モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

アルカネット(alkanet)の花

2008-06-25 08:04:23 | その他のハーブ

アルカネットと化粧
アルカネットの根は、染料の原料となり
古代エジプトでは、女性の頬紅・口紅に使われたという。

頬紅なんかの化粧という考え方自体があったのだろうか??
本当かなと思って、チョッと調べてみると
クレオパトラは、目の周りを黒く塗っていたという。

近代のアイシャドーは、“愛の証”の誇示のようだが、20世紀に確立したようで、
古代は、“魔よけ”であったようだ。

古代の常識は、人間の穴から悪魔が入ってくると信じられており、
目の周り、口などを塗るのは“魔よけ”のためのようだ。
だから悪魔が驚く、どぎついほどの色が塗られていた。
渋谷あたりを歩いてみると、なるほど納得という“魔よけ”に会ったりもする。

ちなみに日本では、目じりを赤く塗ったようだが、これも“魔よけ”のようだ。

現代のアイシャドウは、“魔よけ”よりさらに進化し、
危険サインが出ているのに、飛び込んでいきたくなる“わな”となっている。
これをアルカネット効果ということにしておこう。

(写真)アルカネットの花


しかし、わが庭ではアルカネット効果は見られなかった。

アルカネットは、忘れられた存在で3年も仮眠していた。
成長もせず、花を咲かせもせず、枯れ死もせす、放置されていた。

春先に鉢がえをしてあげてから動き始めた。
茎が伸び、葉が茂り、日照りでは脱水症状でダウンし、そしてつぼみがつき
花が咲いた。

10㎜をきる大きさの紫色の小花が咲き、
久しぶりに安堵した。
植物の久しぶりは1年単位になるので大変だ。 ホッ~~。

(写真)アルカネットの花序


アルカネットの命名者ツンベルグ
意外だったのは、アルカネットの命名者が
江戸時代に日本に来た、スウェーデンの大植物学者 ツンベルグだったことだ。

ツンベルグ(Carl Peter Thunberg 1743-1828)は、
リンネがスウェーデンのウプサラ大学で教えていた時の一番弟子にあたり、
鎖国で空白地帯の日本の植物相を調べ採集することを目的に、
唯一交易していたオランダ東インド株式会社の医師となり、日本に向かった。

歴史として面白いのは、
オランダ人になりきらないといけないので、オランダ語を学習するために
1772~1775年の間南アフリカに滞在したが、
ここで、キュー王立植物園のプラントハンター第一号フランシス・マッソンと会い、
植物採集の探検旅行などをも一緒にしたことだ。

ツンベルグは1775年8月に長崎につき1776年12月にはオランダに戻ったので、
日本滞在は約1年半だが、1784年に出版した『Flora Japonica(フロラ・ヤポニカ)』には、
812種もの日本の植物が記載されており、
日本にとっても、ヨーロッパにとっても画期的なことであった。

ツンベルグは、学問的な功名を意図して押し花的な標本を集めたが
マッソンは、そんなことよりも園芸での生きた植物の採集に力点をおき、苗、種を集めた。
二人の生きかたはまったく異なっていたが、植物知識の空白地を埋める最前線で
組織的に活躍したプラントハンターでもあった。



アルカネット(alkanet)
・ムラサキ科アンチューサ(和名ウシノシタグサ)属の耐寒性がある多年草
・学名はAnchusa officinalis Thunb.。英名はアルカネット(alkanet)ビューグラス(bugloss)、別名アンチューサ(Anchusa)
・属名のアンチューサは“紅”、種小名のオフィシナリスは“薬効”という意味。命名者はツンベルグ(Thunberg)。
・原産地はヨーロッパから小アジア
・草丈50~70㎝、細かい毛で全体が覆われているので高温多湿に弱い。
・乾燥気味に育てる。
・開花期は6~10月で茎の上部に花穂がつき赤紫の花をつける。
・樹木の下などの半日陰でも育てられる。
・根は口紅の色付けに使われる染料が取れる。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
« サントリナ・ロスマリニフォ... | トップ | フロックス・マキュラタ(Phl... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アルカネット (蝶明)
2008-08-25 07:39:01
アルカネットの花きれいに咲いていますね。
小さい花ですが 花の色が印象的。
私もアップとて見ました。
可愛い花でもありますね。
返信する

コメントを投稿

その他のハーブ」カテゴリの最新記事