特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

だいごみ(後編) (公開コメント版)

2008-05-30 15:25:26 | Weblog
前編の記事をアップしてから、何件かの書き込みコメントをもらった。
どんなかたちであれ、読んでくれている人から具体的に反応をもらえるのは嬉しい。

ただ、今回は・・・
前フリが分かりやす過ぎたせいか?、後編の展開をほとんど読まれてしまっている。
読み手も方々の脳も、特掃風の味付けがなされてきているのだろうか。
「死体業ってどんな仕事?」
「特殊清掃って何をするもの?」
「そんなの、見たことも聞いたこともないよ」
なんて、純粋な初心を取り戻してもらえると、少しは書きやすいのだが・・・(?)
とにもかくにも、話を続けよう。


「何だよー!アレー!」





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だいごみ(前編) (公開コメント版)

2008-05-25 15:33:54 | Weblog
「いらない物を片付けたいんですけど・・・」
若い女性の声で電話が入った。

「引っ越しをするので、ついでに不要品も処分したいんです」
「はい・・・」
「でも、自分一人ではできなくて・・・」
「なるほど・・・で、捨てる物の量はどれくらいあります?」
「え~と・・・ちょっと多いかもしれません・・・」
奥歯にモノが挟まったような言い方は、私の特掃琴線に〝ピン〟とくるものがあった。
しかし、野暮なことを言っても男が上がるわけではない。
〝ゴミ屋敷〟というキーワードは頭の隅に隠し、〝ゴミ〟という単語を使わないように気をつけながら、現場の詳細を尋いていった。

「〝不要品〟ってどんなモノがありますか?」
「色々なものが混ざってまして・・・」
「色々なもの・・・」
「はい・・・」
「ところで、引っ越しされる日はいつですか?」
「明後日・・・です」
「明後日!?」
「そうなんです・・・」
「随分と急ですねぇ」
「えぇ・・・」
「延ばせないんですか?」
「えぇ・・・」
私は、急な引っ越しプランに、表面的には驚いてみせた。




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色眼鏡(公開コメント版)

2008-05-20 12:58:59 | Weblog
歳のせいか、このところめっきりと視力が落ちてきた。
数年前から視力に波を感じるようになり、次第に遠くのものが見えにくくなってきている。

特に不具合を感じるのは、ピントを合わせるスピード。
近くに見ていて急に遠くに視線をやると、ボヤ~ッとして、視界がクッキリするのに時間がかかるのだ。

私は、もともと視力はいい方。
子供の頃から成人するまで2.0を堅持。
測り方によっては1.5になったこともあったけど、それでもそれより下にいくことはなかった。
それが、歳を重ねるごとに不安定になり、ある年の免許更新時には〝要眼鏡〟の条件をつけられそうになった。
幸い、その時は検査のやり直しでパスすることができたが、それ以降もきわどい線を推移している。




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陰日向(公開コメント版)

2008-05-15 07:02:41 | Weblog
このGW前、大手企業に勤めている知人に、
「例年は11連休はとれるのに、今年は少ない」
とボヤいている人がいた。
過ぎてみると9連休だったらしいけど、〝よくもまぁそんなに休めるものだ〟と感心する。

また、地方公務員の知人は、
「うちらの仕事は、〝忙しい〟とか〝ヒマ〟とか関係ないから・・・」
とのこと。
土日祝祭日に有給休暇を加えて、仕事よりプライベートにウエイトを置きながら悠々自適?にやっているみたい。

会社(役所)も本人も、それで仕事に支障がでないのだから大したものだ。
大組織に勤めたことがない私には、その仕組みが不思議でならない。

何はともあれ、苦悩と疲労の中で労働に従事しているのは私だけではない。
その種類が違うだけで、人それぞれに悩みも苦労もあるだろう。
そんな中でも、一人一人がそれぞれの場所で頑張っている。
私も、自分で自分を可哀想がってばかりいないで、頑張らないとね。


ある日の午後、男性から仕事を依頼する電話が入った。




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春の置土産(公開コメント版)

2008-05-10 15:50:02 | Weblog
「疲れた・・・」「眠い・・・」

新緑も輝くように映え、このところ急に暖かく・・・時には暑いくらいになってきた。
不眠症の私には、このポカポカ陽気が仇となる。
昼間、車に乗っていると、疲労に重なって凄まじい睡魔が襲ってくるのだ。

ガムを噛んだり身体をつねったり、流行遅れの歌を歌ったりして抵抗を試みる。
しかし、敵も強者。
撤退は一時なもので、またすぐに襲ってくる。

幸い、事故こそ起こしたことはないものの、瞬間気絶によってヒヤッ!としたことは何度もある。
ただ、車の運転が欠かせない仕事だから、その辺は重々気をつけないといけないと思う。

そんな春、GWを楽しく過ごした人は多いだろう。
私も、このGWは行楽渋滞を横目に、海や山に出掛けた。
海は海でも〝〓の海〟、山は山でも〝〓〓の山〟だったりするけど。
並のレジャーでは決して味わうことのできない、心的な一大アドベンチャーを経験した。

ところで、世の人は、連休明けの仕事をどんな気分で迎えたのだろう。
鬱状態の自分に鞭を打った人もいれば、勇んで出社した仕事人間もいたかもしれない。
また、私と同じくずっと休まず仕事をして、メリハリのなく過ぎた人もいただろう。




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火炎(後編) (公開コメント版)

2008-05-05 09:37:51 | Weblog
火事の原因をみると、〝タバコの火〟は上位にランキングされているよう。
あとは、ガスコンロや電気器具。
そしてまた、非常に残念ながら、〝不審火〟も多いらしい。
・・・付け火・放火の類だ。
放火は、刑法上の罪も重く設定されているらしい。
火災現場とそれを取り巻く人間模様を眺めていると、それも理解できるような気がする。


作業の日。
空は、女性の心情を表すかのように薄曇り、所々に陽がさしていた。

「今日は、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「作業には、立ち会わなくてもいいですか?」
「構いませんけど・・・」
「全部お任せしますので、終わったら御連絡下さいますか?」
「はい、責任を持ってキチンとやりますから、心配しないで下さい」
「よろしくお願いします」
「ちなみに、どちらで待たれてますか?」
「この近くに新しく部屋を借りたので、そこで待ってます」
「そうですか、わかりました」
女性が作業に立ち会いたくない理由は、だいたい察しがついた。
他の住民に対する罪悪感や火事の恐怖感にこれ以上焦心するのが辛かったのだろうと思った。

現場の火災跡の片付けには、それなりのコツみたいなものがある。





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