モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

スィート・ジャーマンダー(Sweet Germander)の花

2011-05-24 17:01:47 | その他のハーブ
(写真)スィート・ジャーマンダーの花


葉脈浮き出た濃緑の葉と淡いピンク色の小さな花、そしてかすかに香る匂い。
非常にシンプルだが、写真で見るとまるで首の周りにハイカラーをつけた1600年代の頃の優雅なレディのようにも見える。
エリザベス一世ほどではないが。

(写真)エリザベス一世(Elizabeth I, 1533-1603)
 
(出典)ウィキペディア

こんな人間世界とのアナロジーはあまり関係がなく、テウクリム属(和名ではニガクサ属)の特徴がこのハイカラーのようなところにある。
シソ科の花は口唇型に特徴があり、下唇が大きく、上唇は雌しべ・雄しべをカバーするように帽子をかぶるようになる。テウクリム属の花は、上唇に当たる花が後退ししべがむき出しになっているところに特色がある。

このスィートジャーマンダーは、ギリシャ、クレタ島、地中海西部が原産地で、種小名の“massiliense”は、イオニア人が交易港として紀元前600年頃に建設した植民地に与えた名前でギリシャ語では“Massalia”が語源で、現在では、フランスのマルセイユとなるが、この地に咲く花としてリンネが命名した。

ついでに属名の“Teucrium(テウクリウム)”は、トロイの初代王といわれるテウケル(Teucer)がこの植物を薬草として最初に使ったということから、ディオスコリデス((Pedanios Dioscorides、40-90年頃)によって書き記されていたことによる。

掘り下げると、ギリシャ以前の小アジア、エーゲ海の神話と実話の壮大な物語が始まりそうだ。

(写真)スィートジャーマンダーの立ち姿
 

スィート・ジャーマンダー(Sweet Germander)
・ シソ科ニガクサ属の耐寒性がある多年生の小潅木。
・ 学名は、Teucrium massiliense.L.(1763) (テウクリウム マシリアンセ)。種小名の“massiliense”は、“マルセイユの人々”という意味。
・ Teucrium属の植物は、一般的にGermanderと呼ばれ、英名では、Sweet Scented Germander、或いは、Sweet Germander。
・ 原産地はギリシャで、地中海西部に広がる。
・ 草丈30-50cmでハーブ園の境界線或いは垣根などに利用される。
・ 開花期は5月から夏場で淡いピンク色の小花が咲く。
・ 葉は細長く端がチリチリしていて全体から良い香りがする。
・ 水はけの良い乾燥気味のアルカリ性土壌を好み頑健。冬場に刈り込む。
・ エッセンシャルオイルが豊富で、葉はハーブティーとして利用される。

ウッドセージ(Wood sage)もこの仲間で葉はそっくりだ。

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