メキシコのサルビアとプラントハンターの物語 No47
ヒントン父子が採取したサルビアでこれまで記載してこなかったものをアルファベット順に紹介する。
この中では、空色のサルビア、サルビア・ラングイドラ(Salvia languidula Epling (1939))、黒に近いダークブルーの花、サルビア・ヒントニー(Salvia hintonii Epling (1938))に注目してもらいたい。
18.Salvia hamulus Epling (1938) サルビア・アムロス
ヒントンは、サルビア・アムロスを1936年11月にゲレーロ州で採取した。彼が最初の採取者のようだが、その標本がミズリー植物園に保存されていた。
ハート型の葉と長く伸びた花序は、スマートな感じがする。気になるのは種小名の“hamulus”で、ラテン語で“はねかぎ”を意味し、フックのようになるかぎ状の毛があることを指す。きっとこの花序にフックがあり、倒れないように隣に引っ掛けながら成長していくのだろう。
左(出典)ミズリー植物園
右(出典)Robins salvias
この実物写真が「Robins Salvias」にあった。逆光ではっきりとは見えないが、パープル系の花のようで、グアダラハラ大学にある珍しいサルビアのひとつのようで、詳細は不明だ。
19.Salvia helianthemifolia Benth. (1833) サルビア・エリアントミィフォリア
(出典)Les senteurs du Quercy
サルビア・エリアントミィフォリアは、常緑の葉を背景にカラミントに似た愛嬌のあるホワイトピンクの花を咲かせる。草丈60㎝程度というところもカラミントに似ている。
ヒントンは、このサルビアをメヒコ州で1936年1月に採取している。命名されたのが1833年なので100年前に他の誰かが採取しているが、セッセ探検隊なのだろう。
こんな愛嬌のあるサルビアもいいものだ。
20.Salvia hintonii Epling (1938) サルビア・ヒントニー
左(出典)ミズリー植物園
右(出典)Robins salvias
ヒントンしか採取していないサルビアがあった。ヒントンの名前がつけられたサルビア・ヒントニーは、1936年10月にゲレーロ州で採取しキューガーデン、ミズリー植物園などに標本を出品している。標本から見ると、ハート型の葉で花序を伸ばしそこに比較的大きな花をつける。
その花色は、サルビア・ディスコロールに似ており、花としては珍しい黒に近い濃紺・ネイビーブルーのようだ。
詳細はわからないが、グアダラハラ大学に生存しているという。
これはぜひ手に入れてみたいサルビアになりそうだし、園芸市場に導入されたならば人気を得るだろう。
21.Salvia hyptoides M. Martens & Galeotti(1844) サルビア・イトイデス
(出典)conabio.gob
ヒントンはこのサルビア・イトイデスをメヒコ州で1932年11月に採取した。が、命名者にベルギーのプラントハンター、ガレオッティがいるので、彼が最初の採取者なのだろう。
唯一見つかった写真から見ると、草丈30-60cmで、直立的に成長しハート形の葉と長めの花序にブルーの花をつける。
だが、このサルビアの正式な学名は、サルビア・ラシオチェファラ(Salvia lasiocephala Hook. & Arn.(1838))で、「No46:ヒントンが採取したサルビア④」のNo14 で紹介した「Salvia galinsogifolia Fernald (1900)」も同一種となる。
22.Salvia inconspicua Bertol. (1827) サルビア・インコンスピキゥア
(出典)Robins Salvias
種小名の“inconspicua”は、何と“目立たない”というラテン語だった。
草丈12フィートというから300cmを超える丈の高いサルビアで、枝分かれがしその先に晩秋頃から淡いブルーの花が咲く。しかし、見るからにボウボウとしていて雑然としている。雑草のきわみとでも言うのだろうか洗練されていないところが感じられる。
こんな大柄なサルビアに、お茶目なのか正直なのかわからないが“目立たない(inconspicua)”という名前をつけたのは、イタリアの植物学者ベルトリーニ(Bertoloni, Antonio 1775-1869)だった。
彼は、イタリア植物の当時の権威でもあったが、中南米に探検に来ているのでその時に採取したのだろう。
ヒントンもミチョアカン州、ゲレーロ州でこのサルビアを採取しているが、品種としては認められていない。まだわからないところがあるサルビアのようだ。
23.Salvia languidula Epling (1939) サルビア・ラングイドラ
(出典)Robins Salvias
「サルビア・ラングイドラ」唯一の画像が見つかった。
チョット見にはごく普通のサルビアかなと思ってしまったが、よく見るとこの抜けるような空色はあまりない。
種小名の“languidula”は、ラテン語で“ロサンゼルス”を意味する。“ロサンゼルス”は、天使の地(Los angels)として名づけられたので、天使(ángel)でも宿っているのだろうか?と思ってしまう。
このサルビアは、ヒントンが最初の発見者で1937年6月にゲレーロ州で採取している。
