ごんしゃん ごんしゃん どこへゆく
赤いお墓の ひがんばな
きょうも手折(たお)りに 来たわいな
北原白秋の詩が浮かぶ。山田耕筰作曲の「曼珠沙華」(ひがんばな)
紅い花を見つめながら、ごんしゃん、ごんしゃん、頭の中で鳴る。
栃木へお墓参り。
お寺の裏のお墓のそば、木立の中に真っ赤に燃える花。
ごんしゃん ごんしゃん 何本(なんぼん)か
地には七本(しちほん) 血のように
ちょうど あの児(こ)の 年(とし)のかず
ごんしゃん ごんしゃん 気をつけな
ひとつ摘んでも 日は真昼
ひとつ後から また開く
ごんしゃん ごんしゃん なし泣くろ
いつまで取っても ひがんばな
恐(こわ)や 赤しや まだ七つ
この歌を習って、歌ったのはいつの日か。
歌いきれないよ。好きな歌だけど。
山田耕筰は天才だと思う。白秋も。
大きなイチョウの木を見上げると、銀杏がまるで葡萄の房のよう。
たわわ。秋なんだなぁ。