蝉が網戸にとまってた。
君の最後の止まり木は此処なのかい?
まぁ、ゆっくりしてってよ。
猫が狙ってるから気をつけて。
鳴きたいのなら鳴いていいよ。
さぁ、思いっきりどうぞ。
けど、彼は一日中そこに居て、
全然鳴かなかった。
じっと、人生を振り返っているかのように。
ところが、日が落ちて彼は急に、
ジジジジジジジジジジジジ・・・
と鳴いて、元気に飛び立って行った。
なぁーんだ。休憩かぁ。
蝉を見てセンチになるのは人間の勝手。
蝉はいつもあっぱれだ。
まったく、
天晴(あっぱれ)なんだよなぁ!