特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

電話談義(前編)

2007-07-31 07:31:48 | Weblog
日本では、二人に一人の割合で携帯電話を持ってるらしい。
しばらく前の情報なので、今はそれ以上かもしれないが。

それにしても、携帯電話の進化と普及のスピードは目を見張るスゴさがある。
短命に終わったポケベル時代が懐かしい。

私が死体業に入った当時、携帯電話なんて誰も持ってなく見る影もなかった。
外での通信手段は、もっぱら〝ポケベル+公衆電話〟。
だから、ポケベルとテレフォンカードは手放せなかった。

ポケベルが鳴る度に公衆電話を探して電話をかける・・・
当時はそれが当り前だったので何とも思っていなかったけど、今思い出すと、不便極まりなかった。



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人の模様

2007-07-28 08:15:11 | Weblog
私が言うまでもなく、人にはそれぞれの人生がある。
そして、それぞれの死期と死に方がある。

死期・死に方で圧倒的に多いのは、平均寿命前後(老人)の病死。
しかし、その陰には、事故死・若年者の病死、そして自殺がある。

続くときは立て続けに発生する人の自殺。
個人的な感覚かもしれないが、自殺って、奇妙な〝自殺多発期間〟のようなものがあるように私は感じている。
それは、〝大きな闇の力が働いている?〟と疑いたくなるほど強烈なもの。
そういう期間に入り込むと、〝仕事〟と割り切っていてもなかなかしんどいものがある。




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野良猫

2007-07-25 08:07:36 | Weblog
私は、自分で、〝世渡り上手〟とまではいかなくても、〝世渡り下手〟だとも思っていない。
ま、どちらにしろ、人との付き合いが下手クソなのは事実。

仕事関係なら、それなりの必要事項を喋っていれば済むけど、そうでない相手とは何を話せばいいのか分からなくて困る。
私は、機転のきいた社交辞令的なネタを、まず思いつかない!
だから、初対面の人や関わりの薄い人と時間を消化しなければならない場面はツラくて仕方がない。

人間関係って楽しいこともあるけど、疲れることも多い。
本音と建前の使い分けなんて考えてしまうと、すぐさま人間不信に陥る。

普段は一人でいる方が楽なのに、何かあると一人では心細い。
孤独を愛する淋しがりやの私は、犬のように人になつくとこもできず、猫のようにマイペースにもなりきれないのである。

猫って、街のどこにでもいる。
都内でも郊外でも、どこででも見かける。
街の表裏をうろつく野良猫は、私には世渡りが上手い動物に映る。





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野良犬

2007-07-22 08:27:35 | Weblog
この社会では、多くの人がペットを飼っているみたい。
多いのは、やはり犬と猫だろうか。
最近では、ペットフード・ペット用品やペット向サービスもかなり充実していて、これを書いている人間様よりもいい暮らしをしているペットもいそうな感じだ。
しかし、どんなに手をかけたって、ペットの幸・不幸と飼い主の幸・不幸は別物。
どうも、その辺は混同しない方がよさそうだ。
お互いのために。


ある雨の日の夕刻、東京の郊外を車で走っていたときのこと。
渋滞する車の列に向かって、道路脇から犬が飛び出してきた。
驚いた私は、急ブレーキを踏んだ。
犬は、私の前の車に接触。
幸い、車は低速だったこともあり、犬は〝キャイン!〟と叫んだだけでどこかへ走り去っていった。




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赤と黒

2007-07-19 07:26:52 | Weblog
〝ギリギリ〟〝キツキツ〝カツカツ〟
え?何の音かって?
私の財布の中から聞こえてくる悲鳴。

お金って、入ってくるのは月一なんだけど、出ていくのは毎日。
あれよあれよという間に無くなっていく。
未練タラタラ、
「出て行かないでぇー!」
と叫んだところで、冷たく出て行かれてしまう毎日だ。

