特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

人情味(後編) (公開コメント版)

2009-05-26 12:32:27 | Weblog
世の中には、ボランティアで働いたり、他人のための無償奉仕を惜しまない人が多くいる。
そんな生き方が、苦にならない人がいる。

〝人助け〟には、少なからず、苦痛や自己犠牲がともなうはず。
それを、金銭と引き替えずに喜びと満足に変えるなんてことは、なかなかできることではない。

頭はよくないくせに、打算だけはよく働くこの私。
物事を損得以外で考える思考回路を、持ち合わせていない。
だから、強いられもしないのに、どうしてそういう生き方ができるのか不思議である。

不思議に思うだけならまだしも、かつて私は、その類のことを冷視していたことがある。
ビジネス性の強いチャリティーイベント等に、強い嫌悪感を覚えていたのだ。

特に若い頃・・・10代・20代の頃は、それが顕著。
人の打算や利害・表裏や偽善ばかりが目について、とても賛同する気にはなれなかった。



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人情味(前編) (公開コメント版)

2009-05-19 17:08:23 | Weblog
人間関係は、社会的動物である我々が生きていくうえで必要なものではあるけど、時に、煩わしいものでもある。
無人島に一人きりでは困るけど、人間社会にあっての一人きりは、わりと心地よかったりする。
特に、人と関わることを苦手とする私のような人間はそう。

いつの頃からか、私は、人間関係に楽しさを覚えることよりも、疲れを覚えることの方が多くなってきた。
〝仲間とワイワイ〟といったノリは歳とともになくなり、一人で静かに過ごすことを好むようになってきた。

今更、社交的なキャラにはなれないけど、とにもかくにも、人は一人では生きられないものなので、好む・好まざるに関わらず、一定の人間関係は保持しなければならない。
どうせ関わらなければならないなら、できる限り、愛と・誠と・善と・情をもとづいた関係をつくりたいものである。




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死屍糞人・獅子奮迅(公開コメント版)

2009-05-13 16:55:25 | Weblog
GWも終わり、皆、どんな気分で勤めを再開しているのだろうか。
鬱々としている人、晴れ晴れしている人、そこまで仕事にウェイトを置いてない人etc・・・色んな人がいるだろう。
連休に縁のない私は、気分の浮き沈みがなく過ごせているけど、俗に言われる〝五月病〟は、この時期に顕著に現れる。
特に、それは、新入社員にとっては深刻。

少し古いデータだが、大手企業に入社する新入社員のうち、約10%の人間が一年以内に退職するらしい。
つまり、10人に1人。
これが、二年以内になると約20%、三年以内は約30%になるとのこと。
〝大手企業〟と言われるからには、処遇もステイタス性もそこそこの会社だろう。
また、入社するために、ハードな就活も経験したはず。
なのに、たった三年の間に3人に1人の人間が辞めている・・・
この現実に自分の過去を重ねると、気が病んでいなくても溜息が漏れてしまう。



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彼のCurryと蟻と俺(公開コメント版)

2009-05-06 11:34:40 | Weblog
不動産会社から、特掃の依頼が入った。
現場は、管理している一軒家。
故人は、そこで一人暮らしをしていた中年の男性。
亡くなっていた場所は浴室で、浴槽の湯に浸かったままの状態。
〝死後2~3日が経過し、それなりに腐敗汚染が進んでいた〟とのことだった。

「早めに処理した方がよさそうですね」
担当者の慌てぶりからそれを察した私は、訪問する時間を段取り。
それから、〝2~3日ものの汚腐呂〟に対応できる準備を整え、現場に急行した。

「随分と、立派な家だけどなぁ・・・」
立派な家は、演出された○○屋敷のような様相。
私は、ちょっとビビりなが、予め教えられた所から隠しキーを取り出して、それで玄関を開けた。

「うはぁ~・・・」




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