ヒントン父子が採取したサルビアでこれまで記載してこなかったものをアルファベット順に紹介する。
この中では、空色のサルビア、サルビア・ラングイドラ(Salvia languidula Epling (1939))、黒に近いダークブルーの花、サルビア・ヒントニー(Salvia hintonii Epling (1938))に注目してもらいたい。
18.Salvia hamulus Epling (1938) サルビア・アムロス
ヒントンは、サルビア・アムロスを1936年11月にゲレーロ州で採取した。彼が最初の採取者のようだが、その標本がミズリー植物園に保存されていた。
ハート型の葉と長く伸びた花序は、スマートな感じがする。気になるのは種小名の“hamulus”で、ラテン語で“はねかぎ”を意味し、フックのようになるかぎ状の毛があることを指す。きっとこの花序にフックがあり、倒れないように隣に引っ掛けながら成長していくのだろう。
左(出典)ミズリー植物園
右(出典)Robins salvias
この実物写真が「Robins Salvias」にあった。逆光ではっきりとは見えないが、パープル系の花のようで、グアダラハラ大学にある珍しいサルビアのひとつのようで、詳細は不明だ。
19.Salvia helianthemifolia Benth. (1833) サルビア・エリアントミィフォリア
(出典)Les senteurs du Quercy
サルビア・エリアントミィフォリアは、常緑の葉を背景にカラミントに似た愛嬌のあるホワイトピンクの花を咲かせる。草丈60㎝程度というところもカラミントに似ている。
ヒントンは、このサルビアをメヒコ州で1936年1月に採取している。命名されたのが1833年なので100年前に他の誰かが採取しているが、セッセ探検隊なのだろう。
こんな愛嬌のあるサルビアもいいものだ。
20.Salvia hintonii Epling (1938) サルビア・ヒントニー
左(出典)ミズリー植物園
右(出典)Robins salvias
ヒントンしか採取していないサルビアがあった。ヒントンの名前がつけられたサルビア・ヒントニーは、1936年10月にゲレーロ州で採取しキューガーデン、ミズリー植物園などに標本を出品している。標本から見ると、ハート型の葉で花序を伸ばしそこに比較的大きな花をつける。
その花色は、サルビア・ディスコロールに似ており、花としては珍しい黒に近い濃紺・ネイビーブルーのようだ。
詳細はわからないが、グアダラハラ大学に生存しているという。
これはぜひ手に入れてみたいサルビアになりそうだし、園芸市場に導入されたならば人気を得るだろう。
21.Salvia hyptoides M. Martens & Galeotti(1844) サルビア・イトイデス
(出典)conabio.gob
ヒントンはこのサルビア・イトイデスをメヒコ州で1932年11月に採取した。が、命名者にベルギーのプラントハンター、ガレオッティがいるので、彼が最初の採取者なのだろう。
唯一見つかった写真から見ると、草丈30-60cmで、直立的に成長しハート形の葉と長めの花序にブルーの花をつける。
だが、このサルビアの正式な学名は、サルビア・ラシオチェファラ(Salvia lasiocephala Hook. & Arn.(1838))で、「No46:ヒントンが採取したサルビア④」のNo14 で紹介した「Salvia galinsogifolia Fernald (1900)」も同一種となる。
22.Salvia inconspicua Bertol. (1827) サルビア・インコンスピキゥア
(出典)Robins Salvias
種小名の“inconspicua”は、何と“目立たない”というラテン語だった。
草丈12フィートというから300cmを超える丈の高いサルビアで、枝分かれがしその先に晩秋頃から淡いブルーの花が咲く。しかし、見るからにボウボウとしていて雑然としている。雑草のきわみとでも言うのだろうか洗練されていないところが感じられる。
こんな大柄なサルビアに、お茶目なのか正直なのかわからないが“目立たない(inconspicua)”という名前をつけたのは、イタリアの植物学者ベルトリーニ(Bertoloni, Antonio 1775-1869)だった。
彼は、イタリア植物の当時の権威でもあったが、中南米に探検に来ているのでその時に採取したのだろう。
ヒントンもミチョアカン州、ゲレーロ州でこのサルビアを採取しているが、品種としては認められていない。まだわからないところがあるサルビアのようだ。
23.Salvia languidula Epling (1939) サルビア・ラングイドラ
(出典)Robins Salvias
「サルビア・ラングイドラ」唯一の画像が見つかった。
チョット見にはごく普通のサルビアかなと思ってしまったが、よく見るとこの抜けるような空色はあまりない。
種小名の“languidula”は、ラテン語で“ロサンゼルス”を意味する。“ロサンゼルス”は、天使の地(Los angels)として名づけられたので、天使(ángel)でも宿っているのだろうか?と思ってしまう。
このサルビアは、ヒントンが最初の発見者で1937年6月にゲレーロ州で採取している。
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