特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

生と死 権利と義務(公開コメント版)

2022-05-09 08:15:03 | 特殊清掃 自殺
五月に入り、色とりどり、街や野山のあちらこちらでツツジが満開の盛りを迎えている。
そんな中、長~いGWが終わった。
懐が寒くなっている人、渋滞や人ごみに疲れた人、飲み過ぎ食べ過ぎで太った人など、様々な人がいそう。
とにもかくにも、久しぶりに政府や知自体による規制らしい規制がないGWで、多くの人が、その ひと時を楽しんだことだろう。
そして、そこでは、多くの“笑顔の想い出”が生まれたことだろう。
今は気づいていないかもしれないけど、この先、それは、“人生の宝物”になるもの。
だから、次の楽しみを追うばかりではなく、これはこれで、大切に、大切に、心にしまっておいた方がいい。
先々、自分を癒し励ましてくれることがあるかもしれないから。


併せて、今日から再び仕事の人も多いだろう。
家族から解放されてホッとしている人、再びの労苦に向かって憂鬱になっている人、様々か。
憂鬱になっている人にとっては、キツいところ。
そのうちに慣れてくるのだろうけど、とりわけ、新入社員や新入学生などは、五月病にならなければいいけど。
現実逃避からくる退職・退学等の間違いが起こって、私のような人生を歩くことになったら、目も当てられないからね。


私の場合、GW明けとか、まったく関係なく、毎朝、キツい思いをしている。
毎朝、起床前の数回、ほんの数秒から十数秒なのだが、「波」というか「発作」というか、胸の内を得体の知れないものが襲ってくる。
鬱にも慣れたこの頃は、それが「来そう」「来てる」「過ぎた」というのが自分でもわかる。
うまく言葉では言い表せないけど・・・
奈落に突き落とされるような恐怖感、暗闇を彷徨うような不安感、追い詰められるような切迫感、動悸がするほどの緊張感、息をするのもイヤになるくらいの虚無感・・・すべて自分の中で起こっていることながら、身の危険を感じるときもある。
あくまで、個人的な憶測だけど、ビルからの飛び降りや電車への飛び込み等、衝動的な自殺の場合、当人は、この症状に見舞われているときが多く、瞬間的な感情に動かされてしまうのではないかと思う。

「自殺があった部屋なんですけど・・・」


Battle(公開コメント版)

2016-08-22 09:02:24 | 特殊清掃 自殺
昨日、やっと、リオデジャネイロオリンピックが終わった。
事前には心配の種がたくさんあったようだが、大きな事件や事故はなく終わったようで(知らないだけ?)、何よりである。
開催中は、日々、色々な戦いが繰り広げられた。
もちろん、“戦い”は、試合本番だけではない。
そこにたどり着く前にも、様々な戦いがあったはず。
そして、選手本人はもちろん、関係者も、それに勝つために、並々ならぬ努力を積み重ねてきたはず。
もちろん、努力が報われるとは限らない。
報われた人より、報われなかった人の方が多いかもしれない。
が、努力してきたことは、間違いのない事実。
そう考えると、メダル以外の収穫も大きいのではなかと思う。
また、多くの人の人生に、たくさんのいい思い出も残ったはず。
それもまた、かけがえのない宝物だと思う。

そう賞賛しつつも、実のところ、私は、オリンピックにほとんど興味がない。

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Negative speaker(公開コメント版)

2014-03-19 09:17:00 | 特殊清掃 自殺
年柄年中、あちこちの街に出かけている私。
ある時、ある街で、妙な看板が目についた。
そこには、
「ネガティブスピーカーと楽しく会話」
と、デッカイ文字。

「ん? ネガティブスピーカー!?」
「ネガティブスピーカーと楽しく会話なんてできんのか?」
と、私は、少し驚いて頭を傾げた。
そして、自分の仕事を棚に上げて
「世に中にはヘンテコな商売があるもんだな」
と感心しながら苦笑。
しかし、その看板をよく見ると、「ネガティブスピーカー」ではなく「ネイティブスピーカー」と書いてある。
それは、どこにでもある、英会話教室の看板だった。

“ネガティブスピーカー”と“ネイティブスピーカー”はまったく別物。
そもそも“ネガティブスピーカー”なんて言葉、聞いたことがない。
「“ネイティブスピーカー”を“ネガティブスピーカー”と読み間違えるなんて、何とも俺らしいや」
マイナス思考が服を着たような人間である私は、再び苦笑したのだった。


故人は50代の男性。
死因は縊死。
現場は、一時代前のアパート
間取りは2DK。
死後、結構な日数が経過しており、深刻な汚染と異臭があった。

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