授業なんて○○だ!変な教師の成功仕事術

学校の常識とは違う事いっぱいだけど、すべて筆者の成功体験からの仕事術ばかり。変な教師なので、信じなくていいですよ。

家庭訪問心得

2010-05-08 10:57:05 | Weblog
昨日で家庭訪問が終わりました。

今年は、ありがたいことに、クレームは1軒も無し。
例年は、1、2軒はあるものなんですが。
無事に、黄金の1ヶ月を乗り越えた証拠かなあと思います。

まず、絶対外せないのが、「時間を守る」こと。
現在、たいていの保護者が、何かしらの仕事をしています。

貴重な仕事の時間を、家庭訪問のために休みを取っています。
仕事先に頭を下げて、休ませてもらっているのです。
その時間の給料はもらえないのです。
遅れるわけにはいきません。

そう思いながらも、今年は、話が弾み、
少しずつ、遅れました。
(なぜかは、あとで書きます。)
それでも、「ごめんなさい。次の家庭がありますので。後日あらためて話を聞かせて下さい。」
と声をかけ、家をあとにします。
勿論、すぐにメモし、あらためて、出向きます。

前もって、ゼンリンなどの住宅地図をコピーし、
貼り付けて、学区の巨大地図を作っておきます。
そこに、住所をもとに、家の場所を探し、色ペンで丸をつけます。
次の年は、別の色で丸をつけます。

出来るだけ、行ったり来た理がないように、地図にコースを鉛筆でうすく書きます。
勿論、兄弟の時間とずらしたり、保護者の希望を入れます。
この地図は、異動するまで重宝します。

家庭訪問をするときは、カーナビと、この地図と、家庭調査票を
すべて使って家を特定します。

それでも、不安なことがあります。
学区がニュータウンなので、同じような家が多く、表札や住所表示のない家もあるので、
結構迷います。
子どもや保護者が外に出て、待っていてくれることもあり、
そういった場合は、「助かりましたー。ありがとうございます。」と心から言います。

そうでない場合、チャイムを押し、「○○小学校の○○です。○○さんですか?」
とこちらから言います。
「○○さんですか?」と先には聞きません。学校の教師と名乗れば、
まちがえていたとしても、悪い印象は与えません。

現在、学校から「玄関先で」と言われることもあります。
私の学校はそうではないので、促されれば、遠慮せずに上がります。
しくこく「いえ、玄関で」というと、逆に距離感、緊張を生んでしまいます。

最初に、緊張をほぐすために、世間話から。
「すてきなお庭ですね。」「広いリビングですね。」など
お世辞でなく、ぱっと印象に残ったことを口にすると、
保護者も嬉しいので、リラックスしたムードになります。
「そんなことないですよ」と謙遜されても、
「花がいっぱいで、気持ちいいですよ。」「子どもの絵も飾ってあって、嬉しいですよね。」
など、付け足します。
ほめられて、嬉しくない人はいません。
そこから、会話が弾みます。

1/3くらいは、保護者の方から、家での様子を話してくださいます。
その場合は、聞き役に回ります。そして、すべて受け入れるように相づちを打ちます。
「へえ、そうなんですか!」「だから○○さんはやさしいんですね。」
など、笑顔で、リアクションします。

1/3くらいは、質問してきます。「学校ではどんなですか?」
1/3くらいは、こちらから話すのを待っています。
その場合は、学校でのその子の様子を話します。それも、いいことだけを。
「○○君は、お手伝いをいっぱいしてくれるんですよ。」
「○○さんは、良く休み時間に、私の所に来て、いろいろ話すんですよ。」
などなど。

悪いことは、最初には言いません。
最初から、子どもの直してほしい所を言ってしまうと、
親ですから、かちんと来ます。
そういったことは、会話が弾んできたら、さりげなく言います。

多くの場合は、子どものいい所を言っていると、
「でも先生、うちの子はこういう所があるんですよ。」
と、保護者の方から、直してほしいことを言います。
そこで、「学校でも、こうなんですよ。」と言いやすくなります。
でも、悪い所はしつこく言わずに、「でも、がんばってますよ。」
と切り返します。

会話が続かなくなりそうなときは、質問して、話を引き出します。
「お家では、どんなお子さんですか?」
「お手伝いは、するのですか?」
「家で、勉強はしますか?」
「習い事は、されてますか?」

そして、必ず聞きたいのが、
「生まれたときから、何か病気とか怪我で、配慮しなければ行けないことはないですか?」
家庭環境調査票にも書かれてはいますが、あえて聞くことで、
くわしい様子もわかりますし、
保護者と一緒に取り組んでいくという意思表示にもなります。
何もない場合でも、「・・・だから、びしびしやって下さい。」な
どと、エールをもらえる場合が多いです。

お茶菓子が出される場合もあります。
学校から、もらわないように、と言うお達しが出る場合は遠慮します。
我が校は、そこまではありません。
でも、出されて、手をつけないのも、失礼かなあとも思うので、
私は、飲み物だけ頂くようにしています。
しゃべるので、喉が渇きます。
お菓子は、手をつけないようにします。
そう、自分の中でルールを決めることで、
あとで「うちのは食べた」「うちのは食べなかった」という噂を布石マス。
でも、当然トイレに行きたくなりますが、そこは合間の時間に学校によったり、
コンビニで借りたりします。

最後に、「学校やクラスに要望等はありますか?」
と聞きます。
いろいろ出されますが、即答はせず、
「わかりました。検討します。他のご家庭の希望もありますので、そうなるかわかりませんが、善処します。」
などと答えておきます。

車に戻り、家から離れてから、メモを取ります。
当たり前ですが、保護者の前では、メモは取りません。

昔は、保護者のいうことに
「でも・・・」「それはこういう事なんですよ。」などと言ってしまったことがあります。
しかし、そういった保護者とは、たいていその後うまくいきません。
だから、今では、絶対に言わないようにしています。

たとえ、厳しいことを言われたとしても、
「そうだったのですか。」「気付きませんでした。」
「申し訳ありません。」「ご迷惑をお掛けしました。今後、気をつけます。」
など、謙虚に徹します。

保護者にとっては、家庭訪問が担任と直接、たっぷりはなせる最初のチャンス。
そこで、1年間の教師の印象が決まってしまいます。
謙虚に、伺わせていただく、話を聞かせていただくという姿勢で、
そして、協力して、子どもたちを育てていこうという視点で、
話をするように努めます。

そうすれば、家庭訪問は、自分の味方を増やす、絶好のチャンスとなります。