエスト・サセックス州ワージングの近くにHighdown Gardensを創った。
この庭園は、中国・チベット・日本などでプラントハンティングをしたファラー(Farrer ,Reginald John 1880 – 1920)が採取した高山植物・樹木が植えられ、スターン夫人とともに素晴らしい庭造りを行った。

本線から脱線するが、ファラー(Farrer ,Reginald John 1880 – 1920)は、40歳でビルマの山中でなくなったが、中国・チベットなどの植物をイギリスに持ち込み、1907年に「My Rock Garden」を著しロックガーデンの様式を作り出したことで知られている。その様式美には、1903年に8ヵ月の間日本に住んでいて日本庭園の様式をも学んでいることが影響している。
貴族・富裕階級しか維持できない形式美が勝る庭園から市民・庶民が楽しめるより自然なガーデンを提唱しているので園芸の楽しみを広げる役割を果した人でもある。

1960年代からクリスマスローズの改良を行ったのは、クリスマスローズの女王といわれるイギリスの女性育種家ヘレン・バラード(Helen Ballard 1909-1995)などで、以前のコメントを参照していただきたい。

(写真)ヘレボルス・オリエンタリス、ハイブリット紫系の立ち姿
        

クリスマスローズ、オリエンタリス・ハイブリット紫系
・ キンポウゲ科クリスマスローズ属の耐寒性がある常緑の多年草。
・ 学名はヘレボルス・オリエンタリス・ハイブリッド(Helleborus × hybridus purple-flowered)。
・ イギリスでは、オリエンタリスを四旬節(Lent)に咲くのでレンテンローズ(Lenten rose)とも言う。
・ 和名は花の形が、祭りでかぶる花笠に似るので八つ手花笠とも言われる。
・ オリエンタリス(h.orientalis)種には三つの亜種があり、原産地はロシア、コーカサス地方、トルコ、黒海沿岸の石灰質の土壌に生育し、園芸品種の交配種の片親となる重要な原種。
・ 草丈20-40cmの常緑の多年草で花弁状の萼(がく)の色は黄緑色で縁は紫色を帯びる。
・ 開花期は、クリスマスローズよりも遅く2月頃から咲く。「ハルザキクリスマスローズ」とも呼ばれる。
・ 花茎は単一で先端に一輪または分岐して二輪の花をつける。
・ 花のように見える5枚の花弁は、花を保護する萼(がく)で、本来の花弁は退化して蜜を出す蜜腺となっている。
・ 受粉の仕組みは、先に雌しべが成熟しその後で雄しべが花粉を放出する。雌しべが受粉して種が出来るのが5月頃。
・ アルカリ性の土壌を好むので石灰を入れて酸性を中和する。また肥沃な土壌を好む。
・ 高温多湿には弱いので夏場は半日陰で育てる。
・ 乾燥気味がよいので、乾いたらたっぷりと水をあげる。
・ 繁殖は株分けをする。

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4 コメント

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こんにちは。 (kazuko)
2010-03-15 00:10:49
こんにちは。
おととい、記事のアップ、うれしく拝見いたしました。

クリスマスローズ、どんどん咲いてますね。
紫は、またシックな感じでいいですね。

先日、うちのクリスマスローズの花を上に向け、よく観察したら、おしべとめしべがきれいにそろって、見事でした。下を向いてるから損ですが、
よくお顔を見ると、美人さんでした。(うつむき加減の美女にはご注意をって言うことでしょうかね。)

じっくり読ませていただきましたあと、また、コメントさせていただきますね。

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和さん (キャスパー)
2010-03-15 19:14:14
うつむき加減の美女とはいい表現ですね。

花のない時期なので堂々とするといいのですが???
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なかなか区別がつかなくて・・ (マツ虫草)
2010-03-18 23:46:45
色々な名前のクリスマスローズが出てきましたね。

うちのは、多分全部オリエンタリスのように思いますが、他の種類も似てるような気がして、私はいまいち区別がつきません。

実際育ててみないと、花や葉の特徴も覚えられませんね。

最近、改良がすすんだと他の記事でも読みました。

それまで長い間、原野に咲く、たくましいクリスマスローズ。最近、そういうところにこの花の野性味を感じ、新たな魅力を感じてます。


前回の、ブルークローバーの私のコメント、記事の最初のほうの数行で2つの原産地の疑問に触れてらしたのに、読んだ後、忘れてしまっていたようです。うっかりしてました、ごめんなさい。
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まつ虫草さん (キャスパー)
2010-03-19 15:07:19
園芸店での表示がしっかりしていないとクリスマスローズに関わらず区別が難しいですね。
花を愉しむだけなら名前は関係ないと思いますが、育てるとなると、育て方が違う場合があるので、氏素性を知らないと間違うことがあります。
そこで、名前が重要になります。
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