今年もあとわずか。
この一年を振り返ると・・・
1歩進んで2歩後退、3歩進んで2歩後退
結局のところ進んでない?
いえ、進もうとする意思はある、という感じでしょうか。
徳永写真美術研究所の運営を始めて3年が経ちました。
最近、講座の思索に集中するあまり
個人的な制作は目に見えて進んでいません。
しかし
皆さんとの実験的な取り組みの中から多くの発見があり
それらの事を制作活動に反映させたいと思っているこの頃。
その研究所活動での発見を
初めて作品化しようとした取り組みが下の制作物です。
バライタ印画紙にモナリザ画像をシルクスクリーンプリント技法で刷っています。
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作品タイトル「ポジとネガの関係を考える試行」
(制作コメント抜粋)
数年前からシルクスクリーンプリントに取り組むようになった。
この技法も作業過程で随所にネガとポジの関係を意識する。
しかし、この関係は写真の場合のそれとは異なる事に気が付いた。
ひとつの版でネガポジ両方の要素を併せ持つのである。
淡い地色に濃い色で刷るとポジ像となり、濃い地色に淡い色で刷るとネガ像となる。
驚く程の発見ではないが、写真の見地から考えると、この現象は両性具有のように感じられた。
私にとっては魅力的なコトであった。そこで、この性質を活かした表現を試みようと思った。
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タイトルの通り、試行段階ではありますが
この作品を購入したいという方があらわれ
先日、納品してきました。
訪問すると、作品を設置する場所が確保されていました。
作品設置を済ませ、あらためて空間を見渡すと
作品を置く場所に必然性を感じる構成だと思いました。
枯山水のお庭のような・・・。
別の角度から見るとこのような状態です。
扉の奥に私の作品が見えます。
特筆すべき点は、この角度から見た場合
右横に見える作品もシルクスクリーンによる作品。
私の渋い色味とは異なり、鮮やかな赤色を基調とした作品です。
見る角度を変える事で異なる鑑賞法となる仕掛け。
上級のコレクション術に感動しました。
Yoshie
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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