「世の中、金で解決できることがたくさんあるよなぁ」
「逆に、金で解決できないことはどれくらいあるだろうか・・・金で解決できることと比べたら、どっちが多いだろうか」
本来は計れないものをあえて計ろうとする、頭の悪い私である。





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心の奥

2007-07-16 08:53:40 | Weblog
こうして生きていて、自分で自分が分からなくなるときはないだろうか。
自分が何をしているのか、自分は何を望んでいるのか、自分に大切なものは何なのか分からなくなるときが。

いちいちそんなことを考えるのは余計なことかもしれない。
日常の生活には必要のないことかもしれない。
そんな余計なことは考えずに、一日一日を楽しく生きることに集中すればいいのかもしれない。
でも、考えてしまう。
何とも言えない満たされない感覚が、常に私に付き纏ってくるから。


仕事の依頼が入った。
現場は、古くて小さな公営団地。
依頼者の男性とは、現場で待ち合わせた。





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未知の道

2007-07-13 09:23:03 | Weblog
「なかなかいい商売を見つけたもんだな」
自宅に招いた私に、依頼者の男性は唐突な言葉を浴びせた。

「〝商売〟と言われれば〝商売〟かもしれませんけど、〝いい商売〟かどうかは分かりません」
私は、男性にそう切り返した。

「そうは言ったって、いい金もらってんだろ?」
男性は、私の心象などお構いなしで言葉を続けた。

「同年代の平均所得は下回ってますよ」
私は、ホントのことを言った。

「またまた~、そんなことないだろ?」
男性は、〝トボけんなよ〟と言いたげで納得してない様子。

「ホントですよ・・・嘘をついたって仕方がないですから」
私は、苦笑いで話題が変わるのを待つしかなかった。




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シアワセ

2007-07-10 07:29:30 | Weblog
苦しいこと・悲しいこと・辛いこと・悩むこと・・・
自分の人生は、そんなことだらけじゃないかと暗い錯誤を覚えることがある。

日常のささやかな楽しみや幸福感は、目には見えず肌で感じるだけの風みたいなもので、あまり実質感がない。
そんな感覚で生きていると、シアワセってなかなか手に入らないような気がする。
しかしながら、実は、簡単に手が届くようなところあるような気もする。


現場は、古い分譲マンション。
最初に電話をしてきた依頼者は、故人の息子・中年男性。
しかし、現地調査(見積)のときに現場に来たのは依頼者の妻、つまり故人の嫁だった。

「だいぶヒドイと思いますよ!」
女性は、〝中に入るなんてとんでもない!〟といったしかめっ面で、私に鍵を渡した。





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生きてたら

2007-07-07 07:55:14 | Weblog
死体業に入って15年。
数え切れない何人もの死と遭遇し、色んなかたちの死を見てきた。
色んな人(故人)達が、私の人生を通り過ぎていった。
その中には、私より歳の若い人もたくさんいた。

「もっといい仕事はなかったのだろうか」
そう過去の自分を振り返ってみることもあるけど、その全ては誰のせいにできるものではない。

自分に与えられた道、自分で選んだ道、何もかも、生きているから味わえる醍醐味。


ある不動産会社から、特掃の依頼が入った。
出向いた現場は、1Rマンションの一室。
オートロックの入口には監視カメラもついており、家賃の高そうな建物だった。





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スープの好み

2007-07-04 17:44:36 | Weblog
決して〝通〟なわけではないけど、私は結構なラーメン好きである。

昼時になると、だいたいいつも
「うまいラーメンが食べたいなぁ」
と、無意識のうちに考えている。
汗をかく夏は体内の塩分が不足がちになるので、そのせいもあるのかもしれない。

どうだろう・・・一週間のうち2~3度はラーメンを食べているかもしれない。
ウ○コ男になっているときは、店や他の客に悪いんで遠慮しとくけどね。

仕事柄、私の外出先は毎日違う。
したがって、私が入るラーメン屋も色んな所の色んな店。
特定の店の常連になっているようなことはない。
車で走ってて、たまたま通りかかった美味そうな店に入るのだ。




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