特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

バカ丸だし(公開コメント版)

2012-05-23 08:44:14 | Weblog
暖かな春は短かった。
5月も下旬になり、季節は一気に夏めいてきた。
作業服が塩をふく恐怖の季節は否応なく近づいている。

長い人で九連休だった、今年のゴールデンウィーク。
そうでない人でも三連休+四連休か。
多くの休暇をつかって、多くの人が笑顔の思い出をつくったことだろう。

生きるために働くわけで、働くために生きるわけじゃない・・・私も珍しく二連休をとった。
週休二日制が世の中に定着して久しいが、私が連休をとるのは極めて稀。
たったの二連休でも貴重に感じられ、随分と楽しい時を過ごすことができた。

しかし、その後に問題あり。
元来、働くことが嫌いな私。
休み明けの朝、もの凄い疲労感と虚無感に襲われて辛い思いをした。

幸か不幸か、休み慣れしてないせいで、こんなかたちでツケが回ってくる。
たった二日の休暇でこのザマだから、9連休なんかしたら病気になって寝込んでしまうかもしれない。
一体、何のための休暇なんだか・・・ホント、悲しい性(サガ)を背負っている。

しかし、少なからずの人が似たような苦しみを味わったのではないだろうか。
「五月病」なんて言葉があるのもそれが故。
この時期は、季節の変わり目でもあり、心身ともに不具合を起こしやすいのだろう。

幸い、私は、五月病には縁がない。
3月~4月に新年度らしい節目もないし、GWらしい休暇もないから。
あとは、“万年五月病患者”だからかも。

例年苦しんでいる冬欝も、今季は極めて軽かった。
昨年秋頃から覚悟は決めていたのだが、いい意味で拍子抜けしたような次第。
お陰で?酒の量も食欲も減らず、精神が健康な分、肉体が不健康になっているように思える。


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迷 ~後編~(公開コメント版)

2012-05-06 08:34:42 | Weblog
翌日の朝・・・
私は、アパートの近くの大家宅を訪問。
作業開始の挨拶と、大家の指示・要望を聞くためだった。
大家や管理会社の意向によっては、作業内容を大きく変えざるを得なくなるケースもある。
やはり、あまり神経質になられると、仕事はやりにくい。
したがって、インターフォンを押す私は、ちょっと緊張していた。

玄関に現れたのは年配の男性。
大家は、私が何者かすぐにわかったようで、開口一番「ご苦労様」。
現れた強面に、一瞬、緊張度が増した私だったが、その一言で緊張は和らいだ。
私は、「これから作業をはじめますので、ヨロシクお願いします」とペコリ。
それから、作業を実施するにあたっての注意点や要望を訊ねた。

自分のアパートをあんな状態にされて心中穏やかではなかっただろうに、大家からは特に細かい指示はなし。
前日のうちに母親から連絡を受けていたこともあり、二つ返事で作業実施を承諾。
とにかく、悩みの種だった部屋がやっと片付くことになってホッとした様子。
「お手数おかけします」「ヨロシクお願いします」と頭を下げてくれ、軟らかくなっていた緊張感を更にほぐしてくれた。

それから、私は現場アパートを訪問。
算段は、午前中は室内で荷造梱包をし、午後から荷造梱包をしながら搬出するというもの。
意図してかどうかわからなかったが、この日もまた女性は不在。
母親によると、「捨ててほしくないものを伝えて外出した」とのこと。
そして、母親も、意見もせずそれを許したよう。
私は、「酷なようだけど、自分のしでかしたことの尻拭いを母親がしている姿を女性に少しでもみせた方がいいのではないだろうか・・・」と内心で不満に思った。
反面、これまでの経緯から女性と顔を合わせるのは気マズイため、ホッとしたのも事実だった。

室内の様子は前日と少し変わっていた。


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