故人は70代の男性。
地方の小さな街の出身。
若い頃は“いい人”がいたこともあったのだろうが結婚歴はなく、子供もおらず。
都会の小さなアパートでながく一人暮らしを続けていた。
家族は、両親と年の離れた妹が一人。
ただ、母とは血がつながっておらず。
実母は故人が幼少の頃に他界。
母は、父の再婚相手だった。
そして妹とも“腹違い”の兄妹だった。
両親は、小さな妹を可愛がった。
故人も、年の離れた妹を可愛がった。
特に、母は妹を溺愛。
そのせいもあってか、故人は母とはなじめずにいた。
自分と義母の間に立つ父の心労や、腹を痛めた我が子を持つ義母に対して遠慮する気持ちがあったのか・・・
父がすすめる高校進学も断り、故人は、中学をでると田舎を離れて上京。
家に自分の居場所がなかったというだけではなく、裕福ではない家庭に負担をかけたくないという理由もあったようだった。
故人は、上京して後、何度かは盆暮れに帰省していたが、次第にそれも少なくなってきた。
特に父親の死後は、田舎に帰ってくることもなくなった。
結果、母妹と顔を合わせることもなくなり、電話で話すこともなくなった。
それでも、故人のもとには、毎年、妹から年賀状が届いた。
ただ、故人が、返礼の賀状を送ることはなかった。
そうして年月が経ち・・・
年を重ねた故人は、寄る年波には勝てず。
身体に不調を抱えていたのか、ひっそりと自宅で死去。
そして、しばらく誰にも気づかれず、その身体を朽ちさせていったのだった。
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地方の小さな街の出身。
若い頃は“いい人”がいたこともあったのだろうが結婚歴はなく、子供もおらず。
都会の小さなアパートでながく一人暮らしを続けていた。
家族は、両親と年の離れた妹が一人。
ただ、母とは血がつながっておらず。
実母は故人が幼少の頃に他界。
母は、父の再婚相手だった。
そして妹とも“腹違い”の兄妹だった。
両親は、小さな妹を可愛がった。
故人も、年の離れた妹を可愛がった。
特に、母は妹を溺愛。
そのせいもあってか、故人は母とはなじめずにいた。
自分と義母の間に立つ父の心労や、腹を痛めた我が子を持つ義母に対して遠慮する気持ちがあったのか・・・
父がすすめる高校進学も断り、故人は、中学をでると田舎を離れて上京。
家に自分の居場所がなかったというだけではなく、裕福ではない家庭に負担をかけたくないという理由もあったようだった。
故人は、上京して後、何度かは盆暮れに帰省していたが、次第にそれも少なくなってきた。
特に父親の死後は、田舎に帰ってくることもなくなった。
結果、母妹と顔を合わせることもなくなり、電話で話すこともなくなった。
それでも、故人のもとには、毎年、妹から年賀状が届いた。
ただ、故人が、返礼の賀状を送ることはなかった。
そうして年月が経ち・・・
年を重ねた故人は、寄る年波には勝てず。
身体に不調を抱えていたのか、ひっそりと自宅で死去。
そして、しばらく誰にも気づかれず、その身体を朽ちさせていったのだった。
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