被団協・原水協 仏到着 市民団体訴え
![]() (写真)「平和運動」の歓迎会に参加した日本被団協の田中氏(前列中央)=22日、パリ(吉本博美撮影) |
【パリ=吉本博美】核兵器禁止条約を世界に広げようと、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の代表団が22日にフランスに到着しました。27日まで滞在し、被爆証言や現地の平和団体との交流を行う予定。日本被団協の田中重光代表委員は「核保有国で核兵器の非人道性を多くの人に伝えたい」と意気込みを語りました。
22日夕方にはパリ市内でフランスの市民団体「平和運動」が代表団の歓迎会を実施。ロラン・ニベ会長は日本被団協のノーベル平和賞受賞を祝福し、核兵器廃絶を訴える被爆者の証言は「フランスを含め、全ての核保有国の指導者全員に聞き届けられるべきだ」と強調。広島・長崎への原爆投下から80年にあたり、草の根レベルの国際的な反核運動を強化していこうと呼びかけました。
会場は地元の高校生が折った千羽鶴で飾られ、市民や平和活動家ら約50人が出迎えました。歓迎あいさつでは、核兵器を搭載する米軍艦船の入港を拒む「非核神戸方式」への評価もあがりました。国内の約100の平和団体で構成される「平和運動」は代表団の滞在中に、フランス政府に核兵器禁止条約への署名を求める全国行動も計画しています。
田中氏は「これほど核戦争の危機が高まっている時代はない。二度と核兵器を使わせないために、一人ひとりが自分ごととして考え行動することが大切だ」と訴え、会場から大きな拍手が起こりました。