特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

Nice Body(公開コメント版)

2008-12-31 09:56:07 | Weblog
2008年大晦日。
今年も今日でおしまい。
過ぎた一年と来る一年を想うとドッ!と疲れが襲ってくるけど、澄んだ青空を仰いでみると、感謝の気持ちと希望が自然に湧いてくる。

今年もまた、多くの人が亡くなった。
老若男女、色々な亡くなり方で。
その最前線で、多くの人との出会いがあった。
人々の苦悩と悲しみの中には、涙の笑顔と希望があった。
そのお裾分けをもらい、私も耐え忍ぶことができた。
そして、崩れ・溶け・消えゆく死体・・・蛆蠅に食われながら悪臭を放つ多くの死体に魂を感じた。



続きはこちら

Today ~特別な日~ (公開コメント版)

2008-12-28 08:25:03 | Weblog
「年内はいつまで仕事ですか?」
「31日です」
「31日!?・・・大変ですねぇ・・・」
「はい・・・」
「じゃ、1月は何日からですか?」
「1日です」
「1日!?」
「はい・・・」
「・・・てことは、休みないんじゃないですか?」
「ま、そういうことで・・・」

毎年の師走、必ずと言っていいほど誰かとこんな会話をする私。
つい先日も、仕事関係の女性とこんなやりとりをした。

仕事納めは大晦日・仕事始めは元旦。
死体業には当り前のこと。



続きはこちら

大切なもの(公開コメント版)

2008-12-22 17:39:56 | Weblog
なんだかバツが悪い。
いい雰囲気でサヨナラしてもらってるのに、未練たらしく首を振ってるみたいで・・・
このまま終わっとかないとシラケてしまいそうな感もあるが、Christmasに免じて赦してもらおう。


「以前、お世話になった者ですが・・・」
現場の場所と依頼者の名前を聞くと、その記憶はすぐに蘇ってきた。
そして、真っ先に家主の顔が頭に浮かんできた。

「再度、店の片付けをお願いしたいと思いまして・・・」



続きはこちら

ありがとう(公開コメント版)

2008-12-16 15:45:06 | Weblog
12月は、忘年会のシーズン。
本来、内向的だが、普段、人並の外面だけは保持するよう努めているせいか、私にもそれなりの付き合いがある。
ただ、そんな宴席、酒好きの私でも気の進まないものが少なくない。

私は、不特定多数の人を相手に、社交辞令的な話をするのは極めて不得意。
それこそ、酒の力を借りないと口が滑らかに動かない。
酒に弱い方ではない私が、酒の力でその口を滑らかにするには、相応量を飲まなければならず、これが結構大変。
本当は、誰にもちょっかいを出されず、地蔵のように一人で固まっていたいのだが、それでは雰囲気を壊してしまう。
かと言って、私の性格では、素面(シラフ)ではとても社交的に和気藹々とはいかない。
やはり、酔って自分を壊すしかないのである。



続きはこちら

和解の距離(公開コメント版)

2008-12-10 19:56:48 | Weblog
「かなりヒドいみたいで・・・こんなお願いして申し訳ありません・・・」
依頼者の話は、必要のない謝罪から始まった。

電話をしてきたのは中年の女性。
亡くなったのは女性の母親。
亡くなってから発見されるまで一年近くが経過しており、警察署の霊安室で女性が確認した遺体は完全に白骨化。
警察からは、部屋がヒドい状況であることと部屋の中は見ない方がいいことを伝えられていた。
また、見せられた遺体の状態から、部屋が劣悪な状態になっていることは素人ながらも想像できているようだった。



続きはこちら

死体と向き合うⅡ(公開コメント版)

2008-12-04 08:08:30 | Weblog
簡単なことを難しく考えて足踏みしているうちに、もう12月。
今年も、残すところ、あと一月をきった。
樹々の紅葉も深まり、澄んだ青空とのコントラストが鮮やか。
初夏の新緑もいいが、初冬の紅葉にもまた格別の趣がある。
瞬間的にでも、そんな景色に触れると心が洗われて生命の幸せを実感する。

過ぎてしまえば、一年ははやい。
こんなことを言っている人は多いと思うが、それと同じで、〝過ぎてしまえば一生ははやい〟。
言うまでもなく、一度過ごした一生の後に、新しい一生はない。
新年を期待するように、新たな人生を期待することはできない。
これを、どれだけの人が意識して生きていることやら・・・
心配しなくていいことクヨクヨの憂うわりには、本当に心配しなければならないことは気にも留めない・・・人ってそういうものか。



続きはこちら