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アウシュビッツ解放80年

2025年01月27日 13時38分58秒 | 一言

ジェノサイドは今日の問題だ

 きょうは、ナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所が1945年1月27日、解放されて80年です。

 ナチス・ドイツは、ホロコーストとして知られるように、ユダヤ民族の絶滅をはかりました。強制収容所に送り、強制労働、生体実験、銃殺など残虐のかぎりを尽くし、ガス室による大量虐殺をおこないました。

 犠牲になったユダヤ人は600万人以上で、アウシュビッツでは100万人以上が殺されました。また多くのロマ人(ジプシー)、同性愛者、障害者、ソ連軍捕虜も殺されました。

■ガザでの集団殺害

 国際社会はこの「忌まわしい苦悩から人類を解放するためには、国際協力が必要」(前文)として1948年、国連総会で全会一致で、ジェノサイド(集団殺害)条約を締結しました。国連総会で採択された初めての人権条約です。

 条約は「国民的、民族的、人種的又は宗教的な集団」を破壊するための構成員の殺害、危害、生活の破壊などを犯罪とし、防止し、処罰することを決めました。

 しかし、ジェノサイドはいまなお国際社会が直面する深刻な問題です。ガザの事態がジェノサイドであることは、世界が目撃してきたことです。国際司法裁判所(ICJ)は2024年1月、ジェノサイド条約が禁じた行為を防止するため「あらゆる措置」を取るようイスラエルに命じました。国連特別委は同年11月、同国の戦争行為を「ジェノサイドの特徴と一致している」と結論づけました。

 『アンネの日記』で知られるアンネ・フランクもアウシュビッツに送られた一人です。彼女は、誰がユダヤ人を他の民族と区別させるようにしたのかと問い、忌まわしい戦争が終わったとき、「ユダヤ人ではなく、一個の人間となれる日がくるはず」「(そのときには)人類のために働いてみせます」と書きました。イスラエルはこの言葉を受け止めるべきではないでしょうか。

 イスラエルとハマスの停戦が19日、ようやく合意されました。ガザでのジェノサイドを防ぐために、恒久的停戦と人質全員の解放を確実なものにし、ガザを復興することが必要です。さらに根本的には、国連決議が示すように、(1)イスラエルの占領地からの撤退(2)パレスチナ自決権の実現(3)両者の相互承認・共存へすすまなければなりません。

■日本は条約批准を

 国連は、1月27日を「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」としています。昨年、ガザの事態を受け、グテレス事務総長は「今日、憎悪が憂慮すべき速度で拡散している」と警告し「すべての人々の人権と尊厳のために、声を上げよう」とよびかけました。

 ジェノサイドを起こさせないために、すべての国家はもちろん、市民社会が国連憲章、国際法を順守し、対立と分断でなく対話と包摂をすすめること、そして目の前で起きている戦火や貧困、人権を蹂躙(じゅうりん)する出来事を見逃さず、声をあげる勇気が求められます。

 ジェノサイド条約には現在、153カ国が参加していますが、日本は批准していません。国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長は「国際的に見て恥ずかしい」と語っています。日本政府は参加を急ぐべきです。


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